追放から始まる成り上がり
ゴブリン村
今まで魔物がでないことはかなりあったが動物も見かけないということはなかった。なのに動物が1匹も見ないとなるとこの森でなにか問題が発生した可能性がある。
過去にこのようなことがあったのは30年も昔のことらしい。その時はゴブリンゴッドと呼ばれるゴブリンの頂点……いわばゴブリンが崇める神様が森に居座っていたらしい。ゴブリンゴッドはSSランクの魔物だ。
ついでに魔物のランクについて説明すると冒険者ランクとほぼ同じだ。冒険者はGランクからLGランクまであるのに対し、魔物はその上に魔獣、災厄、聖獣、神獣というランクがある。災厄までは討伐例が過去にあるのだが聖獣以上は討伐例がない。というのも聖獣や神獣は暴走しない限り人を襲わず無害なのだ。
そうしているうちに開けた場所に着いた。俺の知る限り森に開けた場所はなかったはずなので怪しいと思い木の影に隠れそっと覗いた。
「ニンゲン、コロス、コロシテ、クウ!!オンナ、オカス!!」
「きゃあああ!!助けてー!!」
地面には血まみれになって倒れた男性の冒険者、そして服を脱がされ裸の状態の20代と思われる女性冒険者、そして建物の中からゴブリンが16匹。そして1匹のゴブリンエリート。
「間違いなくゴブリンの巣…いや村だよね」
俺がそう呟いたのはさらにゴブリンエリートが3匹とゴブリンが20匹出てきたからだ。さらに数ある建物のうちのひとつの建物の中を空いた隙間から見ると4人の女性冒険者が裸の状態で横たわっていた。犯された形跡はないので大丈夫なようだ。
「まるで小説の主人公だよな」
俺はそう言い捨てると姿を現し軽い魔法を使った。
【風弾丸】
この魔法は風魔法の中でも基礎中の基礎だ。本来この魔法はゴブリンに使う魔法ではないのだがハルトは加護で魔法の威力が強化されるのでゴブリン程度は簡単に殺せるのだ。
まっすぐ飛んでいった風の弾丸は女性に最も近かったゴブリンを殺した。そして目の前で仲間が死んだことによりゴブリン達のターゲットは俺に向いた。
ちなみに俺の冒険者ランクはDランク。普通のゴブリンはEランクで俺より1つ上のランクに分類される。ゴブリンエリートはCランクに分類されるがその個体の大きさによりBランクに分類されたりもする。
「オマエ、ナカマ、コロシタ。オレタチ、オマエ、コロス、コロシテ、クウ!!」
「やれるものならやってみな」
俺がそう挑発してやるとゴブリンは無闇に突っ込んできた。知能の低いゴブリンだ。突っ込んでくるのが当然だろう。ゴブリンエリートはそこそこ知能はあるが戦いを指示できるほどの知能はない。しかしゴブリンより知能があるおかげか突っ込んでは来ないようだ。
俺はさっき倒したゴブリンがレジェンドドロップで短剣をドロップしていたのでそれを拾った。
剣を拾いに行くために音速を超えるスピードで移動したのでゴブリン達は棍棒を振った勢いで倒れ込んでいく。
「おおー俺が殺しやすいように固まって倒れてくれたんだね。ありがとう」
俺はそうゴブリンに言いながら持っていた短剣で縦と横に一閃する。ゴブリンは汚い悲鳴と共に絶命していきポーションをドロップしていった。
「さぁ、あとは……ゴブリンエリート…君だけだ…ね!!」
言葉を言い切ると同時に近くにいたゴブリンエリート3匹を次々に斬り殺していった。
ゴブリンエリート3匹からは短剣、防具、ポーションがドロップした。俺はそれを拾ってサッと装備し残りのゴブリンエリートの方を向いた。
「マサカ、シュンサツトハナ。ダガ、オマエハ、オレ二、カテナイ。グレード…アップ」
「ははっまさかグレードアップを使われるとはね。まあだいたいはあまり変わらないから…」
俺が中途半端に言葉を区切ったのにはわけがある。目の前のゴブリンエリートがゴブリンキングになったからだ。このグレードアップは言葉を話せる魔物は必ず1回は使えるのだがランクが1つ上がるだけで対して変わらないのだ。しかし目の前のゴブリンエリートはSランクに分類されるゴブリンキングに進化した。
だが俺は笑みを浮かべた。もしこれを討伐すれば歴史に名を残せるからだ。今まで1人でゴブリンの村を壊滅させたことはない。なぜならゴブリンの村は最低でもBランク相当に分類されゴブリンの種類、数によってランクが上がっていくのだが、これまでの村には必ずゴブリンキングが1匹とAランクのゴブリンメイジ、ゴブリンナイトがおりSランクの村になっていてパーティーでしか討伐されていないからだ。
「楽しくなってきたな!!」
さぁ第2ラウンドの始まりだ!
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