元SSSランク冒険者だった咎人は脱走して人生をやり直す! ~幽閉された10年で鍛えた魔力は最強魔導士に~ 若返った俺を捕まえようとしてももう遅い!
機神の弱点? 最後の攻撃
 「このっ! ち、力が抜けていく……これは体力を吸収している?」
機神ゴーレムによって捕縛されたグリアは激しい疲労に襲われていた。
「はぁ……はぁ……っ、これ……息が苦しいの……」
体は鉛のように重くなったような錯覚に襲われ、息も大きく乱れる。
「これ、おかしい……わ。 あっ! ダメっ…… レナちゃ……んっ! の魔法に、こんな効果は……なっ…い……いっ! はずなのにぃぃ!?」
反撃の気力も奪われている。 今は握力が失われ、武器を失う事を拒むのに精いっぱいのグリア。
(変っ! これ……お腹だけきつく絞められて呼吸は苦しいのに手足の捕縛は……不思議と優しくて……心地いい。 これ、縛られるのが癖になっちゃうかも!)
彼女は妙な性癖に目覚めようとしていた。だが、彼女は――――
「どうせ気持ちいいなら、乙女としては想い人と共にしたいものよね!」
苦しさと快感によって失われていたはずの闘志に火が灯る。
瞳を開くとギラギラと獰猛な肉食動物のような野性味。
魔法物体である拘束を剣で切断すると、すぐさま――――
「これはおまけよ! せいっやぁ!」と蹴りを放つ。
機神、その巨体が確かに大きく揺れるほど、激しい威力。
「ほっほっほ……これは、珍しい。東洋武術で多用される気の概念ですな。外から魔素を取り込む魔法とは逆転の発想。体の内部で気を成長させて爆発的な威力を生み出す秘術を使えるとは!」
「あー 相変わらず、その余裕がむかつくっての! 長々と人の技を説明するんじゃない!」
科学者の言う通りだった。
グリアは体力と魔力を吸収されていく中、それらが尽きる前に気を体内に循環させ、逆転の一撃を放って見せたのだ。
「グリアさん、大丈夫ですか! すぐに回復をこちらにきてください」
「うん! よろしくレナちゃん……と、その前に少しだけやり返させてね!」
グリアはそう言うと、後退するのではなく機神に向かい――――
「まずは一撃」と拳を叩きこむ。
刻み突き
「おまけの二撃目」
順突き
「ついでに三撃目」とさらに踏み込む。
そのまま背中からの体当たりの――――
鉄山靠!
人間が放ったとは思えない威力で機神の巨体は弾かれたように壁まで吹き飛ばされた。
「おぉ、これは見事じゃ! 気で強化された肉体にこのような威力が宿るか! 好奇心が湧き踊るぞ!」
「本当に、あの科学者は……終わったら覚えておきなさい」
はや何度目かの科学者に対して怨念の言葉を吐くグリア。
「……ほっ! これは冒険者ギルドの庇護下でも中々、危険そうじゃな……」
どうやら、懲りない科学者も、これには寒気を感じたらしい。
「グリアさん、無茶を! すぐに治癒します」
「んっ……まぁ、あれを少しでも遠ざけさせないと回復する隙も生まれないからね」
「グリアさん、どう攻めます? 先ほど見せたグリアさんの体術でなんとかなりませんか?」
「少し難しいわね。 私の技量じゃ気を練るのに時間が必要だから――――そうそう、あれに捕縛されてた時に弱点を見つけておいたわ」
「弱点! それは一体!」
「落ち着いてレナちゃん。 あれはね……中に誰か入って動かしているのよ」
「中に人が? 運転手《パイロット》がいるという事ですか!?」
レナは驚くと同時に納得した。
魔物が体内に取り込む魔素。 それにより、魔物は従来の生物ではあり得ない魔力や動き――――様々な特徴を有している。
しかし、レナの結界魔法は、魔素を排除。強制的に魔物の力の源である魔素の供給を停止させる効果もある。
(でも、内部から魔素を吸収しているなら、結界内でも性能が落ちる事はない……という事ですか? それにしても――――)
「私の気は生物に反応するから運転手の存在がわかったのよ。 それに気の攻撃なら運転手に直接ダメージを与える事も出来るわ」
「本当ですか!? だったら――――」
「そうね。 もうこれしか勝ち筋しかないけど援護してくるかしら?」
「はい、支援させていただきます!」
「うん、良い返事ね……頼もしいわ! それじゃ、これを最後の攻撃にして勝利を掴みましょう」
「もちろんです!」と返答するレナ。 彼女の瞳にも闘志の炎がメラメラと揺れているのか見える。
対する機神……及び、科学者は――――
「おぉ、突っ込んでくるか! 最後の攻防と決意を固める――――文字通りの決死の覚悟か! ならば、薙ぎ払え機神! お主にも魂があるなら――――
ワシの言葉に答えてみせんかい!」
科学者の咆哮。 それに反応したかのように、壁に叩きつけられ動きを止めていた機神に黄色い輝きが戻ってきた。
機神ゴーレムによって捕縛されたグリアは激しい疲労に襲われていた。
「はぁ……はぁ……っ、これ……息が苦しいの……」
体は鉛のように重くなったような錯覚に襲われ、息も大きく乱れる。
「これ、おかしい……わ。 あっ! ダメっ…… レナちゃ……んっ! の魔法に、こんな効果は……なっ…い……いっ! はずなのにぃぃ!?」
反撃の気力も奪われている。 今は握力が失われ、武器を失う事を拒むのに精いっぱいのグリア。
(変っ! これ……お腹だけきつく絞められて呼吸は苦しいのに手足の捕縛は……不思議と優しくて……心地いい。 これ、縛られるのが癖になっちゃうかも!)
彼女は妙な性癖に目覚めようとしていた。だが、彼女は――――
「どうせ気持ちいいなら、乙女としては想い人と共にしたいものよね!」
苦しさと快感によって失われていたはずの闘志に火が灯る。
瞳を開くとギラギラと獰猛な肉食動物のような野性味。
魔法物体である拘束を剣で切断すると、すぐさま――――
「これはおまけよ! せいっやぁ!」と蹴りを放つ。
機神、その巨体が確かに大きく揺れるほど、激しい威力。
「ほっほっほ……これは、珍しい。東洋武術で多用される気の概念ですな。外から魔素を取り込む魔法とは逆転の発想。体の内部で気を成長させて爆発的な威力を生み出す秘術を使えるとは!」
「あー 相変わらず、その余裕がむかつくっての! 長々と人の技を説明するんじゃない!」
科学者の言う通りだった。
グリアは体力と魔力を吸収されていく中、それらが尽きる前に気を体内に循環させ、逆転の一撃を放って見せたのだ。
「グリアさん、大丈夫ですか! すぐに回復をこちらにきてください」
「うん! よろしくレナちゃん……と、その前に少しだけやり返させてね!」
グリアはそう言うと、後退するのではなく機神に向かい――――
「まずは一撃」と拳を叩きこむ。
刻み突き
「おまけの二撃目」
順突き
「ついでに三撃目」とさらに踏み込む。
そのまま背中からの体当たりの――――
鉄山靠!
人間が放ったとは思えない威力で機神の巨体は弾かれたように壁まで吹き飛ばされた。
「おぉ、これは見事じゃ! 気で強化された肉体にこのような威力が宿るか! 好奇心が湧き踊るぞ!」
「本当に、あの科学者は……終わったら覚えておきなさい」
はや何度目かの科学者に対して怨念の言葉を吐くグリア。
「……ほっ! これは冒険者ギルドの庇護下でも中々、危険そうじゃな……」
どうやら、懲りない科学者も、これには寒気を感じたらしい。
「グリアさん、無茶を! すぐに治癒します」
「んっ……まぁ、あれを少しでも遠ざけさせないと回復する隙も生まれないからね」
「グリアさん、どう攻めます? 先ほど見せたグリアさんの体術でなんとかなりませんか?」
「少し難しいわね。 私の技量じゃ気を練るのに時間が必要だから――――そうそう、あれに捕縛されてた時に弱点を見つけておいたわ」
「弱点! それは一体!」
「落ち着いてレナちゃん。 あれはね……中に誰か入って動かしているのよ」
「中に人が? 運転手《パイロット》がいるという事ですか!?」
レナは驚くと同時に納得した。
魔物が体内に取り込む魔素。 それにより、魔物は従来の生物ではあり得ない魔力や動き――――様々な特徴を有している。
しかし、レナの結界魔法は、魔素を排除。強制的に魔物の力の源である魔素の供給を停止させる効果もある。
(でも、内部から魔素を吸収しているなら、結界内でも性能が落ちる事はない……という事ですか? それにしても――――)
「私の気は生物に反応するから運転手の存在がわかったのよ。 それに気の攻撃なら運転手に直接ダメージを与える事も出来るわ」
「本当ですか!? だったら――――」
「そうね。 もうこれしか勝ち筋しかないけど援護してくるかしら?」
「はい、支援させていただきます!」
「うん、良い返事ね……頼もしいわ! それじゃ、これを最後の攻撃にして勝利を掴みましょう」
「もちろんです!」と返答するレナ。 彼女の瞳にも闘志の炎がメラメラと揺れているのか見える。
対する機神……及び、科学者は――――
「おぉ、突っ込んでくるか! 最後の攻防と決意を固める――――文字通りの決死の覚悟か! ならば、薙ぎ払え機神! お主にも魂があるなら――――
ワシの言葉に答えてみせんかい!」
科学者の咆哮。 それに反応したかのように、壁に叩きつけられ動きを止めていた機神に黄色い輝きが戻ってきた。
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