夢の世界はカオスが満ちる!

カビさせ

精神世界とかめ○め波



第2話   精神世界





「ん、あれ、」

「お、やっと起きた。」

目を開けるとフジの顔があった。

「まあ、慣れてないと気を失うか。
あたしも最初はそうだったし、」

「あ、」

ここで初めてカナタは自分の置かれている
状況を整理し始めた。

(たしか、リンカネクトをつけて、
うん、それが最後の記憶だ。
見覚えのないところにいて、
最後の記憶があれってことは、)

「ようこそ、精神世界へ〜〜!」

(ガチだったのかよ、)

「ていうか、本当はあんたも毎日ここに
来てるんだけどね。リンカネクトで
意識の補強をしてるだけだから、
初めて来たように感じるけど。」

(しかし、不思議なところだ。
草原がどこまでも続いていて、
なんかサバンナに来た気分になる。)

「ここはあんまり現実と変わんないだろ?
変わってることと言えば、ここは
天気っていう概念が存在しないことと、

太陽とかの光源がないのに明るいでしょ?
これは夢結晶の核から出る光エネルギーが
この空間自体に流れているからこの世界
自体が光を発しているからなのよ。」

カナタは少し困惑していた。

無理もない。カナタはどちらかといえば、
フジのことを信じてなかったのに、
こんな馬鹿げた話しが存在したのだ。

「フジ、さっきは疑って悪かった。
悪かったけど、」

「けど?」

「いや、なんでもない。」

カナタはほっぺたをつまんだ。

(いたい、夢の中でも痛覚はあるのか、
あー、夢じゃなくて精神世界だっけ、

あたまいたい、)

「これからどうすればいいんだ、」

「決まってるじゃない。''夢の産物”退治よ!」

「夢の産物?」

「あー、まだ説明してなかったっけ?」

「精神世界にある危ない物が現実の世界に
出てくるのが1番の問題って言ったでしょ?

現実世界に出てきてしまった精神世界の
物の総称が''夢の産物”ね。」

「あー、じゃあそれをどうすればいいの?」


「消すのよ。」

「どうやって?」

「精神エネルギーで。」

カナタは少し頭をかかえた後に言った。

「あのさぁ、さっきから情報量が
多すぎて理解がおいつかないんだけど、

頭いいんなら俺が何をしなきゃいけない
のか、簡潔に言ってくれ。」

「ん〜、簡潔にって言われても、

まあ精神エネルギーの濃度が高いところ
に行ったらそこにだいたいヤバイのが
あるから、それを消すのがあんたの仕事。」

「ますます分からん。」

「あーもう、じゃあ詳しく説明するしか
ないからちゃんと聞いてよ。
1回しか言わないからね!」

(大事なことなら何回か言ってほしいん
だけど、)

「何から話そうかしら、
じゃあ精神エネルギーの話からいくわね。

精神エネルギーってのは、誰でもある物なん
だけど、それの量には個人差があって、

その差は感情の起伏の激しさによってできる
っていわれてるわ。」

「えっ、それって感情の起伏が激しい人
の方が精神エネルギーの量が多いっていう
意味か?」

「そうね。」

(俺って感情的な人だったのか、
なんかやだな。)

「それで精神エネルギーから出る電波
みたいなのが夢結晶の核に接続されて
この世界に存在できるの。」 

「じゃあ精神エネルギーをもってなかっ
たらここに居られないっていう意味か?」

「そうね、精神エネルギーがない人なんて
居ないけど、殆どの人は精神エネルギーが 

弱すぎて、WiFiみたいに空中をただよって
るだけだから視認も出来ないし気にする
必要もないけどね。」 

「あっ、そういえば明晰夢ってのは何が
関係あるんだ?」

「あー、明晰夢能力はね、自分の精神エネ
ルギーでこの世界になんでも作りだすこと
ができるのよ。」

「なんでもって、例えば何ができるんだ?」

「えっとね、ほんと何でもよ。
例えるなら、かめ○め波みたいなのも
できるはずよ。」

「!?」

かめ○め波を打つのはカナタの小さいころ
からの、それこそ夢である。

「ほんとに、ほんとにできるんだな!?」

「おい、いきなり近づくなよ!
ほんとにできるからやってみろよ。」

(フジの前であの動作するの恥ずかしいから
片手だけでいっか、)

カナタは何もない澄んだ青空に右手の手の
ひらをむける。

「じゃあ手のひらに意識を集中して。
それからいっぱいに貯めたエネルギーを
一瞬に手のひらから出す想像をするんだ。」

カナタは顔をしかめながら集中している。

いつもマリアナ海溝並に低いテンションの
カナタだが、手からビームを出せるかも
しれないとなったら別である。

「力む必要はないよ。イメージが大事だか
ら。イメージを心がけて。」

カナタは目をつむって深呼吸をした。

(落ち着いて。身体中にあるエネルギーを
手のひらに全部集めるイメージ。
それをできるだけ留めて、
今にも爆発しそうな勢いのエネルギーを
一気に、、、、放つ!)

「行け!!」 

カナタが叫んだ瞬間、例えようのない
爆音のような発射音と共に、

カナタの右手からおぞましい色をした
光弾がでた。

フジはその衝撃で吹きとばされそうに
なっている。

光弾は勢いを失うことなくどこまでも
登っていく。 

カナタもフジも唖然としていた。

しばらくしてカナタが口を開いた。

「なぁ、フジ、あれって誰でも
できるものなのか。」

「いや、出来るわけないだろ、
良かったよ、空に打ってくれて。
あたしらの近くに打ったら今頃
あたしたちは、、あれ、あしが、」

ペタンとフジはその場に座り込んでしまっ
た。

カナタは自分の右手をみた。

(ほんとに今のが俺の手から、)

カナタは今のを自分が打ったという余韻
に浸ったあとにふとあることに気づき
落ち込んだら。

(俺のかめ○め波、水色じゃなくて、
えげつない色をした黒だったな、
まるで俺が敵キャラみたいじゃないか、)

                                  、
                                  
                                  、

                                  、          


精神世界、中央部、夢結晶の核付近。

???「なんだ?今のエネルギーは、」

???「まさかあいつの、いや、考えに
                くいか。」

???「だがもしそうだったら、、
 
 



                確かめる必要が、ある。」






























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