追放から始まる成り上がり

時雨古鷹

奴隷

 今日は学園は休みなので働く人…簡単に言えば奴隷を買いに行くことになる。
 この世界では奴隷制度がある。主に一般奴隷、借金奴隷、犯罪奴隷の3グループに分かれている。説明は省く。
 しかし奴隷か…。元日本人の俺としては奴隷と聞くと嫌な思いをするが少し興味もあった。

「カイシス、3人を頼んだよ」

 俺はそういって家を出た。今回はレイネを連れて行っている。カイシスも来たかったそうだがミリサに模擬戦を頼まれ残ることになった。
 奴隷店がある場所は王城のすぐ近くだ。ちなみに店の名前は【フルイ奴隷商会】と言って世界的にも有名な奴隷商会だ。
 ちなみに今の俺の全財産は白金貨5千枚だ。ちなみに白金貨はこの世界で最も価値が高い硬貨だ。今俺が持っている白金貨の量は最近滅んだ王国の1年半の国家予算にあたる。

「ハルト君、もしかしたら戦争奴隷が買えるかもしれませんね」

 戦争奴隷とは戦争に負け滅んだ国の貴族などのことだ。つい最近ほかの国が戦争でまた1つ国を滅ぼしたのだ。そしてその国の貴族の令嬢などをこの商会に売ったらしいのだ。
 基本的に戦争奴隷は高いので貴族でもおいそれと買うことはできない。

「そうだね…。見えてきたよ」

 店に入ると店長が出迎えてくれた。

「いらっしゃいませ。私はこの奴隷商会の店長、フルイと申します」

「店長でしたか。ハルト準男爵です。横にいるのは護衛騎士のレイネです。早速ですが奴隷を見させていただけないでしょうか」

 俺がそういうとフルイは「どうぞこちらへ」と店内を案内してくれた。どれもきちんとした衛生環境で生活させられていたが気になるのはいなかった。

「そういえば戦争奴隷がなかなか売れずに5人くらい残っているんですよ。みますか?」

 俺はお金に余裕があるので一応見ることにした。
 見ることを伝えるとさらに奥まで連れていかれた。

「この5人が戦争奴隷になります。元王女が2人、貴族令嬢が1人、魔法師団団長が1人、元王子が1人となっております」

「フルイさん一応ですが1人当たりの値段を聞いてもいいですか?」

「えぇ。1人当たりの値段が白金貨100枚となっております。まとめてお買い上げいただくと割引があります」

 ふーん。5人で白金貨500枚以内ねぇ。全員購入するか。
 俺は目の前にいる戦争奴隷5人と一般奴隷を2人購入することにした。戦争奴隷は平均年齢が15歳くらいと若かった。

「フルイさん、この5人と一般奴隷のエルフの女性2人を購入します」

 フルイは目を見開いたがすぐに代金を伝えてきた。

「ご購入ありがとうございます。代金の内訳は戦争奴隷5人の白金貨250枚、一般奴隷2人は無料で差し上げます」

「代金です。ありがとうございました。また顔を見せに来ますね」

 そう言って俺は購入した7人とともに店を出た。ちなみにレイネは武器屋に行ったのでいない。まああの人なら大丈夫なので奴隷たちと帰路についた。

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