30秒の短距離走

葉月天

巡る

入ってくるものは出てゆく。

コーヒーを飲んだ数十分後に用を足したくなるように。
寝起きに飲んだ水が汗になるように。
稼いだ分で家賃を払うように。

入ると出るは双方向だ。

だとすれば、突然入ってきた嫌な感覚もいつかは出て行くに違いない。
疑り深い衝動も、悲観してしまう思考も、きっと排出されて行くであろう。

ならばその時を待つのみ。

入ったものに翻弄されることなく、出て行く作業を促そう。
巡る加速度をつけようじゃないか。

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