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散文と祝祭

捨無

環状河川


26時の高速道路C1
林立するビルをすり抜ける 魚たちの時間
ここは昔は川だったと
S字を抜ける魚が呟く

白黒パンダが川面にいる
ここも住みづらくなったと
ゆっくり漂う魚がボヤく

橋のたもとの水たまり
キーを捻った魚たちが
息を吹き返し 川へと飛び込む

アスファルトの水面に
ナトリウムランプが輝き
鉄とカーボンの鱗を纏い
両目を光らせ 唸りを上げ
今夜も走る 魚たち

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