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ヤンデレ御曹司から逃げ出した、愛され花嫁の168時間

水田歩

結婚式の164時間前〜ドレスが苦しい〜 ②

 
 透也くんは、子供の頃からそりゃあ美しくて、大きくなったらすごい美形に育つんだろうなとは思っていた。
 けれど、成人した彼の美貌ははっきりいって予想以上だった。

 切れ長でブラックダイアモンドのような瞳。
 す、ととおった鼻筋や、きりりと引き締まった口元。
 短くととのえられた黒真珠のように艶やかな髪が、サラサラしていて指通りがいいことを私は知っている。

『アジアン・クール』とか『オリエンタル・ビューティー』と評される、涼やかな美貌。

 武道やスポーツで鍛えたしなやかな体躯と百八十を超える長身は、恰幅のいい海外のセレブと並んでも見劣りしない。

 透也くんがすごいのは、見た目や家柄の良さだけではない。
 そんなもの、透也くんの本質のおまけに過ぎない。

 才能も備わっていたのだろうし、幼い頃からの英才教育もあったろうけれど、それだけじゃない。
 透也くんが努力の人であることを、誰よりも私が知っている。

 任せられている企業は、彼がCEOに着任して以来どれも右肩上がりだ。
 透也くんが新規立ち上げた企業はことごとく株式市場でストップ高を記録している。

 透也くんについて『七光り』という単語を使った人は、慌てて取り消すだろう。

 容姿、背景、実力を兼ね備えた透也くん。

『世界の半数が射落としたいと望んでいる貴公子』
 なんて報道されちゃったり、
 セレブの愛読誌の特集で
『もっとも影響のある百人』に選ばれちゃったりする人。

 対する私は大学を卒業したあと、お給料をもらうために働いている、いたって普通の人。

 ……ウン。
 世間が注目してるのはマダムが仰ったとおり
『トウヤ・カシマの結婚』であって、
『誰が、アジアンプリンスのハートを射止めたのか?』だ。
 完全に、花嫁の私がおまけである。

『トウヤ・カシマが彼女を妻にする理由。なにが決め手になったのか? 今世紀最大のミステリーだ』
 ゴシップ誌に書かれていたこともある。

 私も透也くんのことを大好きだったからプロポーズをお受けしたけれど、結婚式が近づいてくるにつれ。
『これって現実だよね? 私、寝ぼけてるんじゃ……』
 周りをキョロキョロする、変な癖がついちゃった。

 釣り合わないことこのうえないのに、私と結婚しちゃうおうとする透也くんの自由さっぷり。

 セレブの方々は、私のことを受け入れてないかもしれない。
 でも大好きな人達に祝福されているのだから、結婚していいのだ。

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