縁の下の勇者
39.報告
昼食の後、2人は再び8階層の探索を行った。
ケントは脳内マップで他にも隠し部屋がないか探しながら探索していたが、結局見つけることはできなかった。
8階層だけでもまだまだ探索していない場所はあるので、この階層にも隠し部屋が残っている可能性はあるが、それでもやはり限られているものなのだろう。
隠し部屋を探して9階層へのルート以外の場所へも足を延ばしたので、そのぶん冒険者も少ないため多くの魔物を狩ることができた。
1cm程の魔石で持ってきた小袋がずっしりしている、3日分の稼ぎとしては申し分ないだろう。
安全地帯に戻りテントを張って休み、ダンジョンに潜って3日目、朝食を摂ってから地上に戻った。
◇
途中で一度休憩を挟んだが、夕方には無事地上に帰還した。
魔剣の報告やオーベルたちとの約束があるのでそのままギルドへ向かう。
「ケントは魔剣のこと報告するのよね?
その間に私は魔石の換金をしてくるわ」
「ありがとね」
ミランダは軽く頷きながら換金用の窓口へ歩いて行った。
「オリヴィアさん」
「…さん?」
「あー、オリヴィア」
言い直すと満足そうに頷くオリヴィア。
「お帰りなさい、ケントさん。
ダンジョンでの成果はどうでしたか」
そう言って換金をしているミランダの方を見るオリヴィア。
「十分稼げたと思うよ。
薬草と違って狩りつくしてもすぐに湧いてくるから遠慮する必要ないしね」
「ミランダさんはソロで依頼を受けていた関係で依頼の達成状況からランクはDですが、実力だけで言えばもっと上のランクですしね。
ケントさんも怪我が無いようで良かったです」
やっぱりというか、ミランダ1人で魔物と戦ってきたと思っているな。
まあ、スキルを隠しているし仕方ないけど。
「オリヴィア、1つ報告したいことがあるんだけど」
「報告ですか?」
ケントは腰に吊るしていた魔剣をオリヴィアに見せた。
「これは…、まさか魔剣ですか?」
目を見開いたオリヴィアが呟く。
一目で魔剣だと気が付くとは、さすが元冒険者にして現受付嬢として多くの冒険者を見てきただけのことはある。
「うん。
8階層で見つけたんだ」
「8階層、ですか。
魔剣はもっと下層でしか発見された報告はありませんし、それに8階層は全域に渡ってマッピングが完了しているはずです。
いったいどういう…」
「実はですね…」
ケントはオーベルたちにしたものと同じ話をオリヴィアに話した。
隠し部屋のことを聞くと、普段クールなオリヴィアも目に見えて驚いていた。
「なるほど…。
ギルド長に聞いてみないとわかりませんが、ケントさんの話の裏が取れ次第、冒険者たちに公表するという流れになるでしょうね。
上層で魔剣が入手できる可能性があるとなると、低ランクの冒険者たちも勇んでダンジョンへ潜るようになるでしょう」
ダンジョンへ潜る冒険者が増えれば、その分魔石の供給が増えるので、ギルドとしても上層での魔剣の発見は嬉しいことなのだろう。
「それでなんだけどね、俺が魔剣を持って魔物を倒せばランクって上がるのかな」
「それは、そうですね。
たとえ剣術スキルを持っていなくても、魔剣はそれを補うことができるほど強力な能力を秘めていますから」
よし!これでなにもはばかることなく人前で魔物と戦うことができる。
「ですがケントさん、強力な武器は時として争いの原因にもなります。
大丈夫だとは思いますが、気を付けてくださいね」
「はい、気を付けます」
変なのに目を付けられないように、普段はアイテムボックスにしまっておくことにしよう。
「報告はできた?」
換金が終わったらしいミランダが声をかけてきた。
「うん。
話の裏を取ってからギルドで公表することになるだろうって」
「まあそうなるでしょうね。
これで人前でもケントと一緒に戦えるわね。
…あっ、来たみたい」
ミランダの視線を追うとギルドの入口からオーベルたちが入ってくるのが見えた。
オリヴィアに会釈をしてから、3人のもとへ向かった。
ケントは脳内マップで他にも隠し部屋がないか探しながら探索していたが、結局見つけることはできなかった。
8階層だけでもまだまだ探索していない場所はあるので、この階層にも隠し部屋が残っている可能性はあるが、それでもやはり限られているものなのだろう。
隠し部屋を探して9階層へのルート以外の場所へも足を延ばしたので、そのぶん冒険者も少ないため多くの魔物を狩ることができた。
1cm程の魔石で持ってきた小袋がずっしりしている、3日分の稼ぎとしては申し分ないだろう。
安全地帯に戻りテントを張って休み、ダンジョンに潜って3日目、朝食を摂ってから地上に戻った。
◇
途中で一度休憩を挟んだが、夕方には無事地上に帰還した。
魔剣の報告やオーベルたちとの約束があるのでそのままギルドへ向かう。
「ケントは魔剣のこと報告するのよね?
その間に私は魔石の換金をしてくるわ」
「ありがとね」
ミランダは軽く頷きながら換金用の窓口へ歩いて行った。
「オリヴィアさん」
「…さん?」
「あー、オリヴィア」
言い直すと満足そうに頷くオリヴィア。
「お帰りなさい、ケントさん。
ダンジョンでの成果はどうでしたか」
そう言って換金をしているミランダの方を見るオリヴィア。
「十分稼げたと思うよ。
薬草と違って狩りつくしてもすぐに湧いてくるから遠慮する必要ないしね」
「ミランダさんはソロで依頼を受けていた関係で依頼の達成状況からランクはDですが、実力だけで言えばもっと上のランクですしね。
ケントさんも怪我が無いようで良かったです」
やっぱりというか、ミランダ1人で魔物と戦ってきたと思っているな。
まあ、スキルを隠しているし仕方ないけど。
「オリヴィア、1つ報告したいことがあるんだけど」
「報告ですか?」
ケントは腰に吊るしていた魔剣をオリヴィアに見せた。
「これは…、まさか魔剣ですか?」
目を見開いたオリヴィアが呟く。
一目で魔剣だと気が付くとは、さすが元冒険者にして現受付嬢として多くの冒険者を見てきただけのことはある。
「うん。
8階層で見つけたんだ」
「8階層、ですか。
魔剣はもっと下層でしか発見された報告はありませんし、それに8階層は全域に渡ってマッピングが完了しているはずです。
いったいどういう…」
「実はですね…」
ケントはオーベルたちにしたものと同じ話をオリヴィアに話した。
隠し部屋のことを聞くと、普段クールなオリヴィアも目に見えて驚いていた。
「なるほど…。
ギルド長に聞いてみないとわかりませんが、ケントさんの話の裏が取れ次第、冒険者たちに公表するという流れになるでしょうね。
上層で魔剣が入手できる可能性があるとなると、低ランクの冒険者たちも勇んでダンジョンへ潜るようになるでしょう」
ダンジョンへ潜る冒険者が増えれば、その分魔石の供給が増えるので、ギルドとしても上層での魔剣の発見は嬉しいことなのだろう。
「それでなんだけどね、俺が魔剣を持って魔物を倒せばランクって上がるのかな」
「それは、そうですね。
たとえ剣術スキルを持っていなくても、魔剣はそれを補うことができるほど強力な能力を秘めていますから」
よし!これでなにもはばかることなく人前で魔物と戦うことができる。
「ですがケントさん、強力な武器は時として争いの原因にもなります。
大丈夫だとは思いますが、気を付けてくださいね」
「はい、気を付けます」
変なのに目を付けられないように、普段はアイテムボックスにしまっておくことにしよう。
「報告はできた?」
換金が終わったらしいミランダが声をかけてきた。
「うん。
話の裏を取ってからギルドで公表することになるだろうって」
「まあそうなるでしょうね。
これで人前でもケントと一緒に戦えるわね。
…あっ、来たみたい」
ミランダの視線を追うとギルドの入口からオーベルたちが入ってくるのが見えた。
オリヴィアに会釈をしてから、3人のもとへ向かった。
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