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ヤンデレ御曹司から逃げ出した、愛され花嫁の168時間

水田歩

結婚式まで012時間〜再会した二人〜 ②

 
 不退転の決意で訊ねた。

「私たちの結婚は政略結婚ってほんと?」
「円佳はどうあって欲しい?」
「はぐらかさないで!」

 質問で返してきた透也くんを睨みつければ、彼はつるっと自白した。

「君のお父さんの特許を嘉島家が占有しているのは本当」

 やっぱり……! わかっていても息をのんでしまう。
 心臓が痛い。
 彼は底知れぬ深い瞳で私を見つめてきた。

「僕が君を愛しているのも本当」

 甘い衝撃が胸にどん、ときた。
 地獄まで落ち込んでいた気分が一気に天国まで駆け上がる。
 今まで、なんの疑いもなく受け止めていた言葉。
 だけど――!

「私が『特許』を透也くんに譲ったら、結婚はなかったことにしてくれるの?」

 ごくりと唾を呑み込んで、ささやいた。
 途端、彼の顔面からす、と表情が消えた。
 他人にはめったに見せない、本気で怒っているときの表情だ。
 温度が一気に10度くらい冷えたみたい。

 こわい。

「いまさら僕を棄てるなんて、赦さない」

 言下に否定される。顔と同じく静かな声だった。

「……私が透也くんを捨てる……?」
「そうだ」

 違うでしょ、透也くんこそが私のことをオマケ扱いしたくせに――!

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