今まで俺に冷たくしていた美少女が席替えで隣の席になった途端優しくしてくるんだが
第25話 弟子にしてください!!
放課後になり霧斗は言われた通りに音楽室に行った。中に入ると二組の担任の先生と二組のクラスの人達がいた。
「すみませんね無理を言ってしまって。どうしても近くで見たくて」
「逆岩先生、大丈夫ですよ。十五分程度なら時間ありますし」
二組の担任は逆岩咲麗という女性の先生だ。今年先生になったばかりというのに逆岩先生の授業はとてもわかりやすい。担当教科は数学だが他の教科も数学と同じように詳しく担当の先生が不在の時には変わりに逆岩先生が授業をする。
「それじゃぁ一曲だけ弾きますよ。ちなみに即興で作りますからね。楽譜出すのめんどいんで」
ざわめきが起こる。当然だ。楽譜を出すのが面倒臭いから即興で曲を作ると言ったのだ。
霧斗が弾き始めると室内の空気が変わった。少し寒い室内がピアノの優しく美しい音で暖かく包まれたように室内の温度が上がった。実際には上がってはないのだが上がった様に感じたのだ。
「なんて……綺麗な音なんだ……」
星櫓の呟きが霧斗の耳に入ると同時に優しく終わった。
霧斗が星櫓の方を見ると全員が涙を流していた。
「終わりましたよ?逆岩先生。それと皆はなんで泣いてるんだ?」
霧斗がそう言うと星櫓がハッとしたように目元を拭った。どうやら気づいてなかったらしい。
「ありがとよ。俺たちは失敗を恐れず進んでいけそうだ」
「それは良かった。なら俺はもう行くよ。瞬達の夢を叶えにな」
「それはどうゆう……」
「あぁ答えは言えないが今日の夜九時くらいに俺のチャンネルのホーム開いてみたら?それか今日出される動画の説明欄のリンク見てみれば?答えはそこにある」
そう言って霧斗は歩き始める。そして下駄箱にさしかかろうという時誰かに呼び止められた。
「あの……まってくれませんか?」
「なにか用?まず名前教えて貰える?俺、名前覚えるの得意ではないんだ」
「あ…はい。不知火と言います。お願いがあって……」
「パパっと言ってくれる?」
「はい。実は……ピアノを教えて欲しくて……」
「ピアノ?なんでまた俺なんかに?ピアノ教室に通えばいいだろう?」
「通っています……でも……ある程度弾けるようになってから全然上達しなくなって……。それでピアノ教室の先生がお母さんにそのことを言ってしまって……やめさせられるんです。でも……私は……夢を諦めたくなくて……だから霧斗さんにピアノを教えて貰いたくて。だから……私を弟子にしてください!!」
「その夢、諦めたくないんだね?もし俺が教えてもピアノを続けたいんだね?その意思があるのなら弟子にしよう。発表の時に言ったけど俺から教わっても必ず上達する訳じゃないからね?」
「もちろん……諦めたくないです……たとえ上達しなかったとしても……私は……」
「泣かなくてもいいよ。よし分かった。教えてあげよう。でも今日はさっき言った様に用があるから無理だよ。明日ならいいかな」
「ありがとう……ございます……明日で大丈夫です。お母さんにちょっと挨拶だけお願い出来ますか?」
「分かった。また明日ね。じゃあ俺はもう行くよ」
霧斗はそう言って三人がまつ校門まで走って言ったのだった。残されたのは不知火一人だけ。
後に不知火は世界に認められるピアニストになるのだがそれはまた後の話。
「すみませんね無理を言ってしまって。どうしても近くで見たくて」
「逆岩先生、大丈夫ですよ。十五分程度なら時間ありますし」
二組の担任は逆岩咲麗という女性の先生だ。今年先生になったばかりというのに逆岩先生の授業はとてもわかりやすい。担当教科は数学だが他の教科も数学と同じように詳しく担当の先生が不在の時には変わりに逆岩先生が授業をする。
「それじゃぁ一曲だけ弾きますよ。ちなみに即興で作りますからね。楽譜出すのめんどいんで」
ざわめきが起こる。当然だ。楽譜を出すのが面倒臭いから即興で曲を作ると言ったのだ。
霧斗が弾き始めると室内の空気が変わった。少し寒い室内がピアノの優しく美しい音で暖かく包まれたように室内の温度が上がった。実際には上がってはないのだが上がった様に感じたのだ。
「なんて……綺麗な音なんだ……」
星櫓の呟きが霧斗の耳に入ると同時に優しく終わった。
霧斗が星櫓の方を見ると全員が涙を流していた。
「終わりましたよ?逆岩先生。それと皆はなんで泣いてるんだ?」
霧斗がそう言うと星櫓がハッとしたように目元を拭った。どうやら気づいてなかったらしい。
「ありがとよ。俺たちは失敗を恐れず進んでいけそうだ」
「それは良かった。なら俺はもう行くよ。瞬達の夢を叶えにな」
「それはどうゆう……」
「あぁ答えは言えないが今日の夜九時くらいに俺のチャンネルのホーム開いてみたら?それか今日出される動画の説明欄のリンク見てみれば?答えはそこにある」
そう言って霧斗は歩き始める。そして下駄箱にさしかかろうという時誰かに呼び止められた。
「あの……まってくれませんか?」
「なにか用?まず名前教えて貰える?俺、名前覚えるの得意ではないんだ」
「あ…はい。不知火と言います。お願いがあって……」
「パパっと言ってくれる?」
「はい。実は……ピアノを教えて欲しくて……」
「ピアノ?なんでまた俺なんかに?ピアノ教室に通えばいいだろう?」
「通っています……でも……ある程度弾けるようになってから全然上達しなくなって……。それでピアノ教室の先生がお母さんにそのことを言ってしまって……やめさせられるんです。でも……私は……夢を諦めたくなくて……だから霧斗さんにピアノを教えて貰いたくて。だから……私を弟子にしてください!!」
「その夢、諦めたくないんだね?もし俺が教えてもピアノを続けたいんだね?その意思があるのなら弟子にしよう。発表の時に言ったけど俺から教わっても必ず上達する訳じゃないからね?」
「もちろん……諦めたくないです……たとえ上達しなかったとしても……私は……」
「泣かなくてもいいよ。よし分かった。教えてあげよう。でも今日はさっき言った様に用があるから無理だよ。明日ならいいかな」
「ありがとう……ございます……明日で大丈夫です。お母さんにちょっと挨拶だけお願い出来ますか?」
「分かった。また明日ね。じゃあ俺はもう行くよ」
霧斗はそう言って三人がまつ校門まで走って言ったのだった。残されたのは不知火一人だけ。
後に不知火は世界に認められるピアニストになるのだがそれはまた後の話。
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