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ヤンデレ御曹司から逃げ出した、愛され花嫁の168時間

水田歩

結婚式147時間前から乳児院での五・三日間①

  午前七時。

「円佳せんせーっ!」

 朝、起こしにいくと子供たちが飛びついてきてくれた。
 一人一人を抱きしめる。

 ここにいるのはさまざまな事情により、親と暮らせない子ばかりが預けられている。
 私たち職員は、子供たちに『スタートからつまづいてしまった』と思ってほしくない。
 一般的な家庭より大家族だけど、愛をもって子供たちに接しているつもり。
 キラキラな笑顔を向けてもらえると、今日も一日頑張ろうと思う。

 零歳児から、一番大きくて六歳児まで、着替えさせてご飯を食べさせ、歯磨きにトイレ。
 合間に洗濯、布団干し。子供たちと一緒に掃除。
 お昼を食べさせてから、運動。
 ドッヂボールをしている子たちを見て、ふいに思った。

 私、透也くんと家庭を築きたかったな。
 彼の赤ちゃんを産んで、抱っこしている私を、透也くんに抱きしめて欲しかった……。
 鼻の奥がツンとしそうになる。
 いかん。今は眼の前の子たちが第一。
 透也くんなんて、ぺっぺーだ!

 お遊戯に工作して紙芝居に歌の時間におやつ、お昼寝。
 合間に洗濯を取り込んで分類して、自分の引き出しにしまわせる。
 業者との打ち合わせや、児童相談所や保健所、家庭裁判所。
 同業施設など、関係各所に連絡をとる。

 親との面談をし、親子の対面に立ち会う。
 一緒に文字や数字の勉強をしたり、トイレトレーニングに付き合ってはうまく出来た子を褒めてあげる。

 夕飯に歯磨き、お風呂、寝かしつけ。
 先生方とのミーティングで特別養子制度への取り組みについて話し合う。
 乳児院の一日は戦場だ。

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