散文と祝祭

捨無

perfum


雑踏に吹く風に感じた
オードパルファムの香り
少し湿った暖かさの中
あの子の幻を見てしまった

25年前の何時いつ
梅雨の足音が遠く聴こえる中
駅前のベンチにふたり
制服のまま語り合っていた

きっとあのふたりは
うっすら香るの中で
思い出のままに

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