悪役令嬢戦記:死ぬしかない悪役令嬢に転生したので、無双を目指す事にしました。
第8話:冒険者登録
「恐れながら確認させていただきますが、本当に冒険者登録をされるのですか?」
私は冒険者登録をするために、護衛たちと一緒に冒険者ギルドに来ました。
老練な王都冒険者ギルドのマスターが、公爵令嬢の私に直接聞いたりはしません。
王都のような王侯貴族がひしめく場所のギルドマスターです。
礼儀作法は完璧にマスターしています。
彼が話す相手は、私の筆頭侍女を務めるクローディアです。
「ええ、そうです、マスター。
何か不都合でもありますか」
私の冒険者登録に最後まで反対していたクローディアですが、私が頑としてひかなかったので、最後は諦めてくれました。
そのような経過などマスターに知らせる必要がないので、クローディアは自分も最初から賛成だったというような態度を見せてくれています。
主従の間で意見の相違があった事を、外に知られるわけにはいかないのです。
「いえ、不都合など全くありません。
冒険者が自己責任で、死んでも誰も責任を問われない事など、金級冒険者のクローディア殿なら知っておられる事なので、問題ありません」
マスターは遠回しに、私が事故死する事があっても、ギルドに落ち度はなく、誰も責任を問われない事を念押ししています。
冒険者をしていた貴族や士族に難癖をつけられたことがあるのでしょう。
そんな貴族の難癖を防ぐために、冒険者の中で爵位を持つ人格者が、マスターの役職を押し付けられることになります。
王侯貴族や士族の中で冒険者を志す者は、大抵貧乏なのです。
役職をもらっていたら、上を目指して仕事に専念します。
領地の収入が多い場合は、その収入を維持するのはもちろん、更に領地を発展させる事に専念します。
冒険者をする下級貴族や士族は、役職を得られず、領地の発展も望めない、とても不遇な者と決まっているのです。
目の前の男が伯爵なのに冒険者ギルドのマスターをやっているという事は、王家か権力者に目をつかられてしまった者か、放蕩な先祖がいて借金に苦しむ者です。
私が作った設定なので間違いありません。
「ではここにいる者全員の冒険者登録をしてもらいます。
オードリーお嬢様はもちろん、全員が私の試験に受かった者です。
王都近郊の魔境やダンジョンで死傷するような者は一人もいません」
クローディアは自信をもってマスターに言い切ってくれます。
隠れて魔境やダンジョンに入っていた私は、少し申し訳なく思ってしまいます。
実力を認めつつ、大切にしてくれているのだと思えたからです。
ですが、今までと同じように、密かに狩りは続けます。
できるだけ早くレベルを上げておかなければ、殺される可能性が高いのです。
断罪イベントがある十八歳までは安全だと、思ってはいられないのです。
「では行きましょうか、クローディア。
少しでも多くの人に食料を配れるようにしたいのです。
領地の民だけでなく、王都の民も飢えさせるわけにはいきません」
私はこの世界で生き延びるために努力することにしたのです。
王子に断罪されるような悪名を広めないだけではなく、聖女が手に入れるはずの名声も手に入れてみせます。
私は冒険者登録をするために、護衛たちと一緒に冒険者ギルドに来ました。
老練な王都冒険者ギルドのマスターが、公爵令嬢の私に直接聞いたりはしません。
王都のような王侯貴族がひしめく場所のギルドマスターです。
礼儀作法は完璧にマスターしています。
彼が話す相手は、私の筆頭侍女を務めるクローディアです。
「ええ、そうです、マスター。
何か不都合でもありますか」
私の冒険者登録に最後まで反対していたクローディアですが、私が頑としてひかなかったので、最後は諦めてくれました。
そのような経過などマスターに知らせる必要がないので、クローディアは自分も最初から賛成だったというような態度を見せてくれています。
主従の間で意見の相違があった事を、外に知られるわけにはいかないのです。
「いえ、不都合など全くありません。
冒険者が自己責任で、死んでも誰も責任を問われない事など、金級冒険者のクローディア殿なら知っておられる事なので、問題ありません」
マスターは遠回しに、私が事故死する事があっても、ギルドに落ち度はなく、誰も責任を問われない事を念押ししています。
冒険者をしていた貴族や士族に難癖をつけられたことがあるのでしょう。
そんな貴族の難癖を防ぐために、冒険者の中で爵位を持つ人格者が、マスターの役職を押し付けられることになります。
王侯貴族や士族の中で冒険者を志す者は、大抵貧乏なのです。
役職をもらっていたら、上を目指して仕事に専念します。
領地の収入が多い場合は、その収入を維持するのはもちろん、更に領地を発展させる事に専念します。
冒険者をする下級貴族や士族は、役職を得られず、領地の発展も望めない、とても不遇な者と決まっているのです。
目の前の男が伯爵なのに冒険者ギルドのマスターをやっているという事は、王家か権力者に目をつかられてしまった者か、放蕩な先祖がいて借金に苦しむ者です。
私が作った設定なので間違いありません。
「ではここにいる者全員の冒険者登録をしてもらいます。
オードリーお嬢様はもちろん、全員が私の試験に受かった者です。
王都近郊の魔境やダンジョンで死傷するような者は一人もいません」
クローディアは自信をもってマスターに言い切ってくれます。
隠れて魔境やダンジョンに入っていた私は、少し申し訳なく思ってしまいます。
実力を認めつつ、大切にしてくれているのだと思えたからです。
ですが、今までと同じように、密かに狩りは続けます。
できるだけ早くレベルを上げておかなければ、殺される可能性が高いのです。
断罪イベントがある十八歳までは安全だと、思ってはいられないのです。
「では行きましょうか、クローディア。
少しでも多くの人に食料を配れるようにしたいのです。
領地の民だけでなく、王都の民も飢えさせるわけにはいきません」
私はこの世界で生き延びるために努力することにしたのです。
王子に断罪されるような悪名を広めないだけではなく、聖女が手に入れるはずの名声も手に入れてみせます。
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