ダブル・デザイア 〜最強の力は神をも超える〜
部屋(レイド編)
ロアモンキーの攻撃で受けた傷を一晩で癒したレイド。
万全の態勢でロアモンキーの近くまで来ていた。
「ステータスからして普通の状態では勝てないだろう、猿相手に使うのはしゃくだが、仕方ねぇ…剣の力、破壊の力、それらの力を解放しろ【勇者解放】」
レイドから紫のオーラがあふれ出る。
そして鞘から剣を抜き、レイドの方を全く見ないロアモンキーに先制攻撃を仕掛けた。
「よそ見とは舐められてもんだぜ、戦術級剣技【瞬連斬】」
「ウキィ?」
凄まじい早さで懐に入ったレイドは一瞬でロアモンキーを攻撃した。
ロアモンキーはその攻撃を正面から受け、少しだけ流れた血を確認して、一発…一発の蹴りでレイドをヒールスポットまで吹き飛ばした。
「痛ぇ…なんでだ?いつもよりキレが無かった、神玉を使ったってのになんも変わってねぇ…」
『それはね、幻想大陸のせいだよ』
「はぁ?いったい何の関係が?」
『ここは僕の神玉が強く影響してるんだ、同じ特殊な神玉のハデスは少しは使えるけど、それ以外は使い物にならない、むしろ邪魔になると思った方がいいよ』
「まじか…予想外の出来事が多すぎるぞ…幻想大陸…」
レイドはそう呟きながらヒールスポットに入り回復の為に意識を手放した。
◆
二日目…傷を完治させたレイドはまたロアモンキーを視認できる距離まで近づき剣を構える。
そしてロキの神玉だけを解放して攻撃を仕掛けた。
「死ねクソ猿!戦略級剣技【津波切り】」
「ウキィ?」
ロアモンキーはレイドの背後からの一撃に瞬時に反応し完璧によけた。
そしてつまらなさそうに欠伸をしながら蹴り飛ばした。
「ぐっ…!?」
蹴りに反応できずにレイドは3日連続でヒールスポットまで吹き飛ばされた。
そのたびに骨は折れたが心はおれなかった。
「はぁ…はぁ…まだ、もう少し早く…」
『大丈夫?』
「見りゃわかるだろ、無事なわけがねぇ」
『だよね~』
レイドは最後の力でロキと会話をして意識を手放した。
また明日、挑戦をするために。
三日目…傷を完治させたレイドはロアモンキーがどこから攻撃をしてくるか確かめるためにゆっくりと近づいて行った。
その結果わかったのは、半径5mに入ると攻撃をしてくる。その範囲外なら何をしても攻撃をしてこないというものだった。
「くっそ…距離を見ながらとはいえ、防御に集中して防御できねぇとは…今日も…駄目だったか」
四日目…傷を完治させたレイドは攻撃範囲のぎりぎりまで近付きロアモンキーを見た。
欠伸をして暇そうにしているロアモンキーに少しいらつきながら、一直線で近づき最速の攻撃を仕掛けた。
しかし、その攻撃も簡単によけられ、また今日もヒールスポットに吹き飛ばされた。
「…あの…クソ猿…許さねぇ…」
五日目…傷を完治させたレイドは剣を構えることなく防御に専念しながら攻撃範囲に入った。
その瞬間、ロアモンキーがレイドに近づき振りかぶった重い一撃を放った。
「上級拳技【慣受】」
レイドは初めてロアモンキーの攻撃をとらえ受け流そうとする。
しかし奮闘むなしく威力の高い一撃を受け流しきることができずに、またヒールスポットに吹き飛ばされた。
「がはっ…!痛ぇ…だが……攻撃はとらえれた…教えてやるよ、猿にはできねぇ、成長って言う芸当をな…」
六日目…傷を完治させたレイドは今日も剣を構えることなく防御に専念して攻撃範囲に入った。
その瞬間に、ロアモンキーも昨日と同じくレイドに近づき振りかぶった重い一撃を放った。
「上級拳技【慣受】」
今日も攻撃をとらえたレイドは昨日と同じ技で受け流そうとする。
しかし、またもや奮闘むなしくヒールスポットに吹き飛ばされた。
「昨日よりは…威力を抑えられた…」
一週間目…傷を完治させたレイドは今日も剣を構えることなく防御に専念し攻撃範囲に入った。
昨日と同じくロアモンキーは近づき攻撃を放つ。
「上級拳技【慣受】」
攻撃をとらえ昨日と同じで受け流す。
とうとう受け流すことに成功したレイドは心の中で喜びを避けんだ。
「ウキッ!」
「追撃がはやっ…!」
その喜びもつかの間、二発目のロアモンキーの攻撃でレイドはヒールスポットに吹き飛ばされた。
「二撃目…新しい課題だ…」
二週間目…傷を完治させたレイドは今日もまた剣を構えることなく防御に専念し攻撃範囲に入る。
ロアモンキーはレイドに近寄り攻撃を放つ。
「上級拳技【慣受】」
攻撃をとらえ攻撃を華麗に受け流す。
そしてロアモンキーは素早くレイドに追撃を放つ。
「ウキッ!」
「見えた…!」
二撃目がいくら速いとはいえ初撃よりは遅くレイドは技なしでギリギリで避ける。
そして体をひねらせて鋭い一撃でロアモンキーを吹き飛ばした。
「ふぅ…15回、お前に殴られた回数だ、しっかり返すぜ」
ロアモンキーは起き上がると口角を上げながらレイドを攻撃した。
レイドは集中力をさらに上げ攻撃を避ける。
「二発で勝負決めきれない時点でお前の負けだぜ…このクソ猿!」
レイドはロアモンキーの攻撃をよけながら何回も攻撃を加えていく。
攻撃が加わるたびにロアモンキーは笑顔になった。
「気味悪ぃ顔しやがって、うぜぇんだよ!」
「ウキキキキ!」
笑顔のロアモンキーにキレたレイドはさらに鋭い一撃をお見舞いしようとする。
しかし、その攻撃は空振り、逆に今まで以上に重い一撃をくらってしまった。
「ぐがぁ…!」
「ウキィィ!」
殴られた腹を押さえているレイドの顔面をおもいっきり蹴り飛ばした。
レイドは今日も吹き飛ばされヒールスポットで意識を失った。
三週間目…傷を完治させたレイドは防御に集中しながら攻撃範囲に入った。
ロアモンキーは笑顔でレイドに近づき攻撃を仕掛けた。
「上級拳技【慣受】」
初撃を受け流したレイドは次の一撃に備える。
予想通りに次の一撃が放たれ、それを避けロアモンキーの顔面を思いっきり殴る。
「ウッ…キィィィ!」
「やっぱ吹き飛ばねぇか…上級拳技【列脚】」
顔面を殴られながらも攻撃をしてきたロアモンキー。
その攻撃を後ろに体をそらして避け、顎に二発の蹴りを入れた。
「ウギィ…」
「やっとひるんだな」
隙を見せた瞬間、レイドが鞘から剣を抜き攻撃を仕掛ける。
「戦術級剣技【牙狼剣】」
強力な一撃がロアモンキーの硬い皮膚を貫き出血させる。
レイドは深呼吸をして、さらにスピードを上げ攻撃を加えていく。
「戦略級剣技【蝶舞斬】」
踊るような動きでロアモンキーに攻撃を加えていく。
あまりの連撃になすすべがないといった様子だった。
「ウ…キ…」
「ありがとよ、お前のおかげで神玉に頼りっきりだった俺の戦闘癖が治った、感謝するぜ」
満身創痍と言った表情のロアモンキーを見ながらレイドがそう呟く。
剣を両手で持ちロアモンキーの心臓を一突きし、絶命させた。
「ふぅ…終わったか?」
レイドはそう呟きながらロアモンキーの死体を確認する。
白目をむいており確実に死んでいる様子だった。
「よし、神玉を取りに行こう」
『やっとだね、早く行こう!』
レイドとロキはそう会話をしてドアノブに手をかける。
そして扉の中に入った瞬間、そのドアは無くなってしまった。
「…どういうことだ?」
レイドは自分のすぐ右にあるヒールスポットを見ながらそう呟いた。
その呟きに無邪気にロキが答える。
『やっと一個目が終わったね!あと九個終わらせれば神玉を手に入れられるよ!』
「つまり…?」
ロキの言葉に言葉を失い掛けながら確認するように再度問う。
『あと九回、あいつと同じ…いや先に進めばさらに強くなる魔物を倒せば目的達成ってこと!』
「まじか…」
レイドは苦笑いをしながら50mほど先にいるロアモンキーと同じく、ドアの前で待っている魔物を観察する。
前の部屋と同じ草原なのにもかかわらず、そこには魔物はいなく、不味い実がなっている木が生えているだけだった。
「今回は猿のような雑魚はいないわけか、とりあえず【鑑定】」
レイドは安全な場所、ヒールスポットに入りながら魔物を【鑑定】した。
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サウンドウルフ
種族 牙狼族
HP:A
MP:G
INT:G
STR:AA
DEF:A
DEX:A
AGI:S-
LUK:D-
MGA:火 G 水 G 風 G 土 G 無 G 光 G 闇 G
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「…厄介なステータスだ」
『また楽しませてくれよ、レイド』
レイドがステータスについて呟くとロキは満面の笑顔でレイドにそう呟いた。
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