元最強のおっさんすべて失ったけどもう一回世界荒らします

外典

てめえの顔面ゆらしてやるよ

シックの源は宇宙の根源にあるパワーと言われています。この超能力を科学者たちは新たなる人類の進化と呼びました。ですがまだまだ未知なものばかりで解明が進められています。皆さんはそのあらたな得られた力の強化に勤しまなければいけません。シックは無限の可能性を秘めています、努力次第で好きな能力をえられるのです、その力は我々ペーシェントしかできないことです」

 シックは念力を基本とし、ほかの新しい超能力を習得させていく形が多い、しかし全部簡単習得することはできない。人には人の体質や性質に合った能力があるため、ほとんどが2種類ほどの超能力しか持てないというのが従来の通説だ。第二超能力は様々な能力なため、綾瀬の言っていた通り記憶の改ざんを使えるやつもいるかもしれない

「最初の一か月ほどはその学園になじみ、普通の高校生として学園生活をおくってください」

 と言われたがどうしたものか。真田勇気の身分はなかなかにやりやすい、一人暮らしで友達もいない、今思えば真田勇気という人間はなかなかに悲しい人間だったと同情した。

 チャイムが鳴る。先生の話は終わったようだ、昼休みの時間が来た。
 俺のいや、真田勇気は友達がいなかったようだ。クラスの隅っこにいても誰とも話さなくてもそれが普通らしい、しかし友達がいないというのは悲しい、クラスの学生は全員食堂にいったりクラスで誰かと食っている、俺だけ一人の悲壮感やばいわ、泣ける。
 俺が悲しさのあまり、寝たふりを始めた時だった。

「えー綾瀬さんそんなのが好きなんだ」

 隣のカースト上位の会話。綾瀬の最近できた友達らしい、彼女は持ち前のステータスで友達をそしてクラス内での人気とカーストを格段と上げていった。今では、俺が話しかけるだけでほかの連中に呪いの視線を受けるまでになってしまい、目立たないために校内ではなるべく話しかけないことにまでなってしまった。恐ろしい子、、

「おまえら話やめろー授業始めるぞー今日の授業は食後で悪いが対人シック訓練だー」

 対人シック訓練は、二人一組にわかれ互いのシックをぶつけ合う訓練だ、ここは弱そうなやつとやって適当にじゃれているのがよさそうだな。

「おい真田ァ、やろうぜ」

「げ」

 つい言ってしまった、金髪に焼けた肌にツーブロック、筋肉質の肉体、まさに不良という字を体現した男、真壁だった。性格的にも、能力的にも、人間的にも戦いたくない相手だ。人妻寝取ってそう。

「ほら、おまえからこいよ」

「なめやがって...」

 なめた態度で、にやつつきながら言ってくる。余裕でぼこってやるよ、そんな顔だ。頭悪そうな顔しやがってイラつくぜ、こいつはバカで慢心している。俺だって黒人との特訓でかなり力を身に着けた、悪いな綾瀬ここは勝たせてもらう

 ~~~

「兄弟が今から身に着けるのは殴り合いなどの対シックの生身の戦闘方法だ、そして封印されたお前の力をほんの少し取り戻す方法だ。兄弟に渡したナックルダスターあるだろ、あれはシックの元超能力病を運んできた隕石により作られたものでのシックを無効化できる、特に念力の壁などな。
みなまで言わなくてもわかってると思うがシックの強みは念力による攻撃力もあるが、念力の防御力の恩恵がでかい、大体の能力者、いわゆるペーシェントは念力の壁、バリアなんてもよばれてるな、それをまとったりするんだがそれは銃や爆発、とりあえず既存の現代兵器はだいたい防ぐことができる、シックのバリアはシックの攻撃でなければ貫けない、ここが強さだ。
これを貫くことができるのは奴らの意表を突くいい攻撃手段だな。とりあえずはそれをうまく駆使して敵を戦闘不能までもっていけ、だが当然使うときは場所を選べ、本来の真田の戦闘方法は念力を駆使した武器の駆使だったらしいが、もしあちら側の上層部にばれれば兄弟お前は、こうだ。」
 黒人は親指をしたにして首を掻っ切るサインをした。

 ~~~

 無理難題言いやがって。要は俺は学校では、ボコられろってことか、無理!戦い方は進化し変えていくもんだ、じゃあ殴り合いに進化したってことでいいだろ!
 俺は微量なシックの力を自分自身にかけた、【超感覚】超感覚は自分の好きな感覚の能力を底上げする能力だ。自分の感覚を研ぎ澄まし、一気に間合いに入り、左のジャブを顔面に打ち込んだ。

「へえ、やっぱり、身体を強化して戦う感じだったんだな」

 真壁は俺のジャブを軽くよけた、まだ余裕な顔は崩していない、だがそれはブラフ、本命の右フックを真壁の顔面にむけて打ち込もうとした、その時だった。

「うっ...」

 真壁の野獣のような眼光はしっかり俺の動きを読んでいた、真壁が俺の右フックより先にボディーブローを打ってきたのだ、みぞおちを思いっきり強打された痛みでうずくまってしまった。黒人の言葉が頭をよぎる。

「まずは相手の能力を把握することから始めるんだ、そこから分析そして叩け」

 バカで慢心している相手だというのは大きな勘違いだった、慢心しているのは俺のほうだ。こいつの「超感覚」は研ぎ澄まされているのがわかる、こいつは「超感覚」の練度を恐ろしいほどに上げて、努力している人間だ。

「甘すぎるだろ、見通しが、そんなので俺には勝てねえよ雑魚」

 真壁はそう言い残して去っていた。悔しかった、確かに本気でこそなかったが強くなった自分なら本気を出さずとも勝てると思っていたんだ、昔の癖が治ってない、だけど少しうれしい気持ちも沸いた、悔しいと思う心が残っていたこと、ニート生活で忘れてたこの心が、俺はここでこいつを絶対に倒すと決めた。次はマジでやってやる。




 ~~1週間後~~




「おい、リベンジだ、てめえの顔面揺らしてやるよ」

 俺は真壁を指さし勝負を挑む。



「文学」の人気作品

コメント

コメントを書く