悪役令嬢戦記:死ぬしかない悪役令嬢に転生したので、無双を目指す事にしました。
第15話:閑話・金級魔力回復薬と金級体力回復薬
「すげぇええええ、金級の回復薬が売りに出てるぜ」
「うっそだろ、ひやああああ、たっけええええ、こんなの買えねぇよ」
王都冒険者ギルドでは、闇ルートで入手されたという金級の魔力回復薬と体力回復薬が売りに出されていたが、そのような高価なモノを買える冒険者は限られていた。
いや、そもそも最大魔力と最大体力の関係で、金級の回復薬を必要とする人間自体が、王侯貴族でも伯爵以上なのだ。
だから小金貨二枚もの高価な回復薬は買われないと思うのが普通なのだが……
「イグレイン、オーネリア、二つ三つ買っておくか?」
教会から勇者候補に選ばれたガイが、聖女候補のイグレインと、勇者候補パーティー最大な攻撃力を誇る女魔術師オーネリアに提案した。
「そうね、この辺で他の勇者候補パーティーに差をつけたいわね。
大物を狩れば私たちの評価があがるでしょうし、これくらいなら必要な経費ね。
二つ三つなんて貧乏くさい事は言わずに、二〇個ほど買っておこうかしら」
聖女候補のイグレインは買う気になっていた。
教会幹部の娘だから、信徒を騙していくらでも寄付を手に入れられるのだ。
「そうですね、私も実家に頼んで追加援助をもらいましょう。
何も一度に飲み切る必要はありませんからね。
強敵を相手にいしている時なら、開封して劣化する前に使い切るでしょう。
魔力が余るようなら魔宝石に蓄えておけばいいだけです」
某伯爵家に生まれながら子爵級の魔力しかなかったために、表向き家を追い出されて冒険者となった女魔術師オーネリアは、狂おしいほど地位と名声に飢えていた。
だがそれは勇者候補のガイも同じだった。
違う点は、ガイが一族から完全に見捨てられて何の援助も得られないのに対して、オーネリアが手厚すぎるくらいの援助を実家からもらえている事だった。
「俺には支援などないから買えないが、お前たちが買ってくれるのなら助かる。
教会の勇者に選ばれれば、新たな貴族家を興せる可能性もあれば、引退後に枢機卿に選ばれる可能性もある」
ガイは内心の葛藤を表に出すことなく二人に話しかけた。
「まあ、なんて図々しいのですか。
貴男に希少で高価な金級回復薬を分け与える気などありませんよ」
聖女候補のイグレインが貧しいガイを蔑むような表情で言った。
「そうよ、ガイ。
一族に見捨てられた貴男と、魔力が増えたら戻れる私を一緒にしないで。
この金級魔力回復薬は、私が魔力を高めるために使うのよ」
女魔術師のオーネリアが吐き捨てるように毒づいた。
ガイははらわたが煮えくり返るような怒りを覚えながら、全く表情を変える事なく、二人を持ち上げるように話した。
「分かっているよ、イグレイン。
俺に使って欲しいなんて全く思っていないさ。
だが聖女に認定されるにも、伯爵家に相応しい魔力を手に入れるのも、最低でも属性竜を狩らなければけない。
そのためには盾になる者や剣になる者が必要だろ。
俺やドレイクを死なせない程度には回復させないと、二人も死ぬぜ」
ガイの言葉に二人は黙り込んで考えることになった。
二人にはどうしても譲れない目標があるのだ。
勇者候補に選ばれている他の三グループに負けるわけにはいかないのだ。
二人は手持ちの資金を全て投入して金級の回復薬を買い占めることにした。
金級の回復薬が冒険者ギルドに出回った事で、運命が変わる者がいたのだった。
「うっそだろ、ひやああああ、たっけええええ、こんなの買えねぇよ」
王都冒険者ギルドでは、闇ルートで入手されたという金級の魔力回復薬と体力回復薬が売りに出されていたが、そのような高価なモノを買える冒険者は限られていた。
いや、そもそも最大魔力と最大体力の関係で、金級の回復薬を必要とする人間自体が、王侯貴族でも伯爵以上なのだ。
だから小金貨二枚もの高価な回復薬は買われないと思うのが普通なのだが……
「イグレイン、オーネリア、二つ三つ買っておくか?」
教会から勇者候補に選ばれたガイが、聖女候補のイグレインと、勇者候補パーティー最大な攻撃力を誇る女魔術師オーネリアに提案した。
「そうね、この辺で他の勇者候補パーティーに差をつけたいわね。
大物を狩れば私たちの評価があがるでしょうし、これくらいなら必要な経費ね。
二つ三つなんて貧乏くさい事は言わずに、二〇個ほど買っておこうかしら」
聖女候補のイグレインは買う気になっていた。
教会幹部の娘だから、信徒を騙していくらでも寄付を手に入れられるのだ。
「そうですね、私も実家に頼んで追加援助をもらいましょう。
何も一度に飲み切る必要はありませんからね。
強敵を相手にいしている時なら、開封して劣化する前に使い切るでしょう。
魔力が余るようなら魔宝石に蓄えておけばいいだけです」
某伯爵家に生まれながら子爵級の魔力しかなかったために、表向き家を追い出されて冒険者となった女魔術師オーネリアは、狂おしいほど地位と名声に飢えていた。
だがそれは勇者候補のガイも同じだった。
違う点は、ガイが一族から完全に見捨てられて何の援助も得られないのに対して、オーネリアが手厚すぎるくらいの援助を実家からもらえている事だった。
「俺には支援などないから買えないが、お前たちが買ってくれるのなら助かる。
教会の勇者に選ばれれば、新たな貴族家を興せる可能性もあれば、引退後に枢機卿に選ばれる可能性もある」
ガイは内心の葛藤を表に出すことなく二人に話しかけた。
「まあ、なんて図々しいのですか。
貴男に希少で高価な金級回復薬を分け与える気などありませんよ」
聖女候補のイグレインが貧しいガイを蔑むような表情で言った。
「そうよ、ガイ。
一族に見捨てられた貴男と、魔力が増えたら戻れる私を一緒にしないで。
この金級魔力回復薬は、私が魔力を高めるために使うのよ」
女魔術師のオーネリアが吐き捨てるように毒づいた。
ガイははらわたが煮えくり返るような怒りを覚えながら、全く表情を変える事なく、二人を持ち上げるように話した。
「分かっているよ、イグレイン。
俺に使って欲しいなんて全く思っていないさ。
だが聖女に認定されるにも、伯爵家に相応しい魔力を手に入れるのも、最低でも属性竜を狩らなければけない。
そのためには盾になる者や剣になる者が必要だろ。
俺やドレイクを死なせない程度には回復させないと、二人も死ぬぜ」
ガイの言葉に二人は黙り込んで考えることになった。
二人にはどうしても譲れない目標があるのだ。
勇者候補に選ばれている他の三グループに負けるわけにはいかないのだ。
二人は手持ちの資金を全て投入して金級の回復薬を買い占めることにした。
金級の回復薬が冒険者ギルドに出回った事で、運命が変わる者がいたのだった。
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