第4話　　生命の神ライム

〈SSR 生命の神ライムを獲得しました〉

そんな声が頭の中に流れ込んでくる。カリスは意味が分からず固まっていた。

「どうしたの？カリス君」

「せ、生命のかみぃぃ?!」

「どうしたんだ生命の神って叫んで」

「どうしたもガイさん！何もさっき頭の中で、生命の神ライムを獲得しましたって声が聞こえたんですよ！」

「生命の神だぁ？どうゆう事だ？」

カリスが答えるよりも早く引き当てた女の人が話し始めた？

「もしかして君って前世の記憶とかってあったりする？」

「君って、僕に言ってるんですか？」

「そうそう君だよ君」

「前世の記憶はないですよ。それよりも貴方は誰ですか？」

そう聞くと胸をはってその人は答えた。

「私は生命を司る神ライムよ。1万年に封印された神々の1人ね。それと君、ちなみにスキルって何がある？」

「スキルですか？えーっと【神ガチャ】と【異界ガチャ】ですね。それがどうかしたんですか？」

「やっぱり……君が……。そういえば名前聞いてなかったわね。なんて名前？」

「カリスです。それよりライム様？さん？やっぱりってどういうことですか？」

カリスのその質問にはガリスが答えた。

「神を召喚できるそのスキル……やはりカリス殿は伝承の人であったか。伝承にはもうひとつ『神を召喚せし者はかつて散った神の転生体である』というものがある。ライム様、カリス殿はやはりかつてここに散った神の生まれ変わりなのですか？」

「そうよ。かつてここに散った神は死ぬ前に『生まれ変わったら神々や異界の人々を召喚できるスキルを持って生まれたい』といって死んだのだから。カリスはやはりあの時の生まれ変わりだわ。それと貴方の名前は……ガリスっていうのね。フレンドリーな喋り方でいいわ。カリスもね」

はぃぃ?!俺が知らないところで話が進んでるんだが？神ガチャと異界ガチャってそんなにやばいの？

「あのーライムさん。どうゆうことです？ガリスさんも2人して……もしかして僕なにかすごい事しました？」

「すごいといえばすごいわね。カリスの前世は神なの。激戦となった地で死んだね」

「激戦となった地？もしやライム殿。この地に見覚えはござらんか？」

「見覚えは……もしかして……ここがあの激戦になったそしてあの神が死んだ……ところ？」

「はい。そうですぞ。この村はかつて神々が魔神との戦いの時に最も激戦となった場所。儂らがいるこの広場は神が死んだと伝えられておりますぞ」

「この噴水の下に彼の遺体が……。少しどいて貰える？【生命の神ライムが求める。この地に眠る神の遺体を掘り起こせ。神堀かみほり】」

ライムがそう唱えるとガリスがたっていたところが掘られ1人の男性の遺体と思われるものが取り出された。

「ライムさんこれは？」

「貴方は…シイナっていうのね。神の体はね。死んでも腐らないの。だから私の魔法でここで死んだ神を掘り起こしたの」

「これが神……聖骸…。よく見たらカリス君に似てる」

聖骸と呼ばれた神の遺体を見るとそこにはカリスと瓜二つだった。

「これが神の聖骸……かつてのカリス君の姿…。生命を司るライムさんならもしかしてこの聖骸を生き返らせることって出来ますか？」

「君はキルスっていうのね。残念ながらカリスが生きている限りはこれは蘇生できないわ。ガリスこの遺体を祀ってくれる？埋もれているよりその方がいいと思うわ」

「承知した。その神の名前は？」

「ケミカルよ……武神の神、アハトの子供ね。初陣で華麗に死んでいったわ」

「ケミカル…承知した。この広場に聖骸を祀り祈りの場としよう」

こうして村に新しくケミカルの聖骸を祀った場所ができたのであった。