ヤンデレ御曹司から逃げ出した、愛され花嫁の168時間
結婚式の155時間前〜逃げ出そう〜 ⑤
というのも小学校の時、友達と夢中になって林の中で遊んでたら、警察・消防隊も含む数百名規模の大捜索をされてしまったのだ。
『林』っていっても山の中じゃなくて、小学校に隣接している公園の中の話である。
うたた寝しているところにライトが当たって、眼を醒ましてみたら大勢の人に覗き込まれていた。
透也くんが涙で顔をぐしゃぐしゃにしながら飛びついてきたから、『大げさだなあ』と笑い飛ばすことは出来なかった。
彼を抱きしめながら、透也くんのご両親をみれば、苦笑されていた。
私にしがみついて離れない彼が愛おしくて、寝つくまでベットであやしたのだった。
結果、彼は私のあとをさらについて回るようになってしまい、反省した私は透也くんに『報連相』をする習慣がついたのである。
連絡をしておけば、彼は動かないと約束してくれたのも大きい。
今回もまずは執事さんを呼び出し、事実を確認した。……あの女の言っていたことは本当だった。
父は家永博士。工学の世界では名前を知らない人はいないそうだ。
意外。ちゃんと入籍していたんだ……。
 ただ、母は孤児だったから、離婚後も父の姓を名乗ったのだろう。苗字が変わる私への気遣いもあったんだろうし。
「にしては、オ父サン、ニュースやメディアで見かけないです」
政財界にかかわるような著名人はチェックする習慣になっている。
「各国軍部から研究結果を狙われており、居を移さざるを得なかったと伺っております。博士の奥様、円佳様も同様にございます。その為、博士の所在については国家機密となっております」 
「国家機密……」
嘉島家にたどり着くまで、一ヶ所に長く入れられなかったのはそのためだったんだ。
父が私達と一緒にいられない理由は理解した。
 けれど、一度も会いに来ないって、私や母への気持ちは残ってないんだろうか。
ううん、母には既に小父さんがいる。
 名乗りたくても状況が許さないのかもしれない。
 母だって、父と長い間離れ離れなら、身近な男性に心惹かれても仕方ないんだろう。
親には親の事情がある。
「……それで、『父』の特許の譲渡と引き換えに、私と母は嘉島家に保護されたんですね?」
高待遇に納得した。
  軍部が欲しがる研究なら、嘉島家にも価値はある、ハズ。
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