404号室の旅人
第二話 「泥棒にはご用心」
寂れた商店街の雑居ビルの2階。
鍵屋のオフィスがそこにあった。
オフィスと言っても借り事務所で6畳ほどしかない部屋である。
作業台と小さなノートパソコンが1台、木造の小さな机がある。
鍵屋「くくく、、、久々のデカい仕事決定〜〜!!有名画家の残した遺作!!腕が鳴るぜ!!」
鍵屋は帰ってくるなり機材道具一式を机に乱雑に置いた。
鍵屋(先ずはあの藤田とかいうヤツの身辺調査だな、、。あいつのマンションの向かいにもマンションがあったな、、、404号室が見える部屋を陣取るか、、。)
鍵屋はパソコンをつけると藤田の住むマンションの向かいに空き部屋のあるマンションを見つけた。
鍵屋「よっしゃ、、、これであの藤田とか言う引きこもりを見張れる、、こんな近所に上玉がいるとは知らなかったぜ、、、。」
翌日、鍵屋はその空き部屋を訪れた。
部屋のドアには鍵がかかっていた。
ドアノブを指で右になぞる。
鍵屋「どれどれ、、、。」
鍵屋はドアに手をかけると カチャ と音を立てて開けた。
鍵屋は躊躇することなく空き部屋に侵入していった。
部屋は2LDKのファミリータイプで40平米くらいの洋室造りだ。
カーテンが無かったので持ち込んだ代わりのカーテンをかけた。
少し隙間を作りそこから双眼鏡で向かいのマンションの404号室の観察を始めた。
その日から鍵屋は毎日その部屋に通った。運良く部屋の内覧等の予定は無いようで、誰も訪れては来なかった。
鍵屋は1ヶ月間仕事を休みにして404号室の玄関を観察し続けた。
1ヶ月間で藤田が外出したのを確認したのは2回、、どちらも外出すると1時間は帰ってこなかった。食料品や日用品を買い込んでいるのであろう。重たそうに両手に荷物を持って帰宅するのを確認していた。
鍵屋「次の外出のタイミングが勝負だな!!」」
それからまた数日が過ぎたある日。
鍵屋は変わらずに向かいのマンションの部屋で隠れながら藤田の玄関を観察していた。
時々スマホで動画を観ながら時間を潰していた。
鍵屋「はははは、、、ほんとこのコンビ、、スベってるな、、。」
お笑いコンビの『さいれんず』の動画を観ていた。
鍵屋「でもなんか魅力あるんだよな、、、売れそうなんだけどな、、、。」
1ヶ月以上も張り込んでいると暇を持て余しそうだが、鍵屋には根気があった。
スマホでネットサーフィンをしているとオカルト掲示板にたどり着いた。鍵屋は都市伝説系のサイトを良く閲覧していた。
鍵屋「お、、懐かしいネタがあるな、、。」
数年前にその界隈を賑やかせた『きさらぎ駅』の記事だった。
ハスミという女性がネットに書き込みをした事が発端となった。見知らぬ駅に降り立ち不思議な体験をする話だ。
その駅が本当に実在するのか、ハスミは無事だったのか、数々の謎を残し話題となった。
鍵屋「まあ、、嘘くさいけどな、、。」
そんな独り言を呟いていたその時、玄関から藤田が出てきた。
鍵屋「お!!久しぶりの登場だ、、!!」
鍵屋は双眼鏡で藤田の姿を追った。
鍵屋「結局の所、、奴は親の金で生きてるのか、、羨ましいぜ、、まったく、、。」
藤田は階段でマンションの下まで歩いて行くと黒いパーカーを着た人とぶつかって謝っていた。
鍵屋「よし!買い出しに向かったぞ!今がチャンスだ!!」
鍵屋は張り込んでいた部屋を手ぶらで飛び出すと藤田の部屋へと走った。
鍵屋(今なら奴の部屋はもぬけの殻だ!侵入するチャンスは今しかない!!)
鍵屋は駆け足で藤田の住むマンションの階段を駆け上がった。汗が吹き出していたがそんな事は微塵も気にしなかった。
藤田 と表札のある玄関の前。
鍵屋は息を切らしながらドアノブに触る。
鍵屋「これはね、、皆は開けられないよ、、ただ〜〜〜俺にしてみれば、、。」
ドアノブを指で右になぞる。
ガチャっと鍵が開いた。
鍵屋「くくく、、、おじゃましま〜す、、、。」
鍵屋は部屋に上がりこんだ。
だがその時だった、様子がおかしい事に気が付く。
鍵屋「げげげっ、、、なんだこりゃ?!」
白黒の部屋を見ておどろく鍵屋。
部屋全体がモノクロに見える。
少し戸惑いながらも玄関から上り込み、廊下を通ってリビングにやってきた。
鍵屋「やっぱ普通じゃないと思ってたけど、、これは、、、。」
辺りを見渡した。
テーブル、時計、キッチン、カレンダー、、。
テレビに目をやると付けっぱなしのTVゲームの画面が映っていた。
鍵屋「お!懐かしいゲームだな、、。」
その部屋の壁に目をやると立派な額縁に納められた2枚の画がある。
鍵屋「お〜〜!!これか!この画か!」
鍵屋はその画に手を出そうとした瞬間だった、、。
ガチャっとドアが開く音が玄関から聞こえた。
鍵屋「え?マジかよ!!はやくない?」
鍵屋は帰ってきた藤田と目が合う。
鍵屋のオフィスがそこにあった。
オフィスと言っても借り事務所で6畳ほどしかない部屋である。
作業台と小さなノートパソコンが1台、木造の小さな机がある。
鍵屋「くくく、、、久々のデカい仕事決定〜〜!!有名画家の残した遺作!!腕が鳴るぜ!!」
鍵屋は帰ってくるなり機材道具一式を机に乱雑に置いた。
鍵屋(先ずはあの藤田とかいうヤツの身辺調査だな、、。あいつのマンションの向かいにもマンションがあったな、、、404号室が見える部屋を陣取るか、、。)
鍵屋はパソコンをつけると藤田の住むマンションの向かいに空き部屋のあるマンションを見つけた。
鍵屋「よっしゃ、、、これであの藤田とか言う引きこもりを見張れる、、こんな近所に上玉がいるとは知らなかったぜ、、、。」
翌日、鍵屋はその空き部屋を訪れた。
部屋のドアには鍵がかかっていた。
ドアノブを指で右になぞる。
鍵屋「どれどれ、、、。」
鍵屋はドアに手をかけると カチャ と音を立てて開けた。
鍵屋は躊躇することなく空き部屋に侵入していった。
部屋は2LDKのファミリータイプで40平米くらいの洋室造りだ。
カーテンが無かったので持ち込んだ代わりのカーテンをかけた。
少し隙間を作りそこから双眼鏡で向かいのマンションの404号室の観察を始めた。
その日から鍵屋は毎日その部屋に通った。運良く部屋の内覧等の予定は無いようで、誰も訪れては来なかった。
鍵屋は1ヶ月間仕事を休みにして404号室の玄関を観察し続けた。
1ヶ月間で藤田が外出したのを確認したのは2回、、どちらも外出すると1時間は帰ってこなかった。食料品や日用品を買い込んでいるのであろう。重たそうに両手に荷物を持って帰宅するのを確認していた。
鍵屋「次の外出のタイミングが勝負だな!!」」
それからまた数日が過ぎたある日。
鍵屋は変わらずに向かいのマンションの部屋で隠れながら藤田の玄関を観察していた。
時々スマホで動画を観ながら時間を潰していた。
鍵屋「はははは、、、ほんとこのコンビ、、スベってるな、、。」
お笑いコンビの『さいれんず』の動画を観ていた。
鍵屋「でもなんか魅力あるんだよな、、、売れそうなんだけどな、、、。」
1ヶ月以上も張り込んでいると暇を持て余しそうだが、鍵屋には根気があった。
スマホでネットサーフィンをしているとオカルト掲示板にたどり着いた。鍵屋は都市伝説系のサイトを良く閲覧していた。
鍵屋「お、、懐かしいネタがあるな、、。」
数年前にその界隈を賑やかせた『きさらぎ駅』の記事だった。
ハスミという女性がネットに書き込みをした事が発端となった。見知らぬ駅に降り立ち不思議な体験をする話だ。
その駅が本当に実在するのか、ハスミは無事だったのか、数々の謎を残し話題となった。
鍵屋「まあ、、嘘くさいけどな、、。」
そんな独り言を呟いていたその時、玄関から藤田が出てきた。
鍵屋「お!!久しぶりの登場だ、、!!」
鍵屋は双眼鏡で藤田の姿を追った。
鍵屋「結局の所、、奴は親の金で生きてるのか、、羨ましいぜ、、まったく、、。」
藤田は階段でマンションの下まで歩いて行くと黒いパーカーを着た人とぶつかって謝っていた。
鍵屋「よし!買い出しに向かったぞ!今がチャンスだ!!」
鍵屋は張り込んでいた部屋を手ぶらで飛び出すと藤田の部屋へと走った。
鍵屋(今なら奴の部屋はもぬけの殻だ!侵入するチャンスは今しかない!!)
鍵屋は駆け足で藤田の住むマンションの階段を駆け上がった。汗が吹き出していたがそんな事は微塵も気にしなかった。
藤田 と表札のある玄関の前。
鍵屋は息を切らしながらドアノブに触る。
鍵屋「これはね、、皆は開けられないよ、、ただ〜〜〜俺にしてみれば、、。」
ドアノブを指で右になぞる。
ガチャっと鍵が開いた。
鍵屋「くくく、、、おじゃましま〜す、、、。」
鍵屋は部屋に上がりこんだ。
だがその時だった、様子がおかしい事に気が付く。
鍵屋「げげげっ、、、なんだこりゃ?!」
白黒の部屋を見ておどろく鍵屋。
部屋全体がモノクロに見える。
少し戸惑いながらも玄関から上り込み、廊下を通ってリビングにやってきた。
鍵屋「やっぱ普通じゃないと思ってたけど、、これは、、、。」
辺りを見渡した。
テーブル、時計、キッチン、カレンダー、、。
テレビに目をやると付けっぱなしのTVゲームの画面が映っていた。
鍵屋「お!懐かしいゲームだな、、。」
その部屋の壁に目をやると立派な額縁に納められた2枚の画がある。
鍵屋「お〜〜!!これか!この画か!」
鍵屋はその画に手を出そうとした瞬間だった、、。
ガチャっとドアが開く音が玄関から聞こえた。
鍵屋「え?マジかよ!!はやくない?」
鍵屋は帰ってきた藤田と目が合う。
「SF」の人気作品
書籍化作品
-
-
4112
-
-
768
-
-
314
-
-
841
-
-
4405
-
-
55
-
-
37
-
-
111
-
-
149
コメント