ヤンデレ御曹司から逃げ出した、愛され花嫁の168時間
本当のハネムーンまで146時間
  午前七時。
たっぷりと眠って起きたら、透也くんはすでにノートパソコンを開いていた。
にこりと微笑まれる。
「おはよう、奥様。よく眠れたようだね?」
「……おはよう……」
寝たというか気をやったというか。なんというか、昨日もものすごく濃かった。
透也くんがす、と立ち上がってベッドサイドにやってきた。
頬に手を添えられて、じっとのぞきこまれる。
「その表情だと、ご満足いただけたようだね」
彼の艶な表情には何年暮らしても慣れなくて、体が熱くなる。ご満足どころか(以下略)
「さて。今日は大阪港に立ち寄って他の客が乗船してくる」
「そうなんだ?」
意外。
「ん?」
透也くんが私の顔を見つめ直した。
「や、だって。透也くん、私といる空間に極力第三者を入れないようにするじゃない?」
この船が透也くんの持ち物だとしたら、貸し切りくらいしでかすのではないかと思っていた。
透也くんが美しい眉をひそめた。
「……もしかして二人だけのほうがよかった?」
私はぶんぶん! と首を横に振った。
「とーんでもないっ」
こんな大きい船をたった二人の為に動かす? どれだけのお金を魚の餌にするのか。
「嘉島の当主が利益にならないことをしちゃだめっ」
あごをくい、とつままれ上向きにさせられた。
「心外だな。僕が円佳より利益を取る男だと思っているのか」
世界より私をとると宣言してくれる透也くんが嬉しくないはずがない。
けれど、政治や経済を意のままに扱える人で、実際にしてしまう人はそう多くないのではないだろうか。
 だからこそ、透也くんの愛情が恐ろしい。
「…………思ってないから怖いの」
小さな声だったが聴きとってもらえたみたい。
「未来の歴史の教科書に、『傾国の美女』と名を残すのがイヤ?」
「美女じゃないもん」
『国(世界)を傾ける美人』なら、透也くんこそあてはまる。透也くんは笑ったあと、真剣な表情になった。
「円佳が安全でいてくれたら、世界も滅亡せずに済むよ」
ま、魔王……!
世界が無事であることの人質は私の安全なんて、ウエイトが違いすぎないだろうか。
でも、透也くんはすると言ったらする。出来る力がある。
全力で覚えておいてと宣言されて、私はうなずくしかなかった。
ちゅ、と唇をつまむようなキスをされる。
「話を戻すけどね、荷物の搬入や乗船手続きでしばらく船内がざわつく。今日は一日、夕食までこの部屋に籠ってよう」
ん?
「それって」
ドキドキ。
まさか、朝から……そんな?
期待をこめて見上げると、透也くんはにこりともう一度微笑み、それはそれは妖しいまでの艶を放っていたのだった。
同時に背中にシーツの感触がある。両手は彼の両手に抑えられていた。
「え、あの」
あれ?
さっき起きあがったと思ってたんだけどな? ……なーんてわざとらしいことを考えつつ、指の間に指を絡まれて潤みっぱなしの体が疼いた。
「ぁん」
私、正直すぎる。
「いいよね、僕達は結婚したばかりなんだし」
ビバ、爛れた生活! 望むところで否やはない、けれど。
「………………ウン……」
ここは恥じらっておくのが、新妻の務めでしょう。
たっぷりと眠って起きたら、透也くんはすでにノートパソコンを開いていた。
にこりと微笑まれる。
「おはよう、奥様。よく眠れたようだね?」
「……おはよう……」
寝たというか気をやったというか。なんというか、昨日もものすごく濃かった。
透也くんがす、と立ち上がってベッドサイドにやってきた。
頬に手を添えられて、じっとのぞきこまれる。
「その表情だと、ご満足いただけたようだね」
彼の艶な表情には何年暮らしても慣れなくて、体が熱くなる。ご満足どころか(以下略)
「さて。今日は大阪港に立ち寄って他の客が乗船してくる」
「そうなんだ?」
意外。
「ん?」
透也くんが私の顔を見つめ直した。
「や、だって。透也くん、私といる空間に極力第三者を入れないようにするじゃない?」
この船が透也くんの持ち物だとしたら、貸し切りくらいしでかすのではないかと思っていた。
透也くんが美しい眉をひそめた。
「……もしかして二人だけのほうがよかった?」
私はぶんぶん! と首を横に振った。
「とーんでもないっ」
こんな大きい船をたった二人の為に動かす? どれだけのお金を魚の餌にするのか。
「嘉島の当主が利益にならないことをしちゃだめっ」
あごをくい、とつままれ上向きにさせられた。
「心外だな。僕が円佳より利益を取る男だと思っているのか」
世界より私をとると宣言してくれる透也くんが嬉しくないはずがない。
けれど、政治や経済を意のままに扱える人で、実際にしてしまう人はそう多くないのではないだろうか。
 だからこそ、透也くんの愛情が恐ろしい。
「…………思ってないから怖いの」
小さな声だったが聴きとってもらえたみたい。
「未来の歴史の教科書に、『傾国の美女』と名を残すのがイヤ?」
「美女じゃないもん」
『国(世界)を傾ける美人』なら、透也くんこそあてはまる。透也くんは笑ったあと、真剣な表情になった。
「円佳が安全でいてくれたら、世界も滅亡せずに済むよ」
ま、魔王……!
世界が無事であることの人質は私の安全なんて、ウエイトが違いすぎないだろうか。
でも、透也くんはすると言ったらする。出来る力がある。
全力で覚えておいてと宣言されて、私はうなずくしかなかった。
ちゅ、と唇をつまむようなキスをされる。
「話を戻すけどね、荷物の搬入や乗船手続きでしばらく船内がざわつく。今日は一日、夕食までこの部屋に籠ってよう」
ん?
「それって」
ドキドキ。
まさか、朝から……そんな?
期待をこめて見上げると、透也くんはにこりともう一度微笑み、それはそれは妖しいまでの艶を放っていたのだった。
同時に背中にシーツの感触がある。両手は彼の両手に抑えられていた。
「え、あの」
あれ?
さっき起きあがったと思ってたんだけどな? ……なーんてわざとらしいことを考えつつ、指の間に指を絡まれて潤みっぱなしの体が疼いた。
「ぁん」
私、正直すぎる。
「いいよね、僕達は結婚したばかりなんだし」
ビバ、爛れた生活! 望むところで否やはない、けれど。
「………………ウン……」
ここは恥じらっておくのが、新妻の務めでしょう。
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