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ダブル・デザイア 〜最強の力は神をも超える〜

真心の里

砂漠の町での戦い(レイド編)

 
 レイドはアニムスと砂漠を歩いていた。




「はぁ…体鍛えても暑さにはどうもなれないな」


「レイド、私はさっきから魔法をかけるって言ってる。それを断わってるのはレイド自身」


「かけれるなら頼んでいるんだが、俺の体には魔法での状態異常を無効化する代わりに、身体能力の強化も無効になってるんだ」


「でもレイドは神玉で身体能力強化していた」




 レイドの発言にアニムスは素朴な疑問を投げかけた。
 そしてレイドは神玉と魔法の違いを話し始めた。




「魔法と神玉は違う。魔法は精霊の力を貸してもらい強化や弱体化する。しかし、神玉の場合は神の力、精霊とはまったくと言っていいほど強力な力だ。
 流石に神の力は俺の体でも無効化できないんでな」


「じゃあ私が神玉を手に入れれば補助できるってこと?」


「簡単にいえばそうだが神玉を手に入れるのにはリスクを伴う。魂が強くないとな」




 レイドのその言葉と同時に地面からサメのようなシルエットの魔物が現れた。
 その魔物の出現にめんどくさがりながらも、剣を取り出そうとした。




「レイド、私にやらせて」


「…わかった、半年の成果見せてもらうぞ」




 レイドはそう言って剣を取り出すのをやめて一歩後ろに下がった。
 それを確認したアニムスは魔力の循環を著しくした。




「グギャアアアアアア!」


「火の精霊よ、敵を火の柱に包め、中級炎魔法【炎柱】」




 アニムスの魔法により敵が炎の柱に包まれ焼死した。




「詠唱省略か、それに魔法の威力も高まったようだな」


「うん、グレイヴは変態だけど天才、確実に実力が上がっていった」




 2人はそう会話をして目的地にまた歩き出した。






 ◆






 砂漠の中心に2人がつくとそこにはオアシスを中心とした町があった。
 レイドとアニムスは気配を消しその町に侵入した。




「レイド…神玉って本当にこの町にあるの?」


「ロキが正しければな」


「そのロキって神様は信頼できるの?」


「神玉集めに関しては信用できる、他は信頼してない」




 2人は侵入と同時に日除けのマントに似た服を装備して顔を隠した。
 そして人ごみにまぎれ静かに会話をした。




(ロキ、この町のどこにあるんだ?)


『うーん、僕の能力は大まかな位置がわかるんだけど、少しこの町からずれてるっぽいね』


(なに?この町じゃないんだったらどこにあるって言うんだ?)


『待ってね…なんか神玉が動いてていまいち把握できないんだよ』


(動いてる?つまり誰かが所持しているってことか?)


『多分、おおよその場所だけどこっから南西の方向だね』


(…了解した)




 レイドはロキとの会話を終了してアニムスに話しかけた。




「この町ではなく南西の方向に神玉を負った奴がいるらしい、神玉持ちと戦闘になるだろう。
 お前はこの町のどっかの宿で待っていろ」


「ダメ、レイドと離れるわけにはいかない」


「お前が付いてくると狙われる可能性がある。お前が死んでしまった場合、強制的に俺も死亡だ、それはどうしても避ける必要がある」


「…わかった」




 レイドの意見に反論できずにアニムスは不満そうにそう答えた。
 その様子を見たレイドはアニムスに命令を出した。




「ただ待っているのが不満ならば少し指示を出す。この町にいる貴族が七宝の一つ【嫉妬の剣エンヴィーソード】を持っているらしい。
 それを俺が神玉を手に入れるまでに盗ってこい」


「…わかった、絶対に盗ってくる」




 アニムスは機嫌を少し直して返事をした。
 そして二人はそれぞれの目的地へと向かった。




「多分…ここであってるはず」




 アニムスは町の片隅に合った大きな家の近くに隠れていた。
 そしてどうやって侵入するか真剣に考えていた。




(ここに来るまでに手に入れた情報だと、用心棒に腕自慢の冒険者がいて、そいつのプライドの高さから騎士は雇っていない)




 その情報が本当かどうかを確認するために様々な方向から屋敷を見た。
 確かにその屋敷には騎士や見張りの様子は無くその情報の信憑性は増加した。




「本当に一人だけ…なら早く終わりそう」




 アニムスはそう呟き自分に【隠蔽ハイディング】を使用し気配を消した。
 そしてその後に不用心に開いていた窓から侵入した。




「不用心、これなら本当に早く終わりそう」




 アニムスは侵入すると早速、目的の剣を探し始めようとした。
 そしてドアから廊下に出ようとした瞬間、そのドアが吹き飛んだ。




「精霊よ、干渉し守れ、上級無属性魔法【障壁】」




 吹き飛んだドアがアニムスに向かってきたが魔穂により作られた壁によりそれは防がれた。




「チッ!魔法使いか、めんどくせぇな」


「……」




 廊下から入ってきた男はガラが悪く長身の剣を身に着けていた。
 そしてその男はアニムスを視認するなりにやにやとし始めた。




「女…幼いがいい女だ、あー俄然やる気出てきた」


「……」


「その反抗的な目もいいな、そそるぜ」


「…火の精霊よ、焼き尽くせ、上級炎魔法【火炎】」




 舐めまわすように見てくる男にアニムスは我慢するのをやめ魔法を放った。
 その魔法が男に直撃するもその炎はすぐに消えてしまった。




「遠慮のない殺意…完全に俺好みだ、決めたぜ、お前をぜってぇ捕まえて楽しませてもらうぜ!」


「……」




 男は長身の剣を抜きアニムスに襲いかかった。
 アニムスは男をじっと見つめ近くに来るまで微動だにしなかった。




「魔法を使わないたぁ、このゴーン様にビビったか!」


「少し黙って、風の精霊よ、遠くに吹き飛ばせ、上級風魔法【送風】」




 アニムスの魔法によりゴーンははるか遠くに吹き飛ばされた。
 そしてアニムスはまだ何かを見るように廊下を見続けた。




「もうわかってる、隠れるのは時間の無駄」


「…流石、冒険者とはいえ一流を瞬殺しただけはあります」


「あの人が用心棒だったんだ、じゃああなたは?」




 廊下から優雅なふるまいの男が出てきた。
 そしてアニムスに一礼して自己紹介をした。




「どうも、この屋敷に封印されていましたレヴィアタンと申します」


「封印?」


「そうです。あなたの目的の品は【嫉妬の剣エンヴィーソード】でしょう?」


「……」


「沈黙は肯定と受け取ります。私はその剣に封印されていたのですよ」


「それで、その剣はどこにあるの?」


「その剣はもうないですよ?しいて言うならば私自身ですかね」


「なら、あなたの死体を持っていく、火の精霊よ、爆裂しなさい、上級爆裂魔法【爆発エクスプロージョン】」




 アニムスはそう言って手をレヴィアタンに向け魔法を使用した。
 魔法により爆発が起き2人がいた部屋は粉々に吹き飛んだ。




「…生きてる?」


「ええ、おかげさまで」




 その魔法お直撃をくらったのにもかかわらず煙から現れたのは傷一つないレヴィアタンだった。
 そしてアニムスを挑発するように再度一礼した。




「おかしい、水の精霊よ、敵を貫け、中級水魔法【水槍ウォータースピア】」




 アニムスがそう言いながら魔法で水の鋭い槍を作りだしレヴィアタンに向かって発射した。
 しかしその槍はレヴィアタンに当たる前に散り散りになってしまった。




「魔法の無効化…」


「惜しい、正解の私の能力は精霊との契約破棄です」


「随分と嫌な能力」


「お褒め頂きありがとうございます、魔法使いのあなたには少しばかり厳しいと思います、逃げることをお勧めしますが?」


「確かに魔法使いの私にとって厄介な能力、でも別に攻略不可能じゃない」


「ほぉ…それは興味深い回答です」




 アニムスがそう言うとレヴィアタンは興味深そうに答える。
 そしてアニムスはポーチから鉄を取り出し空中に投げた。




「土と無の精霊よ、金属を変形せよ、中級錬金術魔法【直曲クレイ】」




 空中に合った金属が10個の玉に均等に分かれた。




「火の精霊よ、爆発せよ、中級爆裂魔法【小爆破】」




 アニムスがその金属の玉の後ろで魔法を発動させるとその玉がレヴィアタンに襲いかかった。
 その予測していなかった攻撃にレヴィアタンは避けることができず玉が体にめり込んだ。




「くっ…!」


「魔法使いはなにも自分の持ってる魔法の差で強さが変わるわけじゃない、その使い方によって変わる。それを私は半年前に体で思い知った」


「あなた、少しはやるようですね」




 レヴィアタンもとうとう戦闘態勢を取り、本当の戦闘の開始が知らされた。






 ◆






 一方レイドは神玉の反応があるとされる場所についていた。
 そこには大きな洞窟があった。




「ロキ、ここなんだよな?」


『ここからでまちがいない』




 レイドは再度ロキに確認を取り洞窟の中に入って行った。
 洞窟は予想よりはるかに広くどんどんと奥に進んでいった。




「何者だ…」


「おいおい、ロキ、まさかこいつが持っているとかいうなよ」


『本当だよ、でも安心して神玉持ちではなく、ただ飲み込んだだけっぽいね』


「神玉持ちじゃないから安心しろだと?会話できるほどのドラゴン相手に安心なんてできるかよ」


「我の宝が目的か、ならば仕方あるまい、殺すまでだ」




 ドラゴンのその言葉と共にブレスがレイドに放たれた。
 ブレスの衝撃によりレイドは洞窟の外まで放り出された。




「くそっ!ハデスが力使いきってるっていうのに…剣の力、今こそ解放せよ【勇者解放】」




 レイドは【空間倉庫】から剣を取り出して【勇者解放】を発動した。
 そして華麗に着地してドラゴンを待ち構える。




「お主…勇者か、久しぶりに楽しい戦いになりそうだ」


「ロキ、あいつの名前わかるか?」


『多分だけど、龍族のクレイアだね』


「龍族、珍しい種族で戦闘能力が高いんだっけか?まぁ、レイヴに比べたら大したことねぇ!」




 レイドはそう叫びクレイアに襲いかかった。




「戦術級剣技【千羽切り】」


「スゥゥ…!」




 正面から切りかかって来たレイドに対してクレイアが息を吸ってブレスを吐いた。
 レイドはそのブレスを剣で切りながら段々と近づいた。




「ブレスを切るか…ならこれはどうだ【龍の咆哮】」




 レイドが至近距離まで来るとクレイアは【龍の咆哮】で精神攻撃をした。
 しかし魂が強いレイドに【龍の咆哮】程度の精神攻撃が効くはずがなく何の邪魔もなく攻撃を放った。




「戦略級剣技【一閃】」




 レイドの鋭い一撃によりクレイアの翼が地面に落ちた。
 それに怒りを覚えたクレイアは首を回転させ、レイドの方向にブレスを放った。




「その程度、上級拳技【空歩】」




【空歩】で空中を蹴ってそのブレスを避け更にクレイアに近づいた。
 そしてその勢いのまま剣を目に突き刺した。




「グォォォォォ!」


「神玉を吐きだしてもらうぜ、聖剣術【光剣】」




 突き刺した剣を取り出し、痛みに悶えているクレイアにさらに追撃を加えていく。
 クレイアはどうにかレイドをどかそうと暴れるが、レイドはいつまでたっても離れずに攻撃を加えた。






 ◆






 そんな圧倒的な戦闘をしているレイドとは裏腹にアニムスとレヴィアタンの戦闘は激しくなっていた。
 どちらも傷は負っていたが、消耗しているのはレヴィアタンだった。




「まだこっちに来てから時間が立ってませんから…一旦、引き下がるのが得策でしょう」


「逃がすわけにはいかない」


「逃がしてもらえれば目的の品物をお渡ししますよ」


「消えたってあなたが自分で言っていた」


「それは戦うための嘘ですね、少し寝起きの運動をしようと思ったんですが思いのほかでして」


「それを信じるのは難しい。それはあなたも分かっていることでしょ?」


「確かに普通なら難しいでしょう。しかし私は悪魔です。悪魔にとって約束を破るということは死ぬと等しいこと、それはあなたほどの魔法使いなら知っているでしょう?」


「…わかった、これ以上は私も命を張る必要があった、あなたが悪魔だという証拠は無いけれど、少しだけあなたを信じることにした」




 そう言ってアニムスは魔力の循環を少しだけ穏やかにした、
 そしてレヴィアタンは自分の胸から一つの剣を取り出してアニムスに手渡した。




「これが【嫉妬の剣エンヴィーソード】です。約束通り渡したのでお暇させていただきます」




 レヴィアタンはそう言って羽根をはやしてどっかヘと消えていった。
 そしてアニムスは近くの宿に行きベットの上に倒れた。




(レイドなら私のいる場所がわかるはず。私はちゃんと目的を果たした、だからレイドもちゃんと目的を果たして)

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