縁の下の勇者

黒うさぎ

14.アクアとアイスとお風呂事情

 アクアゴーレムを倒し一息ついたところでケントは自分のステータスを確認してみることにした。


 ~ステータス~
【名前】ケント イツミ  【年齢】17  【性別】男
【称号】転移者
【レベル】2
【HP】25/25
【MP】396/400
【力】F
【耐久】F
【器用】F
【敏捷】F
【魔力】S
【スキル】
 エランティア言語理解 エランティアヒト種常識 回復魔法Ⅹ 空間魔法Ⅹ 水魔法Ⅹ 鑑定Ⅹ 隠蔽Ⅹ 隠密Ⅹ


(おっ!レベルが1つ上がってるな。
 やっぱりレベルが低いと上がりやすいのかな。
 HPとMPも増えてる。
 さっきくらいの戦闘だとほとんどMP消費しないみたいだな。
 【魔力】Sの燃費効率本当にすごいな。
 他のステータスは変化なしか。
 レベル上限がどれくらいか知らないけど、2レベになったくらいで変わるわけないか)


 これで自分が創ったゴーレムを倒してもレベルが上がることが証明できた。


 しかし、今はレベルが低いためレベルアップすることができるが、創れるゴーレムが10分の1の劣化版自分であるかぎりすぐに効率的な手段ではなくなってしまうであろう。


 何か改善策を模索せねばなるまい。


 ケントはゴーレム実験を続けた。


(次は2cmくらいの魔石で創ってみるか)


 先ほどと同じように水魔法を発動させゴーレムを形成していく。


 ゴーレムが出来上がったところで鑑定をしてみた。


 ~ステータス~


【名前】なし  【年齢】0  【性別】なし
【種族】アクアゴーレム
【称号】従者
【レベル】1
【HP】5/5
【MP】80/80
【力】F
【耐久】F
【器用】F
【敏捷】F
【魔力】F
【スキル】
 回復魔法Ⅱ 空間魔法Ⅱ 水魔法Ⅱ 鑑定Ⅱ 隠蔽Ⅱ 隠密Ⅱ


(おぉ~、さっきより強くなってる。
 魔石の大きさに比例して強くなるのかな。
 さっきのゴーレムに使った魔石の大きさが1cmで今の魔石が2cmだから丁度2倍。
 HPやMP、スキルレベルが俺の2割の値になっている。
 10cmの魔石からゴーレムを創れば等身大レベルのゴーレムができるはずだからそれを倒し続ければ無限レベルアップも夢じゃないかも)


 しかし、ニートのベルからもらった魔石は最も大きいものでも3cmしかない。


 どうやら今すぐ等身大レベルのゴーレムを創るのは無理そうだ。


(そういえばこいつらって闘って倒さなくても経験値貰えるのかな)


 そう思い、水のパスを繋げて自壊するように念じる。


 するとあっという間に形が崩れ、あとには魔石だけが残っていた。


(やっぱりこれじゃ経験値入らないか。
 まぁ、そううまくいかないよな)


 次に思い付きで氷のゴーレムを創ってみることにした。


 すると、


 ~ステータス~


【名前】なし  【年齢】0  【性別】なし
【種族】アイスゴーレム
【称号】従者
【レベル】1
【HP】10/10
【MP】160/160
【力】F
【耐久】F
【器用】F
【敏捷】F
【魔力】E
【スキル】
 回復魔法Ⅳ 空間魔法Ⅳ 水魔法Ⅳ 鑑定Ⅳ 隠蔽Ⅳ 隠密Ⅳ


(アクアゴーレムより強くなっとる!
 ステータス的にはアクアの2倍、つまり俺の4割ってところか。
 ゴーレム創るときに工夫したほうが強くなるのかな。
 アイスなら5cmの魔石で俺と同性能のゴーレムを創れるのか。
 今更だがこれ魔石集めまくってゴーレム部隊とか作れば最強じゃね。
 まぁ、そんな目立つことしないけど。
 いざというときの切り札ってことで)


 その後帰る時間まで3cmの魔石で創ったアイスゴーレムをひたすら倒しまくってレベルを5まで上げた。


 ◇


 ランドンの街へ戻ると冒険者ギルドへ行き、薬草を換金してもらった後宿へ戻った。


 ニートのベルに貰った魔石は売ろうか迷ったが、ゴーレムが創れる以上立派な武器なのでとっておくことにした。


 夕食をとった後ケントは借りている部屋へ戻り体を洗った。


 この世界はお風呂に入る文化がないらしく、濡らした布で拭うだけらしい。


 元日本人としてはさすがにこれだけだと体がかゆくなる気がして仕方ないのである技を生みだした。


 まず水魔法で顔以外を包む。


 そしてその水を体の表面をなぞるように乱回転させる。


 最後に皮膚の潤いに必要な水分以外をすべて集めるように脱水し、窓の外で水を気化させて終了。


 さながら洗濯機に入った気分である。


 これは服を着たままでもできるのでなかなか便利だ。


 しかも脱水までできるから体を拭く必要がない。


 まぁ、石鹸がないので皮脂汚れは多少落ちにくいが、それでも濡らした布で拭くよりかはさっぱりとする。


 それでもいつかは風呂に入りたいと願うケントであった。



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