シーマン
引き際
引くんじゃなかった・・・・・・
突っ伏したマスターの薄まりかけた頭頂部を肴に酒を舐める。
昼下がりにシーマンと出会った大貴とおれは,今後この不可思議な生き物をどうするかについて議論していた。「国立博物館に送りつけて解析してもらうべきだ」という意見と,「生き物はみな友達,おれたちは仲良く一緒に生活していくべきだ」という意見で真向に対立した。
どうしても折れない大貴に,「自分の思考回路が読まれるんだぞ! お前のスケベな頭の中も! しばらく一緒にいて頭を冷やせ!」と言ったのが運の尽き。それを了承した大貴に「ほな,今日は清介の失恋を次に生かす会八回目の日やったな。今晩バー・スリラーで落ち合おう」とおれは自分の家を閉め出されたのだった。
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