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ダブル・デザイア 〜最強の力は神をも超える〜

真心の里

蛇(レイド編)

 
 レイドはヒールスポットでロキからさらに情報を引き出していた。




「【神毒】をどうにか攻略する方法はないのか?」


『うーん、癒しの神の力なら回復できると思うよ』


「なら、ここから攻撃すればいいってことか?」


『ヒールスポットは確かに癒しの神の力だけど、そこまでの力はないかな。できるとしても延命程度だよ』


「じゃあどうすれば…」




 レイドは行き詰ってしまい、頭を抱えていた。
 そんなレイドの様子を見たロキは話しかける。




『一つ可能性があるとしたら木になってる果実かな』


「果実だと?」


『うん、ここは僕の力以外にも癒しの力が深く関わってる。僕の力は特殊だから生物とか植物に影響しないけど、癒しの神は影響している可能性があるよ』


「可能性か…もし違うなら?」


『ここでゲームオーバーだね』


「……」




 レイドは初めて命と力を天秤に賭けた。
 待っている仲間を裏切るの可能性と、大事な仲間を助けることができないのを頭に入れ慎重に考える。




『君は三つの部屋で力をつけた、十分ステータスは上がってるはずだよ』




 ロキの悪魔のような誘惑がレイドの頭に響く。




「…なに言ってんだロキ?こんな可能性にかけられないやつが世界を変えられるはずがないだろ」




 レイドは悪魔の誘惑を無視して苦笑いをしながらそう答えた。
 ロキはその言葉を聞いて笑顔になり静かになった。




「ヘビ程度に止まってたまるか」




 レイドはヒールスポットに近い場所に立ち、果実を手に持つ。
 そして剣を取り出してヘビに攻撃を仕掛ける。




「ふぅ…戦略級剣技【一掃切り】」




 レイドの飛ばした斬撃が穴の中に入り全ての蛇を斬り裂いた。
 その瞬間、レイドが心臓部分を押さえながら苦しみ始める。




「ガッ…!?」




 予想以上の痛みに悶えながらも手に持っている果実を口に運んだ。
 しかし、その痛みが無くなることはなかった。




(無くならない、俺は賭けに負けたのか…!)




 レイドは吐き気や痛み、様々な症状に苦しみながらヒールスポットに這い蹲って向かった。
 ヒールスポットに入ると一瞬だけ楽になったが、すぐに苦しみが始まった。




『大丈夫、果実の中に神毒を解毒する作用は確認できた、でも僕の反逆の力が癒しの力を妨害してるんだ。
 癒しの力が神毒を消すまで意識を失ったりしなければ、君は死ぬことはない』


(この苦しみに耐えろだとっ!一体…いつまで…だ?)


『進行度的には一ヶ月ってとこかな』


(くっくっくっ、随分と酷なこと言ってくれるじゃねぇか…上等だ、神の毒に一ヵ月間耐えてやるよ)




 レイドは想像以上の期間に思わず心の中で笑ってしまう。




「ぜってぇ…死なねぇからな!」




 レイドはそう叫びながら苦しみに耐え続ける。
 最初の一日目は呼吸すらままならない状態で、胃のもの全てを吐きだしていた。




 二日目…吐血をし始め、目から涙では無く血が流れ始めた。
 体は痺れ悶え苦しむことすらできずに、静止して苦しんでいた。




 三日目…相変わらず口や目から血が出て、痺れもさらに辛いものになった。
 皮膚が溶けるような痛みが全身を襲い、叫び声を上げる。




 四日目…血は止まらずに、痺れもさらにひどくなった。
 毒の影響で視力が無くなり黒い空間に閉じ込められたような感覚に襲われていた。




 五日目…視力は戻らず血も止まらない、未だに体は痺れ続ける。
 血のにおいを感じないことを悟ったレイドは視力の次は嗅覚が感じられなくなっていたことに気がついた。




 六日目…目からの血は止まり体の痺れは和らいだ。
 しかし、それと同時に全身が刺されるような痛みにも襲われるようになった。




 一週間目…視力と嗅覚は未だに戻らなかった。
 そして血の味を感じられなくなったレイドは、ついに味覚まで失ってしまった。




 二週間目…暗闇の空間で幻覚を見始めた。
 今まで戦ってきた神玉使いがレイドの目の前に現れる。




(一体お前らは…!)




 最初に現れた風の神玉使いのクルスがレイドに襲いかかる。
 レイドはその攻撃をよけながらクルスに話しかける。




(クルス!ここに何でいるんだ!?)


(……)




 自分の質問に答えないクルスにレイドは少し怒りをあらわにして反撃をする。
 本頼、クルスがこんな場所にいることなどあり得ないのだが、そんなまともな思考はなかった。




(クルスいい加減にしろ!俺の質問に答えろ!)


(……)




 レイドがそう叫びながらクルスを横に真っ二つにした。
 その瞬間、クルスは暗闇に消え、目の前からいなくなった。




(一体どこに行った?)


(……)


(…お前は確かハデスに)


(……っ!)




 クルスの代わりに現れた正義の神玉使いのウルが出現した。
 ウルは現れるいや否やレイドに攻撃を仕掛けた。




(いいぜ、お前とはやれなかったんだ)




 レイドはウルの攻撃を剣で受け止めて反撃をする。
 互角の勝負に見えたが、レイドの方が一枚上手でウルを縦に切った。




(チッ…!また消えやがった)




 ウルは斬られるとクルスと同じく暗闇に消えた。
 そして違う神玉使いが出てきた。




 三週間目…レイドは精神世界で神玉使いと戦い続けていた。
 吐血や痛みは無くなったものの、精神世界での戦いで消耗していた。




(はぁ…はぁ…次はどこのどいつだ)




 レイドがそんなことを呟くと目の前にジャックが出現する。
 ジャックも他の神玉使いと同じくレイドに攻撃を仕掛けた。




(ジャック!俺だ、レイドだ!)


(……)




 ジャックはレイドの呼びかけに無言で攻撃をし続ける。
 レイドはその攻撃を避けながら、反撃はしなかった。




(ジャック、お前も幻想なのか)


(……)




 いくら呼びかけてもジャックは返事をしない。
 その様子に舌打ちをしたレイドはついに、剣を取り出した。




(すこしお灸をすえてやる!)


(……)




 レイドがジャックを剣の峯で攻撃した。
 その瞬間にジャックは暗闇の中に消えた。




(やはりジャックもだったか…)


(……)


(…っ!?)




 レイドがそんなことを呟いていると次の敵が出てきた。
 その敵はアニムス。アニムスは出現するや否や魔法で攻撃を放った。




(アニムスもか…!)


(……)




 レイドはアニムスの攻撃をよけながら隙を探す。
 そのんな精神世界を見ている濾器は少し心配をしていた。




『この精神世界でアニムスを倒すのは少しだけまずいな、精神世界でとはいえ一番の心の支えを殺すのは精神的に不安定になる可能性が大きい。
 毒に侵されている状態で、不安定になれば死ぬリスクも高まってしまう…』




 ロキのそんな独り言など知らないレイドはアニムスに攻撃を仕掛けようとするレイド。
 レイドはアニムスの魔法w無効化した瞬間にできた隙で距離を縮める。




(終わりだ…!)


(……)




 偽物のアニムスが目を瞑るとレイドは攻撃を寸止めした。
 目を開けたアニムスは近くにいるレイドを魔法で吹き飛ばした。




(くそっ、なんで攻撃が止まったんだ)


(……)




 レイドはそんな疑問を持ちながらもう一度、攻撃を開始した。
 しかし、何度やっても攻撃は止まってしまった。




(なんでだ!?なざ、止まるんだ!)


(……)




 いくら幻とはいえ、レイドにはアニムスを攻撃することはできなかった。
 一方的に攻撃されているレイドは着実にダメージを負っていった。




(クソ…!俺の体が何で言うこと聞かねぇんだよ!)




 一ヶ月目…ついに毒に侵されてから一カ月がたった。
 しかし、未だにレイドは精神世界に囚われていた。




『【神毒】だけの症状ならレイドは目を覚ましているはず、スキルも10億年で進化したということか…』




 ずっとアニムスの攻撃を避け続けているレイドは激しく消耗していた。




(俺が…俺の体が嫌がってるのか?アニムスを攻撃するのを)


(……)


(そこまで俺は…俺はアニムスに支えられていたのか…)




 レイドはそう呟いて何かに決意したかのような目に変わった。
 そして距離を詰め剣を捨て、アニムスを抱きしめた。




(ロキの神玉が強化された今ならこれで魔法が無効化できる…)


(……)




 抱きしめられたことにより魔力の循環ができなくなり魔法が使えなくなった。
 アニムスは抱きしめられながらもレイドを殴り続ける。




(アニムス…どうやらお前は……)


(……)




 レイドが何かを言うとアニムスは暗闇の中に消えた。
 その瞬間、レイドの五感の全てが復活し、一ヶ月ぶりに起き上がった。




『あんなこと言うなんて珍しいじゃないか』


「うるせぇ、抜け出すためだ」


『そんなこと言って~恥ずかしいだけでしょ』




 ロキがにやにやしながらそう言うとレイドは頭を掻きながらそう言った。
 そして自分の体に異常が無いことを確認してドアをくぐった。




「景色は変わらねぇな」




 変わらない草原を見渡しながらそう呟く。
 そして、ドアの目の前にいる敵を見る。




「今回は騎士様か?」




 そこには金色の鎧を全身に纏った騎士の姿があった。
 レイドは前と同じく安全地帯から【鑑定】を使用した。






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 プロテクター


 種族 守護者


 HP:S-


 MP:B+


 INT:A


 STR:S-


 DEF:S


 DEX:AAA


 AGI:AAA


 LUK:C-


 MGA:火 A- 水 A- 風 AA 土 A+ 無 B+ 光 AAA 闇 G-






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「今回は普通にステータスが高いな、スキルで何かロキは知っていることないか?」


『うーん、こんな魔物はいなかったな、最近作られた新しい奴はここにいないはずだし』


「そうか、なら正面から倒すだけだ」




 レイドは久しぶりに動かす体を準備運動で柔らかくする。
 そして、首を鳴らしてプロテクターに近寄って行った。

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