404号室の旅人

夕暮G太郎

最終話 「月の裏側で逢いましょう」

「、、、、、、、、本部、、応答、、、願う。」


「ハイ、、、、聴こえています。無事ですか?」



「、、、、大丈夫だ、、遂に、、成し遂げた、、、人類は、、、今日、、遂に月の裏側に到達した、、。」



その放送を聞いた一同は大いに喜んだ。

『NASA宇宙ステーション管制室』

この日、人類は初めて月の裏側に降り立った。
そのクルーの中には日本人も居た。


また一つ歴史に刻まれる記念日となった。


「、、、、、おい、、、、聞こえてるか?」


「、、、ハイ、、、、クリア、、。」


「、、、、、、なんだ、、、、ここは、、?」


「、、、どうしました?」


「、、、、いや、、、目の錯覚か?、、、建造物だ、、、。」


「おい、、、映像見えるか、、、?」



「これは、、、、、、、とんでもなく高い塔が、、、ある。」


「、、、ウソだろ、、、、。」


「、、、おい、、、こっちも見ろ、、、これって、、、」


「どうしました?」


「、、、拳銃だ、、、ピストルが落ちている、、、。」


「映像回して!!急いで!!」


「、、、、しかも、、、、あの塔って、、、。」


「おい、、、、、見ろ、、、ボロボロの看板がある、、、。」


「日本語だ、、、。」


「、、、読めるか?誰か。」


「はやく!、、、映像回して、、、、!」


「、、、。」


「、、、、、、、。。」


「『きさらぎ駅』、、、、と表記してある、、。」



「、、、、。」


「、、、なんだって?」


「、、、、。」












夜になると有楽町のオフィス街はクリスマスのイルミネーションで彩られていた。
老人の藤田はその街並みを見下ろしていた。



管理人「今回は本当にお疲れ様でした。」

藤田「いや〜お互い様ですね。これで一安心、、、出来るかな?、、、まあ本当お疲れ様。」

管理人「それぞれ今回は私情もありましたしね。」

管理人は笑った。



管理人「ところで、藤田さんはこれからどうするんですか?」

藤田「まあ一先ずは、、砂漠の未来も、ノストラダムスの予言も回避出来たと思うので、ゆっくりしたいですね。」

藤田がポケットから競馬新聞を出す。
『秋の天皇賞2019年』と書いてある。


管理人「あれ?それって、、、さっき買って行った競馬新聞?」

藤田「あなたがあの日、僕の部屋に置いていった競馬新聞です。レース結果が書いてありました。これしか僕には未来の情報を知るアイテムがなかったもので、、。」

藤田はポケットから馬券を出した。


管理人「まさか、、藤田さん。それ犯罪ですよ!!」

藤田「まあまあ。堅い事言わずに、20年間大切に持ってた僕に免じて下さい。ほら!何でもおごりますよ!」

管理人「ちょっと、もう!やっと真面目に働くようになったと思ったのに。また『時空庁』のお偉い様に目を付けられても知らないですからね!」


藤田「その時はその時で、、、いつかまた ついでに 世界を救うために、、今は美味しいものでも食べに行きましょう!」

管理人「、、、まあ、それも、悪くないかもですね。」

二人はクスっと笑い合った。


その時だった。藤田の時計型の通信機に連絡が入る。

藤田「あ、、、はい、、、え、、またですか、、今から?」


管理人のスマホにも連絡が入った。

管理人「はい、、え、、、。はい、今一緒にいます。」

しばらくすると二人は同時に連絡を終えた。


管理人「、、聞きましたか?藤田さん。」

藤田「はい、、『時空庁』からでした。やっと終わったと思ったのに新しい仕事が入るなんて、あ〜あ、、。トホホ、、です。」

管理人「私も本部からでした。『1億年後の月』で拳銃とスカイツリーが見つかったって、、。」

藤田「『1億年後の月』って言ったら、、NASAがずっと隠蔽してて、上手くやってくれてたじゃないですか。それにその拳銃って元はと言えばハスミさんの会社の、あの社長が、、。」

管理人「本当に申し訳ないです!社長には私から怒っておきますので、どうか今回も協力をお願いします。」


管理人は両手を合わせて藤田に頼み込んだ。

藤田「もぉ〜、、今までで一番遠い場所じゃないですか!」

管理人「ほら!大丈夫ですよ!藤田さんの力なら!前よりも比較にならない能力じゃないですか!」

藤田「はいはい。そんなにお世辞言われなくても『行きますよ』。」

管理人「ありがとうございます!じゃあ、、帰ってきたら、おいしいもの食べに行きましょうね!」

藤田「あ〜あ、、あぁぁあああ〜〜〜〜働きたくないっっ!!」


ため息を吐きながら藤田は会議室のドアを開けた。







どどどんっっ!!!! 『能力 404号室の旅人トラベラー















〜おわり〜











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