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ダブル・デザイア 〜最強の力は神をも超える〜

真心の里

復讐完了…?(レイド編)

 シーカはハデスに向けて遠慮なく魔法を撃つ。




「燃えなさい、中級炎魔法【炎焼】」




 シーカの魔法によりハデスが炎に包まれる。
 ハデスはそんなものは無いかのようにハデスはシーカに一直線で近づいた。




「我にそんなものが通じるか!【破壊拳ブレイクブロー】」


「土で防御しなさい、上級土魔法【硬土壁】」




 ハデスが大ぶりでシーカにパンチを放つと、その間に土の壁が生まれパンチを防ごうとする。
 しかし、土の壁は簡単にハデスの拳によって破壊された。




「このまま骨を折ってやろう!」


「…そんな程度の低いのが私に当たると思わないで、風よ私を守りなさい、上級風魔法【風避】」




 いきなりシーカの周りに発生した風によりハデスの攻撃が横にそらされた。




「砕け散りなさい、上級爆裂魔法【爆発エクスプロージョン】」




 姿勢が低くなったハデスにシーカは顔の前で爆発を起こした。
 爆発によりハデスの顔が煙で包まれるも、その顔にダメージは無く笑っていた。




「くっくっくっ、勇者でなくとも今の我なら少しは楽しめそうだな」


「随分とタフなのね、切り刻め、上級風魔法【風斬エアカッター】」




 シーカの魔法により風が鋭利な刃の形に変化してハデスの体を切りつける。
 ハデスは腕を交差して防御の体勢を取る。




「これじゃ傷一つ…これならどう?火で貫かれなさい、中級炎魔法【火槍ファイヤースピア】」




 傷一つつかないハデスを見て【火槍ファイヤースピア】で体を貫こうとする。
 ハデスは腹に力を入れ腹筋の硬さで貫通力を無効化する。




「中級程度で我にダメージを与えられると思ったか?」




 シーカの攻撃を全て食らいながらもノーダメージのハデスは笑いながらそう言った。
 想定外過ぎる防御力に一旦シーカは距離を取る。




「随分とふざけた体じゃない、少しは本気でやったほうがよさそうね」


「ふん、我相手に手加減など舐めたことしていたのか、早く本気を出せ、我の気が変わらん内にな」


「そっちの人格は私の本気を知らないようね…後悔させてあげるわ」




 シーカはそう言って魔力の循環量を増やす。
 ハデスはその様子を興味ありげに見守る。




「少しはまともな魔力の質になったようだな」


「変えなくても戦えるようになったってこと教えてあげる」


「そんな御託はどうでもいい、早くかかってこい」


「目の前の敵を全て吹き飛ばしなさい、戦術級爆裂魔法【全爆発フルエクスプロージョン】」




 シーカの魔法によりハデスを中心とした半径2,3m程の大爆発が起きた。
 ハデスはその爆発によって発生した煙を腕で払いながらシーカに攻撃を仕掛ける。




「こちらも遠慮はせん!【破壊連ブレイクコンボ】」


「相手の攻撃を鉄壁で防げ、戦術級錬金術魔法【鉄壁】」




 シーカとハデスの間に鉄の壁が地面から生え攻撃を防ぐ。
 ハデスはその壁を壊す勢いで鉄壁を殴り続ける。




「これなら少しは耐えられる、戦術級炎魔法【業炎柱】」




 目の前の鉄壁を殴っているハデスを壁もろとも青い炎の柱で包む。
 そんなものお構いなしとばかりにハデスは壁を殴り続ける。




「ぬぅん!」




 そんな声と共にハデスは壁を粉々にして火の柱から出てくる。
 そして上半身の少し焼けた服を破り捨ててシーカに話しかける。




「がっはっはっ!少しばかり効いたぞ!」


「随分と信じられないほどタフじゃない」




 笑いながら近づいてくるハデスの防御力に苦笑いしながらシーカが呟く。




「すごくタフ…でも、この程度で本気のウルが負けるとは思わないんだけれど、あなた力を隠しているでしょう」


「がっはっはっ!それもばれてしまったか」


「あなたこそ出し惜しみしない方がいいんじゃない?」


「我はうれしいぞ、この短時間で我でいられる時間を減らしてまで楽しみたいと思える者と戦えることに」




 ハデスはそう言いながら力を全身に込める。
 力が上昇すると同時にハデスから段々と黒いオーラが出てくる。




「我の最恐の力、お主はいつまでもつか、楽しみにしてるぞ!」




 ハデスが大声でそう言うと同時に凄まじい速度でシーカに近寄りパンチで吹き飛ばす。
 シーカは無属性魔法で受け身を取りすぐにハデスのいた方向を見る。




「遅いぞぉ!」


「相手の攻撃を鉄壁で防ぎっ…!」




 シーカが詠唱を唱え終わるよりも早くハデスは攻撃した。
 シーカはなすすべなく地面にたたきつけられる。




「くっ!消し炭になりなさい、戦術級炎魔法【終炎】」


「無駄だ!【破壊身ブレイクアーマー】」




 ハデスの体に黒いオーラがまといシーカの魔法を殴りつける。
 魔法が拳に触れた瞬間にその魔法は消え、ハデスの拳はシーカの顔面をとらえた。




「まだ楽しませてくれるだろ!?【破壊連ブレイクコンボ】」


「あ…ぐっ…」




 地面を背にしているシーカはハデスの猛攻をもろに受ける。




「ぐっ…爆…発でけし飛ばせ、上級爆裂魔法【爆連チェインボム】」


「己ごとか…」




 ハデスはシーカから離れ爆発を回避する。
 至近距離で爆発に巻き込まれたシーカは離れてみていたセレナ達のもとまで転がる。




「シーカ!」


「セレナ…大丈夫、それより早くここから離れて」




 シーカはボロボロになりながらも立ち上がりセレナにはなれるように指示を出す。
 しかし、その言葉を無視してセレナはシーカに近寄り回復魔法をかける。




「聖なる精霊よ、我の大事なものを今こそ癒したもう、今こそその力を貸したまへ、上級光魔法【回復ヒーリング】」


「セ、セレナ…なにしてるの、早く逃げなさい」


「そんな体で何言っているんですか!」




 シーカはセレナの腕を払ってそう言うが、セレナの大声にひるみおとなしく回復魔法を受ける。
 ハデスはそんな様子を笑いながら見てゆっくりと近寄る。




「表面上の体を治したところで意味は無い、我の攻撃は精神もろとも破壊する」


「な、何を言っているの!シーカさんはこの通り元気じゃない!」


「それはそやつが二重人格者だからじゃ、精神に与えるダメージはもう一人に集中してしまっているのであろう」


「じゃ、じゃあもう一人の私は…」


「無事ではないだろうな」




 シーカはハデスの言葉に衝撃を受けて目を瞑りもう一人の自分に声をかける。
 しかしその問いかけに応えてくれる存在はいなかった。




「よかったではないか、今まで苦労してきた人格がいなくなったのだからの」


「…っ!」


「しかし、苦しめられなかったとなるとレイドに怒られてしまうか、失敗したのぉ」


「…さない、…許さない!絶対に許さない!よくも私の妹を!」




 シーカは凄まじい怒りをあらわにして泣きながら叫ぶ。
 そんなシーカを見てハデスは笑いながら答える。




「人格というのは本頼一つなのだから、普通に戻ったと考えればいいではないか」


「あの子は生きていた!一人の人間だった!いかに残酷とはいえ、素直で純粋だった!」


「しかし、レイドはクズと言っていたぞ?罪のな魔族を実験にしたと」


「魔族は私たちを意味もなく殺す害悪でしかない!」


「それはそなたにとっての価値観であろう、魔族からしたらそなたらも同じように見えている」


「魔族とあの子を一緒にするな!」




 ハデスの言葉に怒りをさらにあらわにし、声を荒げてシーカは言う。
 しかしハデスは黒いオーラを消してあきれた表情でシーカに言う。




「根本的なものは変わらん、この世に善や悪なんてものは存在しない。善や悪なんてものは見方によっていくらでも変わるからの」


「私たち人間は魔族と違う!魔族は罪のない人々を殺すが私たちは殺さない!」


「人間は簡単に自分を正当化する、人間にとって魔族は罪のない存在ではないため殺してもいい。
 しかしそれは魔族にも言えたことであろう。魔族も人間は殺してもいい存在なだけだ」




 ハデスはそう言いながらシーカに少しづつ近寄る。
 シーカは近くまで来たハデスも下から睨みつけながら手を広げる。




「殺したいのは私でしょ!セリナや孤児院は関係ない!私だけを殺しなさい!」


「シーカ!何言ってるの、そんな簡単に死んじゃだめだよ!」


「そうだのぉ…確かに復讐の相手はお主だけだが、他の者たちがいたほうが楽しいだろ」


「お願い!私は何でもするから!これ以上私から奪わないで!」




 シーカはハデスに懇願するように泣きながら頼む。




「お主の大切な人格を殺した存在に頭を下げるのか」


「…これ以上失わないためにだったらなんでもする、だからこれ以上は…お願い」


「うーむ、どうしたものか、ただお主を殺してものぉ…」


「お願い…お願いだから…」




 目の前で忌々しい相手に頭を下げ泣きながらお願いしているシーカを見たセレナは
 シーカの横に座り土下座して懇願を開始した。




「私からもお願いします!私もなんでもしますので!」


「ほぉ…それは少しばかり面白いな」


「セレナ!何言ってるの、あなたは幸せになりなさい!」


「シーカ…いいんです、私にも背をわせてください!」




 セレナは顔を上げてシーカを泣きながら見て悲しそうに言う。
 そんな表情を見たシーカはセレナの説得をあきらめさらに涙を流した。




「どうするかのぉ…」


「お願い!私と…私とセレナの命で、助けてください…」


「どうかお願いします!」




 シーカとセレナはさらに深々と頭を下げてハデスに懇願する。
 ハデスはその様子を心底楽しそうに見て笑いながら2人に言う。




「仕方ない…我はやさしいからな、2人の命で許してやろう!」




 そう言ってハデスは最初にセレナの心臓めがけて攻撃する。
 しかしその攻撃はハデスの逆の手によって止められた。




「ぐっ…!少しばかり…遊びすぎたか…レイドの復活が想像より早い!」


「「……?」」




 いきなりおかしくなったハデスの様子に2人は驚きを隠せなかった。
 ハデスは段々と苦しみ始め少し経つと意識を一瞬失った。




「く…くそ…もう少し、遊びたかったが…しかた…あるまい…」




 気を失った体は重力に逆らうことのなく地面に向かう。
 ハデスの体はぎりぎりで足を出して地面には倒れなかった。




「…っはぁ!はぁはぁはぁ…ハデスの野郎、俺の体を勝手にしやがって」


「い、いったい何が起こったの?」




 目の前の男の変化にセレナはあいた口が閉じなかった。
 そしてシーカはそんな男を睨みつけながら言った。




「レイド…あなたに戻ったのね…」


「……シーカか」




 レイドはシーカ達の方向を向き質問をした。
 セレナだけがこの状況を把握しきれていなかった。




「あなたも二重人格なんて知らなかったわ…でもこれで復讐を果たせるでしょ?さぁ、私を殺しなさい!」


「……」




 シーカは大声を出しながら手を広げて自分を殺すようにレイドに言う。
 レイドが孤児院の子どもたちに手を出さないように。




「…どうしたの!早く殺しなさい!私を殺せば全て解決でしょ!」


「……」


「早く殺しなさいよ!早く!」


「…俺の復讐相手はハデスが殺してしまった、復讐はもう終わっている」




 レイドはそう言いながらハデスが殺した二人を見て悲しい顔をする。
 その様子を見てシーカは怒りながら叫ぶ。




「なに悲しい顔してんのよ!あなたが殺したんでしょ!」


「……」


「あなたが言っていたじゃない!二重人格はどちらにも責任があるって!」


「……」


「私は知っている!リックの家族や仲間殺したんでしょ!なら、あなたはなにも感じないはずでしょ!」




 シーカはレイドの腹を殴りながらそう言う。
 しかし、レイドはなにも言わない。




「復讐の為なら罪のない人を殺しても何も思わないんでしょ!何でそんな悲しい顔するのよ!」


「…罪のないものは殺さない」


「じゃあ! じゃあなんで! なんでリックの仲間や家族を殺したの!」




 シーカは怒りをあらわにしながらレイドに質問をする。
 しかし、その質問にレイドは答える気がないのか、無言を貫いた。




「しかし、今回殺してしまった人は何の罪もなかった…俺の生き方に反した行いをしてしまった…だからこれでお前に対する復讐は終わりだ。これ以上、他の奴らを追い詰める気は無い」


「私の質問に答えなさい! レイド!」


 レイドはそれだけを言い残してその場から消えた。
 シーカは「待って!」と声をかけようとしたが、あっという間の出来事と命が助かったことに安堵してその場に座り込んだ。




「シーカ…私たちは助かったんですか?」


「そう…みたい、そ、それより…2人の墓を作ってあげないと」


「そ、そうですね」




 そう言って2人は互いに助け合いながら立ちあがりふあたりの死体を改めてみる。
 シーカは改めて2人の死に悲しみの表情を露わにして近くに座る。




「テリー…あなたは最後までアリアを助けてくれてありがとう。いつもみんなからは男らしくないって言われてたけど,最後に男気見せたね。誇らしいよ、天国でもおいしいご飯作って、元気にやってね、燃えて…中級炎魔法【火炎】」




 シーカはテリーの死体に手を置いて最後の言葉を贈り死体を火に包み灰に変えた。
 そして次はウルのほうに手を置いて最後の言葉を贈り始めた。




「ウル…まさかあなたが勇者になるとは思っていなかった、でも合わないからって孤児院に帰ってきて,みんなを守ってくれたところ、あなたらしかった…一人であんな敵と戦ってくれてありがとう…天国でも、正義の勇者でいてあげて」




 そして耐え切れなくなった涙を流しながら魔法を発動しようとした。
 発動しようとした瞬間、ウルはたまっていた酸素を一気に吐き出した。




「…ウル!?生きてるの!?」


「まさか…シーカ、急いで回復魔法を!」


「そ、そうね…全てをいやせ、戦術級光魔法【高回復ハイヒーリング】」




 シーカの回復魔法によってウルの傷はみるみると治っていき呼吸が落ち着きだした。
 2人はその奇跡に喜んだ。






 ◆






 孤児院から離れた場所にある山の洞窟にレイドは入った。
 その中は熊がいたが剣を取り出して殺そうとした。




「めんどくさい…」




 立ちふさがる熊の奥をよく見るとそこには子どもの熊が二匹いた。
 レイドは舌打ちをして剣をしまい洞窟から出て行った。




「くそっ…!忘れようとしてんのに!」




 近くに合った木を蹴り倒して怒りをぶつける。




『ねぇ…次はどうすんの?復讐相手いなくなっちゃったよ?』


「そんなものは決まってる、もう一つの目的を進めるだけだ」


『とうとう神玉を集めるんだね』


「この頃よく話しかけてくるじゃないか」


『当たり前じゃん、神玉を集めるのは僕の目的でもあるんだから』




 レイドは頭の中でハデスではないモノと会話をする。
 そしてレイドは神玉を集めるために西へと向かった。

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