オフィスの書類庫で書類整理をしていたら突然暗闇になり非日常が始まった

ghame

4/日】29.屋上に寝たのに起きるとトイレの前で寝ていた日曜日の夜

 
 深夜トイレに行こうとしたら、布団に包まったチロがトイレのドアの前にに居た

 土曜のアルバイトの後、今夜もチロは家の屋上へお泊まりだ

ーー玄関の約束は守ってくれた訳だけどトイレの前かよ?ドアが開けられないじゃん!今日もまた外は雨なのかな?
 これから秋になると雨が増えるし、雨じゃなくても寒くて外じゃ眠れなくなるな。
 バスタブに寝かせる?そしたら私がトイレに行けない。

ーー実はコレ邪魔!

 大体、ホテル代も、タクシー代も痛くも痒くもないチロが何故屋上に喜んで寝るのか全く理解出来ない

ーーマジ、ミステリー

「あれっ?ネコのトイレ?」
 
 チロの声がする、声だけ聞くとバリバリ男の声なので、外見が無くては慣れなくてゾクっとなってしまう。発情してしまいそうな自分が居て危険なので慌てて部屋の電気を付けた

ーー今「ネコのトイレ」って言ったよね?砂でもありそうな変な言い方すんな

「そう。チロが居てドアが開かないの」

「悪りっ、今どく」

「もう、、しょうが無いな。トイレのドアが開かないとマズいから部屋で寝ても良いよ?」

「本当か?」

「私の布団に潜り込まないでよ?」

「じゃあ、ネコがこっちにおいでよ?」

「それじゃあ一緒じゃん!」

 布団から出たチロは、二つに折り畳んだ布団を奥へ移動してくれたのでトイレの前が空いた

ーー嫌がらせして、わざとドアが開かないように寝てたんじゃないでしょうね?

「待ってるから、早くね〜」

  トイレから出ると、こちらに向かって無邪気に頬杖を付いているチロが掛け布団をめくって待ち構えている

 パンっ パンっ

 コレは布団を叩いてココに寝ろと言う合図らしく私の枕もチロの横に移動して来てある。

ーーちょっと気を許すとコレだから、、

 ドアの隙間に足先を入れて、強引にぐいぐいドアを広げて室内に入られて行く感じがした

「チロくん?残念ですけど、貴方には帰ってもらう事になりました」

ーーチロの思い通りには行きませんからね?ちょっとお灸を据えなくては

「そんなぁ〜。屋上にはもう帰れません!」

「家にだよ!自宅に帰るタクシー代くらい余裕であるでしょ?」

「あるよ?余裕過ぎて、またネコの部屋まで戻って来ちゃう。だから、一度帰った事にして、このまま一緒に寝よ?」

ーープッ。ちょっと面白かったけど、一緒の布団は無理でしょ?

 腕組みをしてトイレの前で立ち尽くすと、チロは諦めた

「ネコご立腹?わかりました。枕は返します。布団が隣なら、それで今日は我慢します」

ーー今日は?って、確かに少しずつガードを緩めてしまってるな、これは奴の策略か?

「外が雨だから、今日だけよ?次はちゃんと外に寝てね?」

ーーやっぱりチロにはキツく言えないなぁ〜追い出すなんて絶対無理

   私には追い出す事なんて出来ないので、眠いし諦めて布団に入る事にした

ーー布団を並べて寝るなんて、本当はヤなんだけど
チロと違って、私は平気じゃないんだよ?理性を保てるか心配、、
 だって考えても見て?
 もし、私が発情しておかしくなっちゃったら、チロはドン引きするよ?
 変な声出すし、淫らまくるし、ありえない、考えただけでゾッとする、、

「ネコ?さっき見せた物件のパンフの中で気に入った部屋はあった?」

「えっ?」

  ミラクルチロは、早速不動産から分譲マンションのパンフを3つ取り寄せていた。バイトが終わった後、帰り道で手渡されたので、部屋に戻り一人の部屋でスマホの画面を開いて検索しておいた。
 どうやらチロも会社の近くに住むこと自体は本気だったらしい

 一つは会社の向かいのマンションのペントハウス。
 ここは最高の立地だ。億ションなだけに間取りも内装も洒落ていて、バルコニーにはジャグジー完備だ。パンフにはシャンパングラスを片手にアイランド型のキッチンでホームパーティをする外人、ジャグジーに入る謎の美女。アイランド型のシンクは、ガスコンロ完備なので、グリルパーティーなども出来る。と、妄想が広がる部屋だ。

 二つ目は、会社からJR四谷駅に向かって隣の信号にあるホテルのスイートの年間契約。
 アメニティーはホテルで用意されるのでタオルも消耗品もホテルが管理してくれる。クリーナーやベッドメーキングもそうだ。そんな世界がこの世にある事を初めて知った瞬間だった。そう、私には知っても無意味な情報だ。
 話を聞くと、チロは現在もホテル住まいで「便利だよ?」と、そんな事は誰だって想像しただけでもわかる事を言ってくる。

 三つ目はフジテレビ後に立った高級分譲マンション。
 ココはスーパーもありファミリーにも快適なサービスが充実していて、家具は造り付けになっているところもスマートで魅力的だ。なんと言っても、その敷地は広く重厚な外観はテンションが上がる。

「元々ね、会社の近くに職場で必要なものを一式用意しておくと便利だと部屋を借りる事は考えていたんだ」

ーーそれで先日あんな話題になった訳か

「そしたら、一つ困った問題が起きるんだ」

「はいはい。私の部屋に泊まる必要が無くなるからね?さっきバイトから帰る時に聞いた」

「ネコは、オレと過ごす時間は楽しくないの?」

「まあ、楽しいんだけどね?でも、女友達でさえも、ここまでは泊まりに来ないんですけど?」

「男女差別反対!」

ーーここで使う?

 部屋を明るくしたせいで、眠気がやって来なくて、チロの話につい応えて、いつまでも眠れる気がしない

「あっ、電気はこのまま消さないから明るい中で頑張って寝てね!」

「ネコは消さない派なの?大丈夫、オレ気合いで頑張る。だから、気合を入れるパワーをちょうだい?」

 それと同時にチロの足が私の布団へそっと侵入して来た。
 スリスリと摩って来るチロのスベスベのスネが気持ち良い

「あれ?チロ、すね毛はどうした?」

 きっと男性のスネには通常すね毛と言うものが生えていて、ザラザラするはずた。なのにチロのスネはサラサラで気持ちが良い

「脱毛した」

「えっ?ええーーーっ?!見せて!」

 思わず本音が直に出た

ーーチロ?脱毛とか、、あまり脅かさないでくれ
好奇心が止まらない、見たくなるではないか、、

「良いよ?ネコも見せてね?」

「良いよ!私もレディーのたしなみ脱毛済みだから。よしっ、仕上がり具合を比べてみよう」

  そうと決まると、好奇心マックスな二人はバサッと布団をめくり、膝を立てて電気に向かって足を並べて見せ合った。

ーー長い!

 第一の感想はそれだ、立てた膝の高さがまるで違う

「ネコ?スネはそれで全部か?全部出せよ?」

「まだあるに決まってるでしょ?でも、見せるのはこれだけ」

ーー少しカチンと来た

「ネコぉ〜可愛いサイズの足してるな?ミニチュアじゃないかよ?小ちゃいのに指までちゃんとある、、」

ーーどんなノリだ?

「イヤ?たぶん普通サイズだと思うよ?女子の足を見た事ないの?」

「無い無い、興味ない!」

ーー実は私も、そのチロが興味の無い女子なんですけど?

「触っても良い?」

ーーまた、何か言ってる

「良いわけ無いでしょ?」

「だよなぁ〜。ネコはけちんぼだからな」

ーーけちんぼってなによ?バカでしょ?

「小ちゃなネコの足にはちゃんと骨が入ってるのか?とか、知りたいだろ?後、素材は餅なのかグミで出来てるか興味あるぞ?」

ーーああっ、なるほど。要約すると強度が知りたいのね?

「オレは見ても触っても良いですよ?」

ーーお〜太っ腹!

  チロの短パンは私のものなので、極端に短くてモモまで見えるが、その全ては柔らかい焼き立てのパンの色、一色だ。触るとどんな感触なのか興味をそそられ、好奇心が止まらない。

「チロの足は見事だね!!私の足もさ、触るのを特別に許可するからさぁ〜チロの足もスリスリしてみても良い?」

「マジか?!どーぞ?オレも特別に。ネコならじーさんになるまで触る事を許可する」

「じーさんになるまでって、特別感が目減りしたんですが、、チロ、その足ってスベスベなんじゃない?もう、ビックリよ?やっぱ、チロはチロだね凄いよ!あっ、もとい!スリスリしたくなるキレイな足だね!」

「まあな?スネ毛があった方が良いなら、植毛するよ?」

「なんで?こんなに綺麗なのに、勿体無いよ!」

ーーあっ、チロが珍しくはにかんだ!

「どーぞ、スリスリして下さい」

  そういうと、私の顔までスネを伸ばして来た。フワッと私と同じボディーシャンプーの香りが鼻をくすぐりクラッとなる

「チロ?頬ずりじゃないからね?」

  そう言ってキャッチして伸ばして来た足首を、私の立てた足の山に乗せて見た。
 見ない様に心掛けていたので気が付かなかったけど、ふくらはぎの位置が高く、足首が長く締まっていてスポーツをする足だ。

「形も良いね?スポーツしてたの?」
感心して声を弾ませた

   素直に感想を述べた。

「サッカー」

ーーなるほど、サッカー少年の足だ!短距離が得意な形をしている。

 納得して、掌を上から被せると足首から少し登って滑らせてみた
 サラッとしていて固くて体温が高く、驚きの男性的な肌触りをしている。その強度を知りたくて、少し力を入れて掴んでみた。

ーー固い!違うなぁ〜

 ひたすら感心する
 
ーーキメも細かいし、滑らかでキレイな肌!予想外なくらいに筋肉ばかりで固い男の足だ。

 そのまま膝に向かって登り滑らせた。
すると、力を入れたようでふくらはぎがモリッと固く厚みを増した。

ーーん?固くなった。これはサービスタイム?

「何かオレ、もうダメかも?それより上は、止めた方が良いよ?」

ーーえっ?

 チロの顔を見ると、のぼせて熱を出していた

「チロ?大丈夫?」

ーー外が寒かったのかな?雨に濡れちゃった?

「待って?今、タオルを冷やして来るから!」

「そうしてくれると助かるかも」

  慌てて冷凍庫から氷を出して、ボールに凍り水を作るとタオルを浸して絞った



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