元最強のおっさんすべて失ったけどもう一回世界荒らします

外典

裏切り


「本気で言ってんのかよ、俺とお前だけでどうやってやんだよ、武田グループは学園の3割ほどが入ってる。今や学園内だけではとどまらない、俺には聞かされてないが今もうペーシェントの上層部ともつながりを持ったそうだ、それはお前や俺がどうこうしようとしてできるもんじゃねえさ」

 ばかげた話だと真壁は笑う。確かに大それた話かもしれない。

「いいのか、このまま一生こき使われたままで、真壁、お前は学園を卒業したらそいつらとの縁は切れるからそれまでの辛抱と考えてるんだろう?それこそ見通しが甘いんじゃないか?あいつはここまで大きくしたグループだ、卒業後も続けるだろう、お前の武田グループの幹部としての役職はあまりにでかい、そいつを簡単に手放すと思うか?もうやめる手段はお前が死ぬか、妹をあきらめるか、あのグループをぶっ潰すしかねーんだよ、お前がもし何かあったとき伊織ちゃんは大丈夫か?」

 真壁は、固まった。心の奥底で眠っていた疑念をつかれ、絶望を思い出したかのような。本人もなんとなくわかっていたんだろう。

「だからなんだ、もう遅いんだよ、あそこまで膨らんだ組織だ、俺らがどうやっても壊せるわけがないんだろ!」

「俺にはあいつらに勝つ算段がある、金もある、お前が協力してくれたら大量の金を出す、それに伊織ちゃん彼女結構つよそうだけどな、それともしお前になにがあっても大丈夫なように」

「お前何者なんだよ、もういいこの話はやめだ!帰るぞ、伊織」

 怒らせてしまったようだ。話の途中で真壁は待たせておいた妹をつれて帰って行ってしまった。

「真壁ー、伊織ちゃんによろしくねーあと待ってるぞー」

 俺は今かなり悪い顔をしているんだろう。



「あーあ怒らせちゃった、いいんですか返しちゃって」

 急に木の木陰から綾瀬が出てきた。OH JAPANESE NINJA THAT's  COOL

「いつの間にいたんだよ、、あとはあいつ次第って感じかな、」



 ~~真壁宅~~

「見て兄さん!仮面ライダーの新作!今度はシックをテーマにするらしいよ!」

「お前本当に好きだな」

「かっこいいじゃん!僕も男の子に生まれて仮面ライダーみたいになりたかったなぁ」

 そういいながら仮面ライダーのスマホの広告を見せてきた。妹はまじめで大人びた性格をしているが、反対に仮面ライダーのようなヒーローが大好きだ、日曜日はいつも目を輝かせ仮面ライダーの話をしてくる。男のような服装、しゃべり方もこれがもとだ。だが中学校では、美形な顔で男性風の服をきているため王子と呼ばれているそうだ。

「兄さん、そういえば何をはなしていたの?」

 伊織がつぶやく。

「伊織には関係ない話だよ」

「兄さんいつも嘘ついてばっかじゃないか、約束も破るし、僕のために何かいけないことしてない?なんか最近お金の使い方も荒いし」

 心をえぐられる、確かに俺のやってることがいいことではないのは確かだ。でも全部お前のためなんだ。大事な人にいい暮らしをさせたいというのは間違っているだろうか。

「兄さん、もし僕のためにしてるのならやめてね、僕は別にそんなこと願ってないから、別にいい暮らしとかもしなくていいから、危ないことだけはやめてね、僕のあこがれるのは正義のヒーローの兄さんなんだから」

 うれしかった、こんな俺を肯定してくれるのが。
 俺は正義のヒーローに、、、



 ~~~



「信じてたぜ、おまえが来るのを」

 俺はにやけ顔でそう言う。

「本当に金はあるんだな」

「ああ、あるさ手付金がこれだ」

 札束の入った封筒を渡した。BREAKERSからの資金で綾瀬からもらったものだ。

「じゃあ、教えてもらおうか、武田グループの全部」



 ~~~

 真壁から話を聞いたあと俺はファミレスで綾瀬と会議した。

「驚いちゃいました、えぐい作戦ですねぇ、詐欺師とか向いてるんじゃないですか?」

「それほめてる?、まあ使ったのは詐欺師の常套手段、可能性の話を誇張して不安感をあおるだけで、ずっとそのことについて考えちゃうからね、でも一番頑張ったのはおれじゃない」

 俺は電話の相手に話しかける。


『よくやっててくれたねー伊織ちゃん』

「文学」の人気作品

コメント

コメントを書く