ヤンデレ御曹司から逃げ出した、愛され花嫁の168時間
結婚式のなんと6年前〜結婚式リスケ〜 ④
「……卒業したら、色々なグループ企業を任せられるし。学生時代っていう猶予期間を楽しんでおこうと思っただけなのに。こんなことなら、入学して一年位で卒業しておけばよかった」
ボソっと聞こえてきた言葉に、驚いた。
透也くん、スキップ出来るほど頭が良かったのか。
ん?
「透也くんのクラスって、世界各国名門有名人御用達海外難関大学一直線コースじゃなかった?」
私はそんな頭はなかったから普通科コースだったけど、特進や優待コース頂点のクラスに透也くんは籍を置いてたような。
「……エッチだって、円佳ちゃんとキスした日にホテルを予約してたのに」
「いや、いくらなんでもそれは」
小さく呟いた彼の言葉に、脊髄反射レベルで異を唱えた。
思い出した。
相思相愛であったとしても、十二と十五でイタしてしまうのは、いかがかと思った私は透也くんのお父さまとお母さまに救難信号を送ったのだ。
「父上からも『体を与える相手が十八歳以下だと円佳ちゃんが気にしちゃうぞ』、て釘をさされるし。僕のアキレス腱を正確に蹴飛ばしてくれたよね……。円佳ちゃんを啼かせたいけれど、泣かせるのは本意じゃない。断腸の思いで父上たちに譲ったんだ」
なんか聞き捨てならない言葉があったけど、必殺スルー。
忌々しげに舌打ちをする透也くんを尻目に私は心の中で拍手喝采していた。
ナイスアシストです。お義父さま、その通りです!
私だって、R18は遵守したい所存。
でも私のことを考えて、透也くんは我慢してくれていたんだ……。
はじめて胸のうちを聞かされて、心がふわっと温かくなったのは内緒だ。
ところで。
「素朴な疑問なんだけど、小学六年生の男児からの予約をホテルって受け付けてくれるの?」
そんなこと、日本政府は許していいの?
「金と権力万歳、だよ」
私が呟けば、あっさりと言われてしまった。
彼に非難げな瞳を向けたら、透也くんはニヤリと笑った。
どきん。
やん、透也くんがこんなワルそうな笑いをするところ、初めてみた。
美少年が黒い表情するといいよねっ、クるよねえええー!
……私は変態さんか。
こほん。
私は咳払いをしてニヤけた口を誤魔化してみた。
「み、未成年なのに、言い切っちゃう?」
それに……っ。
「私のラブリーエンジェル透也くんは、どこにいっちゃったの」
なにこのブラックプリンスっぶり。
キャラ変わってない? まるで、魔王が降臨したみたいだよ?
キラキラした、この世の綺麗なものを集めて作られたような透也くんは清らかすぎて、世界から消滅してしまったんだろうか。
「そんなの、円佳ちゃんを怯えさせないためのフェイクに決まってる」
なんですと?
「君がプロポーズを了承してくれたから言うけど、もう円佳ちゃんの前では本性を隠さない。おいおい慣れてって」
尊大で腹黒。
これが、透也くんのほ、本性? どSっぽくてカッコいい!
……こほん。
なにキャーキャーしてるかな、私。
でも仕方ない、惚れた側の負けだ。
つまるところ透也くんは清くても黒くても素敵なのだ。
いいや魔王にこそ、勇者は立ち向かう! ……負け戦であろうと挑んでみせる。
「だいたい、私がプロポーズOKするかわからないのに、なにを先走ってるのよ」
え、という顔をされたので、私のほうが驚いてしまう。
そんなに自信あったのだろうか。私はさっきまで別れる気満々だったんだぞ。
ボソっと聞こえてきた言葉に、驚いた。
透也くん、スキップ出来るほど頭が良かったのか。
ん?
「透也くんのクラスって、世界各国名門有名人御用達海外難関大学一直線コースじゃなかった?」
私はそんな頭はなかったから普通科コースだったけど、特進や優待コース頂点のクラスに透也くんは籍を置いてたような。
「……エッチだって、円佳ちゃんとキスした日にホテルを予約してたのに」
「いや、いくらなんでもそれは」
小さく呟いた彼の言葉に、脊髄反射レベルで異を唱えた。
思い出した。
相思相愛であったとしても、十二と十五でイタしてしまうのは、いかがかと思った私は透也くんのお父さまとお母さまに救難信号を送ったのだ。
「父上からも『体を与える相手が十八歳以下だと円佳ちゃんが気にしちゃうぞ』、て釘をさされるし。僕のアキレス腱を正確に蹴飛ばしてくれたよね……。円佳ちゃんを啼かせたいけれど、泣かせるのは本意じゃない。断腸の思いで父上たちに譲ったんだ」
なんか聞き捨てならない言葉があったけど、必殺スルー。
忌々しげに舌打ちをする透也くんを尻目に私は心の中で拍手喝采していた。
ナイスアシストです。お義父さま、その通りです!
私だって、R18は遵守したい所存。
でも私のことを考えて、透也くんは我慢してくれていたんだ……。
はじめて胸のうちを聞かされて、心がふわっと温かくなったのは内緒だ。
ところで。
「素朴な疑問なんだけど、小学六年生の男児からの予約をホテルって受け付けてくれるの?」
そんなこと、日本政府は許していいの?
「金と権力万歳、だよ」
私が呟けば、あっさりと言われてしまった。
彼に非難げな瞳を向けたら、透也くんはニヤリと笑った。
どきん。
やん、透也くんがこんなワルそうな笑いをするところ、初めてみた。
美少年が黒い表情するといいよねっ、クるよねえええー!
……私は変態さんか。
こほん。
私は咳払いをしてニヤけた口を誤魔化してみた。
「み、未成年なのに、言い切っちゃう?」
それに……っ。
「私のラブリーエンジェル透也くんは、どこにいっちゃったの」
なにこのブラックプリンスっぶり。
キャラ変わってない? まるで、魔王が降臨したみたいだよ?
キラキラした、この世の綺麗なものを集めて作られたような透也くんは清らかすぎて、世界から消滅してしまったんだろうか。
「そんなの、円佳ちゃんを怯えさせないためのフェイクに決まってる」
なんですと?
「君がプロポーズを了承してくれたから言うけど、もう円佳ちゃんの前では本性を隠さない。おいおい慣れてって」
尊大で腹黒。
これが、透也くんのほ、本性? どSっぽくてカッコいい!
……こほん。
なにキャーキャーしてるかな、私。
でも仕方ない、惚れた側の負けだ。
つまるところ透也くんは清くても黒くても素敵なのだ。
いいや魔王にこそ、勇者は立ち向かう! ……負け戦であろうと挑んでみせる。
「だいたい、私がプロポーズOKするかわからないのに、なにを先走ってるのよ」
え、という顔をされたので、私のほうが驚いてしまう。
そんなに自信あったのだろうか。私はさっきまで別れる気満々だったんだぞ。
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