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ダブル・デザイア 〜最強の力は神をも超える〜

真心の里

レイドの成長(レイド編)

 
 レイドと龍族クレイアの戦闘は圧倒的だった。
 神玉持ちとそうでないものには圧倒的な差があった。




「グゥゥ…!なぜだ、龍族が人族、いや魔族であったとしても負けることはあり得んはずだ…」


「くっくっくっ、龍族だからってビビって損だったぜ、神玉すら持ってない相手は俺の敵にならねぇことが確認できた、礼を言うぜ」




 重傷を負っているクレイアが怯えながら呟いた。
 その相手であるレイドは怪我ひとつ負っていなく笑いながらさらに攻撃を仕掛けた。




「戦略級剣技【蝶舞斬】」




 レイドの攻撃から逃げるようにクレイアは空に羽ばたいた。
 空に逃げたクレイアにレイドはジャンプで追い付きとどめを刺した。




「グギャァァァ!」




 とどめを刺されたクレイアは重力に逆らうことなく地面にひれ伏した。
 そしてクレイアの死体に近づき神玉を探し始めた。




「さて…飲み込んでんだっけか?」




 レイドは剣でクレイアの腹を割いて中に合った神玉を謎の箱に入れた。
 そして返り血のついたマントを脱ぎ捨て、アニムスのもとに向かった。




(アニムスの方は終わっただろうか……)




 レイドがアニムスのことを考えながら町に戻ると商人が何かに襲われた跡を見つけた。
 その商人や護衛の死体は傷一つないが目が死んでいて見るからに死んでいた。




「…なにもんだ?」


「私の気配に気がつくとは、今日は随分と上質な生物に合う日ですね」




 レイドが後ろから気配を感じるとそっちに体を向け声をかけた。
 そしてレイドの声によって何もなかった空間からレヴィアタンが出現した。




「そんな殺気が駄々漏れで騙せると思ったか?」


「この護衛の人は騙せたんですがね」




 そう言いながらレヴィアタンが護衛の死体を蹴った。




「お前…アニムスをどうした」


「アニムス…?あぁ、あのお嬢さんですか、ご知り合いでしたか」


「どうしたと聞いているんだ、早く答えろ」


「…そうですね、殺したと言ったらどうしますか?」




 レヴィアタンがそう発言した瞬間にレイドの攻撃によってレヴィアタンの右腕が切断された。




「アァァァァ!」




 レヴィアタンは右腕が無くなった痛みにより傷口を押さえて叫ぶ。
 そんな様子を見たレイドは呆れながら声をかけた。




「しょうもない芝居をするな、体をいくら傷つけようが痛みなんかないだろ」


「アァァァ……あなた私の正体知っていますね?」




 レヴィアタンはレイドの言葉で叫ぶのをピタリとやめレイドに質問した。




「アニムスのことを知っているってことは正体は一つしかない」


「…あなたの魂、あのお嬢さんとどちらがおいしいでしょうか?」


「またしょうもない嘘をつく、アニムスとの間に何があったが知らないが、アニムスは殺されていない」


「なぜそう思うのですか?」


「理由は簡単だ、アニムスが死んだ時点で、俺もお前もこの世からいなくなるからだよ」


「…よくわかりませんが、嘘はついていませんね」


「当たり前だ、悪魔の前に嘘は意味がないことは知っている」


「…より魂を貰いたくなりました」




 レヴィアタンはそう言ってレイドに攻撃を仕掛けた。
 その攻撃はアニムスと戦った時よりはるかに鋭かったがレイドには大したことのない攻撃だった。




「私の攻撃をいとも簡単に」


「嫉妬の悪魔も随分と力が落ちたじゃないか」


「あのお嬢さんと違い熟すのを待つのがいいと思いましたが、我慢できませんね!」




 さらに鋭さを増したレヴィアタンの攻撃をレイドはぎりぎりでかわした。
 そして手をつかみ自分の方に引き込んで殴り飛ばした。




「ぐっ!なぜ?なぜ悪魔である私に物理的なダメージが?」


「そんなの簡単だ、お前らの弱点は精霊だろ?だから魔法が良く効く。なら精霊のさらに上である神の力ならより効くんじゃねぇか?」


「あなた…神玉を持っているというのですか?」


「お前に教える義理は無い」




 レイドはレヴィアタンに近づきさらに攻撃を加えた。
 凄まじい早さの猛攻にレヴィアタンはなすすべがなかった。




「あがっ…な、なめないでください!」


「遅ぇ、上級拳技【柔拳】」




 レヴィアタンは猛攻をくらいながら攻撃を仕掛けたが、その攻撃をレイドは軽々と避けカウンターを腹にくらわした。




「オゴッ…」


「嫉妬の悪魔も魂が無くちゃ、その程度の実力か」




 アニムスが苦戦したレヴィアタンですらレイドの力の前にはひれ伏すしかなかった。
 あきらかにレイドの実力はレイヴ戦前に比べ上がっていた。




『レイヴの力にあてられたのか…それとも他に原因があるか分からないが、解放率が随分とあがったね。今のレイドなら…』




 レイドの心の中でロキが独り言を呟いた。
 そしてそんな事には気がつかずにレヴィアタンに攻撃を加えていった。




「グォッ、ガハッ、ウグゥ…」


「戦術級拳技【精霊拳】」




 レイドの鋭い一撃が満身創痍のレヴィアタンの体を貫いた。
 その拳を抜くとレヴィアタンは後ずさりながら穴のあいた部分を押さえた。




「おいおい、龍族と悪魔がこの程度かよ、新しい神玉を使うまでもなかったか」


「おかしい…いくら魂が無いとはいえ、神玉持ちとはいえ、ここまで圧倒されるわけが…」


「さて、この後どうすればいいんだ?」


『そうだね…今の嫉妬の力じゃ大した能力アップにはならないけど、吸収しておけば自分で魂集めればいいからね。
 要領的には神玉と大して変わらない、魔法陣書いて僕の【魂喰ソウルイート】を使いな』


「わかった」




 地面に倒れているレヴィアタンの背中に自分の血で魔法陣を書いた。
 そして右目を神玉に変え詠唱を唱え始めた。




「な、何をするつもりですか…」


「安心しろ、すぐにわかる。反逆の力、魂を得るために、理に反逆せよ【魂喰ソウルイート】」


「なにを…アァァァァァ!」




 レヴィアタンが【魂喰ソウルイート】の痛みにより暴れまわる。
 しかし、その痛みが無くなることは無い。




「アァァァ!私の!私の魂をぉぉぉぉ!」


「嫉妬の悪魔も運が悪かったな、力を完全に解放できずに死んで行くのだから」


「許しませんよ!絶対に、他の悪魔が!大罪がぁぁ!」


「上等だ、全部手に入れる。大罪も、神玉も。全て手に入れリセットしてやる、この世界を」


「無駄ですよ!私に勝ったといってもぉぉ!他の大罪はぁぁ!もう力を解放し始めていますぅぅ!いくら強くとも、大罪に勝てると思わないことですねぇぇ!」




 レヴィアタンはそう叫びながら魂を抜きとられ静かになった。
 その魂はゆっくりとレイドの体に入って行き、レイドの魂と融合した。




「ふぅ、剣を取りに行かせたつもりが復活しているとはな…アニムスも無事ではないだろう、少し急ぐか」




 そう呟いて、神玉の力の解放をやめて街へと向かって走り出した。






 ◆






「………ス、……ムス、アニムス」


「んぅ…?」




 アニムスは自分を呼ぶ声でゆっくりと目を覚ました。
 体を起して目を開けるとそこには待っていた人物が座っていた。




「レイド…帰ってきたんだ、体は大丈夫?」


「それはこっちのセリフだ、予定外の敵がいた」


「私は大丈夫…魔力を使いすぎただけ、あんまりダメージは無い」


「そうか、起きないから心配したぞ」


「心配してくれたんだ…」




 アニムスが少し嬉しそうにそう呟いた。




「なんか言ったか?」


「ううん、なんでもない、それでどれくらい寝てたの?」




 アニムスは自分の体がとても軽く、あ中がすいていることから長い時間寝ていたことがわかっていた。




「日は跨いだ、もう朝だな、大体16時間ぐらいか」


「そう、ごめんなさい、時間を無駄にしちゃった」


「想定外の敵がいたんだ、死んでいなかっただけで十分だ」


「…レイドは私の力を信じてないの?」


「信じていないわけじゃない、ただ戦う敵が特殊だからな、負けても仕方がないってだけだ」


「私は強くなった、少しは私の力を信頼してほしい」


「……わかった、すまなかった、修業した奴には失礼な言葉だったな」




 レイドがそう言うとアニムスは穏やかな顔になった。
 そしてその後二人は下に降りて朝食を取った。




「この後はどこに向かうの?」


「そうだな、少し聞いてみよう、…ロキ」




 アニムスがパンを食べながらレイドに質問をした。
 質問を返すためにレイドは目を瞑りロキに次の神玉の場所を聞く。




『うーん、そうだね、次は風の国リール、神玉によって発展した国の神玉が一番近いかな』




 ロキは真っ白い空間に地図を出現させ風の国リールの場所を指した。




(リールか、確か風の勇者がいるんだよな)


『そうだね、多分相手も近づいたら気がついて国から出てくるはず、国が壊れないようにね』


(そりゃいい、探さなくて済むなんてな)


『でも気をつけた方がいいよ、風の勇者はリールを作った王族の血を持った者が継承してるんだ』


(王族が継承?魂の強さは遺伝するのか?)


『いや、初代の風の勇者が三代は魂の強さを遺伝させるっていう魔法を使ったらしい、でも初代の魂がいくら強くとも三等分させたら弱いけどね』




 ロキが空中に図を書きながら説明をしていく。




(なら警戒しなくてもいいんじゃないか?)


『四代まではね、今は何代か知ってる?』


(四代目じゃないのか?)


『五代目なんだよ、最近交代したらしい。そして五代目は初代の魔法を関係なく勇者になることができた、しかも魂が初代にすっごく似ているんだって』


(なるほど…三代も勇者を固定させて研究しつくしている上に、解放率も高いわけか、強敵だな)




 そうしてレイドとロキの会話は終わり目を開いた。
 アニムスはすでに食べ終わっていて旅の準備はできていた。




「次の目的地は?」


「風の国リール、風の神玉を手に入れる、魔法も使ってくるだろう、力を貸してもらう」


「やっと修業の成果がみせれる」


「期待している、行くぞ」


「うん」




 2人はそう言って椅子から立ち町を後にした。

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