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ダブル・デザイア 〜最強の力は神をも超える〜

真心の里

圧倒的な力(レイド編)

 リーヴァーは怯えながらも剣を構える。
 レイドは笑いながらその様子を見る。




「リーヴァーどうしたんだぁ?お前は邪龍を討伐して、
 仲間を裏切った勇者にとどめを刺した最強の剣の使い手……剣聖じゃないのか?
 その剣聖さまが一度殺した相手に怯えるなんて、おかしいよなぁ」


「……ぐっ!」




 レイドの言葉にリーヴァーは言葉を詰まらせた。
 シンは少し距離を取り二人の様子を見る。




「レイド……いまさら何しに来た!」


「復讐だと言っているだろう?あんだけのことを俺にしたんだ……
 何されても文句はないよなぁ?」


「ひっ!」




 レイドが殺意をむき出しにすると
 リーヴァーはより一層怯えだし後ずさりをする。




「そんな怯えんなよ、安心しな、あいつが来るまでお前には手を出さない」


「まだ……まだ誰かいるのか?」




 リーヴァーは周りを見渡して知っている人物を探す。
 そして何かに気がついたかのようにシンのことを指さした。




「こいつか!俺のことを尊敬しないのは、俺に恨みを持っているからだろ!」


「あぁ?」




 レイドはやっと神のこと認識したかのようにシンの方向を見る。
 少し観察した後にリーヴぁの帆を向きなおして声をかける。




「こいつは違ぇよ……だが、こいつのことを無碍に扱うとは随分と見る目があるじゃねぇか」


「それはどうも」




 シンも警戒をしながらレイドの言葉に軽く返す。




「「「…………」」」




 三人の間に沈黙が訪れる。
 シンは攻撃の瞬間を狙うもレイドには一切の隙がなく攻撃することはできなかった。
 そして少し経った後、この沈黙の空間を破ったのはレイドだった。




「……そうか、あの魔法を使ったのはお前か」




 レイドは一瞬で少し離れた場所にいたシンの目の前に移動してそう声をかける。
 シンはあまりの速さに驚きその場から動けなかった。




(認識できない早さとか……ファンタジーはマジで何でもありか)




「あの魔法はリックの野郎かと思ったが……こんな奴がまだいるのか
 早めに摘んでおかないと邪魔になりそうだな」




 レイドはそう言って殺気をさらに開放させる。
 シンは瞬間的に距離を取り魔法の詠唱の準備をする。




「……冗談だ、お前がいくら強くなろうと神玉すら持っていないやつが
 俺の障害になることはない、だから魔力を抑えろ……アニムス」


「わかった……」




 シンは後ろから聞こえた声に驚き振りかえる。
 シンの視線の先には可憐な幼女が立っていた。




「あなた……命拾い」




 アニムスはそう呟いてシンの横を通りレイドのもとに向かう。




「随分と遅かったな」


「一人殺したらみんな逃げて大変だった、殺すだけなら楽、けど静かに殺すのが」


「なるほどな、ご苦労さん。こっからは楽しい時間だ」


「うん」




 シンはアニムスの衝撃の言葉に反応してゾンビと冒険者がいた
 方向を見る。視線の先には心臓部だけがえぐれて倒れている冒険者とゾンビの死体の山があった。
 そんな様子のシンを見てアニムスが声をかける。




「あなたはここから離れて……レイドが殺さないって言った人は殺さないけど
 これからのことを聞かれたら殺さなくちゃいけなくなる」




 アニムスが冷徹な声でそういうとシンは「そうか……」と呟いて
 リーヴァーの横に歩いて行った。




「あなた、何のつもり?」


「目の前で殺されるのを放っておけない……なんて偽善じみた言葉は言わない。
 そっちのレイドって奴が言った神玉について、俺も知りたいことが多くてな」


「……お前、神玉について知っているのか?」


「質問したいのはこっちなんだがな」




 シンの言葉に突っかかるようにレイドが会話に割り込む。
 レイドは右目を閉じて星の瞳に眼を変えて運命の色を見る。




「……アニムス、少し変更だ、あいつはここで殺す」


「どうしたの?」


「あいつの運命の色は黒、悪いほうに変化させる存在らしい」


「わかった、魔法タイプだから私が相手する、そっち殺さないでね」


「わかってる」




 アニムスはそう言って風の魔法でシンのことを吹き飛ばす。
 そして自分に魔法を付与してシンを追いかけた。




「さて……リーヴァー、こっちはこっちで楽しもうか」




 シンは殺意を最大にして剣を構える。
 リーヴァーも怯えながら剣を構える。




「さて……復讐の開始だ!」




 レイドはそう叫んでリーヴァーに攻撃を仕掛ける。
 リーヴァーは初撃をかろうじて受け止めるが二発目の顔面に対する蹴りをまともに受け簡単に吹き飛ばされる。




 リーヴァーは何とかして空中で体勢を立て直し受け身を取りすぐに起き上がる。
 そしてレイドの方向を見たが視線の先にはすでにレイドはいなかった。




「上級剣技【多連斬】」




 リーヴァーは後ろからの殺気にとっさに気づき振りかえり
【多連斬】を剣で受け流そうとする。




 しかし全て受け流すことはできず何発か体で受け体に傷が刻まれた。
 レイドは容赦なく痛みで体勢を崩したリーヴァーの足を払って地面にたたきつける。




「グハッ!」




 レイドは髪をつかみリーヴァーを引き上げる。
 そして下からリーヴァーの顔をにやにやと笑いながら見る。




「まだ寝ていい時間じゃないぞ?」




 レイドはそう呟いてみぞにヒザ蹴りを入れる。
 リーヴァーはあまりの痛みに腹を抱え悶絶しながら後ずさりする。




「上級剣技【一心突き】」




 レイドの剣がリーヴァーの太ももを貫く。
 リーヴァーは度重なる痛みに耐えきれなくなり地面に手をつく。




「だらしないな、少しは根性を見せたらどうだ?」


「グゥゥ…………レイドォォォォォ!戦術級剣技【千羽切り】」




 リーヴァーは足の痛みを我慢して自分の一番の技を繰り出す。




(【千羽切り】は俺が貴様を殺した後に身に付けた俺の最大の技だ!
 貴様なんかに……貴様なんかに俺の栄光を壊されてたまるか!)




 リーヴァーの剣がまるで千本あるように感じられるほどのスピードでレイドのことを攻撃する。




「なるほどな……」


「俺の力を尊敬しろ!そしてひれ伏せ!そして、怖じ気づけぇ!」


「……失望したぜ、もう少しまともな芸があると思ったんだがな!戦術級剣技【全流し(フルシェッド)】」




 リーヴァーの【千羽切り】をレイドは【全流し(フルシェッド)】で全て地面へと受け流した。
 レイドの近くの地面には凄まじい数の斬撃の跡ができたが、レイドは一撃も攻撃を受けなかった。




「な、なぜだ……!」


「この程度で俺を殺せると思ったのか?」


「俺は!俺は!貴様を殺して強くなったはずなんだ!」


「…………」




 リーヴァーの叫びをレイドは静かに無言で聞く。




「貴様は俺に殺されたんだ!一度は俺が勝ったんだ!俺が!
 勇者を超えたんだ!一度殺された負け犬が、俺の!勝利の美酒に泥水を入れるんじゃねぇぇぇ!」




 リーヴァーは大きく振りかぶってレイドに攻撃を仕掛ける。
 レイドはそれを簡単によけ、リーヴァーを蹴り飛ばした。




「ぐわぁ!」




 リーヴァーには立ちあがる元気や気力はもうなく這いつくばりながらレイドから離れた。




「誰でもいい!助けてくれ!」


「……お前は本当にどうしようもないな」




 レイドはそう言いながら這いつくばっているリーヴァーの顔を蹴り飛ばす。
 リーヴァーはうめきながらも必死に助けを請いながらレイドから離れようとする。




「はぁ……こんなんじゃ復讐する気にもならないな。こいつがいるとは思っていなかったから準備もしていないしな。
 俺はまた今度でもいいんだがアニムスがなぁ……ん?そういえば遅いな、徳に指示を出していないから早く終わると思っていたんだがな」




 レイドは少し考えた後にリーヴァーに近づき空中に発生させた黒い円から縄を取り出して身動きできないように縛り、口に布を詰めて気絶させた。




「逃げられたら困るからな……」




 レイドはそう呟いてアニムスの方向へ急いで向かった。

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