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ヤンデレ御曹司から逃げ出した、愛され花嫁の168時間

水田歩

結婚式まで168時間前〜まどろみ〜

  午前十一時。


 足の裏から、ゆっくりと手があがっていく。

円佳まどかのふくらはぎは美味しそうだなぁ』

 え、そう?
 男らしい低くくて掠れた声が熱っぽい。

『かじっていい? 勿論あとで舐めてキスしてあげるけど』

 いやん。

『ああ、円佳の太もも、すべすべだね』

 力強いストロークが内腿を、揺さぶり気持ちイイ。

『お尻もツンと上がって可愛い』

 あん、お尻を揉み込む手が強いぃ。

『円佳の背中は愛撫を受けるためのような曲線だね』

 あっ、透也くん、もう……!



「円佳(まどか)様、お疲れ様でございました」
「はぇっ?」

 エステティシャンさんの声で、夢うつつだった私は目が覚めた。
 いかん、よだれ。
 伸びをしたいところだけど、タオルの下は真っ裸だからうつ伏せに寝転がったままお礼を言う。

「ありがとうございました」
「もったいないお言葉です。円佳さま、ますますお綺麗ですわ。お肌はしあがっておりますけれども、結婚式当日まで最高のコンディションをキープいたしましょうね」
「はい」

 ふっふっふ。
 私、家永いえなが円佳は初恋の相手と一週間後に挙式するんである。

「シャワーをお使いくださいませ。そのあいだに軽食を用意しておくよう申し伝えます」
「お願いします」

 バスローブを羽織ってのそのそ起き上る。
 バスルームに入る前に振り返れば、エステティシャンさん達がエステルームの掃除をしてくれている。
 シャワーを浴びたあと、ダマスクローズが浮かんでいるバスタブに、私はゆっくりと体を沈めた。
 馥郁ふくいくとした香りに包まれながら、愛しの婚約者様に思いをせる。

 彼は嘉島かしま透也とうやさん、二十四歳。
 世界的財閥嘉島家の御曹司で、私の三歳下の男性だ。
 私達の出会いは、なんと二十一年前にさかのぼる。
 名家同士の政略結婚で許嫁だった? ノンノン、私は由緒正しい庶民。
 知り合うはずもなかった二人だったけど、母が透也くんのお母様の親友かつ秘書なので、彼とは幼馴染という間柄である。

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