ヤンデレ御曹司から逃げ出した、愛され花嫁の168時間
結婚式の013時間前〜透也〜 ③
円佳の、思い立ったら実行せずにはいられない行動力や、思い切りの良さ。
プラス思考で、道は己で切り開こうとするタフさ。
透也が愛してやまない部分でもある。
「彼女の『持病』を計算に入れていなかった、僕の落ち度だ」
傾向と対策を掴んでいるものの、円佳はいつ発症するかわからない。
彼女をあえて自由にさせておいたのが裏目に出た。
「透也様は、こと円佳さまに関しては詰めが甘いですからな。……あれだけ、『小鳥の羽を毟って、脚を鎖で繋いで、念のために鳥籠には鍵をかけておきなさい』と申し上げましたのに」
「まったくだな」
呆れ果てた執事の言葉に、透也はうっとりとつぶやき返した。
「円佳さまが、お父上のことを知らされていないとは気づきませんで」
執事の言葉に透也は渋い顔をしたまま同意した。
「彼女のご両親はうちの親と同じくらい愛し合われているからな。わざわざ説明しなくても理解されていると思い、話さなかったんだろう」
円佳の両親は、彼女の父親が研究のうえ取得した特許がもとで命を狙われるようになった。
愛する妻子の生命が危険にさらされていると知った博士は、嫌がる妻を説き伏せて籍を抜かせた。
半狂乱になった円佳の母親から話を聞いた透也の母は、国外に出ようとした博士を空港でとらえ、親友の待つ本宅に連れ戻った。
嘉島家は、一家に安全と保護を与えたのである。
円佳の母は透也の母に乞われて秘書として飛び回り、博士は別宅にて研究に専念しているが、夫妻は少なくとも週に一回以上は夫婦として睦みあい、円佳を交えて親子の時間を過ごしている。
「彼女が勘違い選手権における、ディフェンディングチャンピオンなのを失念していたな」
透也はふう、とため息を吐き出した。
「円佳さまのご両親も、どちらかといえば天然ぼけ。失礼、おっとりとされておられますから」
執事がフォローにならない、微妙な言い回しをする。
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