散文と祝祭
走り屋なんて奴の詭弁
道路を走るだけならば
ツインターボなんて必要ない
バケットシートも ロールケージさえ
ただ道路を走るモノには必要ない
でもそんな 消えゆくクルマたちに
僕らは魅せられたままで
直列6気筒なんて非効率なエンジンの
すくみ上がる咆哮に惚れていて
カーナビもない
ETCも付いてない
バックモニターも自動ブレーキアシストもない
やたら重たいパワステと
左手はシフトノブにかかりきり
こんな化石に燃料をガブ飲みされても
それが楽しいとさえ思えてしまう
ただ道路を走るだけなのに
無駄な羽とカーボンパネルを纏い
余計な馬力に翻弄され
街灯が消える頃まで
僕らは走り続けて
全く非効率なクルマで
何の生産性のない事に
理由もなく魅せられている
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