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ヤンデレ御曹司から逃げ出した、愛され花嫁の168時間

水田歩

結婚式の155時間前〜逃げ出そう〜 ⑥


「円佳さま、その件につきましてはあらためて透也様から」

 執事さんの言葉を手で遮り、携帯を取り出すとカコカコとメールを打った。

『マリッジブルーです。勤め先に泊らさせて貰います。もし無理矢理に連れ戻されたら、婚約破棄をします。ボディーガードさんから定時連絡してもらってください』

 透也くんに送信した。

 警護してくれている人たちをまくことも考えたんだけど、職務怠慢でリストラされたら申し訳ないから、私についてきてもらうことにしたのだ。

 ボディーガードさんには「透也くんに家出するって連絡済みです。ヘリに乗せてください」ってお願いした。
 彼らは数秒固まった。
 我に返ったあと、あちこちに連絡をしたのち、無言で夜間飛行可能なヘリコプターのドアを開けてくれた。さすが、仕事が早い。

 かくして、私の逃避行は始まった……と言いつつ、乗り込んでから行き先を訊かれたので、勤務先の「たんぽぽ乳児院にお願いします」と伝えた。

 我ながら安直だと思う。
 けれど勤め先ならば、ボディードさんたちも警備計画を立てているだろうから、そんなに大変じゃない、はず。

  迅速な行動のおかげで、透也くんが着く前に家出できた。

「結婚してたら『実家に帰らせていただきます!』ってメールに書けたのに」

 これからだったし、二十年以上母とまども嘉島家に住んでいる私には、透也くんの家こそが実家だったのに。
 くすん。
 乳児院を第二のホームだと思うことにしよう。

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