羽柴弁護士の愛はいろいろと重すぎるので返品したい。
15章:ずっと一緒に(2)
たしかに、先輩との生活にもずいぶん慣れた。
先輩が帰ってくる気配まで感じるようになったのだ。
「おかえりなさい」
「ただいま」
玄関で先輩を迎えると、帰ってきた先輩は必ずと言っていいほど、私を見て目を細める。
「なんですか……?」
「やっぱりみゆが迎えてくれるのって最高だなぁって思っただけ」
そして絶対にそういうことを言うのだ。
先輩は私をそのまま抱きしめると、仕事に行く前もしたくせにそのままキスを交わす。
ちゅ、ちゅ、と軽いキスのあと、唇が離れて、それが少し名残惜しくなっていると、絶対に次に濃いキスが振ってくる。
「みゆ……大好き」
そのまま手が背中に入って優しく撫でて、唇が耳朶に落ちたと思ったら甘噛みされる。その熱に浮かされそうになると、私は慌てて意識を引き戻した。
「あ、の……先輩! 今日こそ先にご飯たべませんか!」
「うーん……そうだねぇ……」
そう言いつつ、先輩はそのままキスを首筋に落とす。
私が先輩を押すと、先輩はその手も掴んでそこにまたキスを落とした。
「わかったよ。そうだね。ここ連日、先にいろいろしちゃって、ご飯のタイミング逃してたもんね」
そう言われて、頬にキスをされると、そのまま先輩が離れた。
(ちょ、そんな、あからさまなこと言わないでよぅ……!)
本当のことだけど、はっきり言われるとやはり恥ずかしい。別に誰も聞いてないんだけど。
しかもこの先輩はなかなかの性悪で、私が恥ずかしがれば恥ずかしがるほど、そういう事を言う事に最近、私も気づいた。
食事は作れるときは私が作ったり先輩が作ったりしたけど、二人とも仕事で忙しい時は家政婦さんに頼ったり、外に食べにいったりもした。
それは先輩が、家事は絶対にどちらも無理しないほうがいい、と言い張ったからだ。
だから私も自分が作りたいなぁと思うときだけ作るようにしている。
今日は私が早く仕事が切り上げられたので、食事を作った。
シチューとサラダとバゲットと言う何でもない組み合わせだけど、先輩は、おいしい、と何度も言ってくれて、また作ってあげたいなぁと思っていた。
そのとき、ふと、まるで新婚生活みたいだな、と思う。
二人で暮らしていると、そんなことを思うことが増えていた。
食事が終わって一緒に食器を洗い終えると、先輩は待っていたように私を後ろから抱きしめる。そして首元に唇を埋めた。
「みゆ」
「や、お風呂入る」
今日は仕事で外に行ったし、汗もかいた。
ただ、そういうことを正直に言ったとき、この先輩は喜んで、お風呂なんて入んないでいいよ、そのままのみゆがいい、と言ってベッドに私を連れ込んだ過去があるので、私はその理由を告げないでお風呂に入ると言い張ることにしたのだ。
「そうだね、一緒に入るのもいいよね」
「いやぁ!」
私が泣きそうになっているというのに、
「よし、行こう」
と言うと、半ば強引に先輩は私を抱きかかえるようにして、バスルームに連行した。
「何でそうなるの!」
「みゆ気付いてないの?」
「なにがっ!」
「みゆって、本当に嫌な時はわかるんだよ」
「はぁ 勝手に解釈しないでください!」
暴れてみても、先輩は、はは、と笑うだけで、結局先輩のしたいように事は運んだ。
先輩との生活は……なんていうか、いつもドキドキして心臓に悪い。
なのに、ここが居心地悪いなんて思えなくて。むしろ居心地がよくて……先輩と離れたくないって思っているのだから不思議だ……。
バスルームから出て、身体を拭かれ、着替えさせられ、ベッドに横たえられる。
私はのぼせてぼんやりとする頭と目で、先輩を見た。
「はぁ……」
「ごめん、のぼせちゃった? これ飲んで」
「あとでいいです……んんっ……!」
言うより先、口づけられて、そのまま口移しで水を飲まされる。
涙目で先輩を睨むと、
「あとはダメ。みゆ、そのまま寝ちゃうでしょ」
と先輩は優しく私の髪を撫でた。
「だからって口移しで飲まさないでください! もっとのぼせるでしょうが!」
「あはは、ごめん」
先輩は明らかに口先だけで謝ってる気がする。
むぅ、と膨れてみるけど、先輩はそんなこと気にしてないように抱きしめて、優しく背中をなでる。
「もう眠い……です」
「うん。このまま寝たらいいよ」
「先輩……」
眠る前の、まどろんだ意識の中……。
「私、このまま先輩とずっと一緒にいたい」
そうつぶやいたのは、夢だったのか、現実だったのか、
私にはわからなかった。
先輩が帰ってくる気配まで感じるようになったのだ。
「おかえりなさい」
「ただいま」
玄関で先輩を迎えると、帰ってきた先輩は必ずと言っていいほど、私を見て目を細める。
「なんですか……?」
「やっぱりみゆが迎えてくれるのって最高だなぁって思っただけ」
そして絶対にそういうことを言うのだ。
先輩は私をそのまま抱きしめると、仕事に行く前もしたくせにそのままキスを交わす。
ちゅ、ちゅ、と軽いキスのあと、唇が離れて、それが少し名残惜しくなっていると、絶対に次に濃いキスが振ってくる。
「みゆ……大好き」
そのまま手が背中に入って優しく撫でて、唇が耳朶に落ちたと思ったら甘噛みされる。その熱に浮かされそうになると、私は慌てて意識を引き戻した。
「あ、の……先輩! 今日こそ先にご飯たべませんか!」
「うーん……そうだねぇ……」
そう言いつつ、先輩はそのままキスを首筋に落とす。
私が先輩を押すと、先輩はその手も掴んでそこにまたキスを落とした。
「わかったよ。そうだね。ここ連日、先にいろいろしちゃって、ご飯のタイミング逃してたもんね」
そう言われて、頬にキスをされると、そのまま先輩が離れた。
(ちょ、そんな、あからさまなこと言わないでよぅ……!)
本当のことだけど、はっきり言われるとやはり恥ずかしい。別に誰も聞いてないんだけど。
しかもこの先輩はなかなかの性悪で、私が恥ずかしがれば恥ずかしがるほど、そういう事を言う事に最近、私も気づいた。
食事は作れるときは私が作ったり先輩が作ったりしたけど、二人とも仕事で忙しい時は家政婦さんに頼ったり、外に食べにいったりもした。
それは先輩が、家事は絶対にどちらも無理しないほうがいい、と言い張ったからだ。
だから私も自分が作りたいなぁと思うときだけ作るようにしている。
今日は私が早く仕事が切り上げられたので、食事を作った。
シチューとサラダとバゲットと言う何でもない組み合わせだけど、先輩は、おいしい、と何度も言ってくれて、また作ってあげたいなぁと思っていた。
そのとき、ふと、まるで新婚生活みたいだな、と思う。
二人で暮らしていると、そんなことを思うことが増えていた。
食事が終わって一緒に食器を洗い終えると、先輩は待っていたように私を後ろから抱きしめる。そして首元に唇を埋めた。
「みゆ」
「や、お風呂入る」
今日は仕事で外に行ったし、汗もかいた。
ただ、そういうことを正直に言ったとき、この先輩は喜んで、お風呂なんて入んないでいいよ、そのままのみゆがいい、と言ってベッドに私を連れ込んだ過去があるので、私はその理由を告げないでお風呂に入ると言い張ることにしたのだ。
「そうだね、一緒に入るのもいいよね」
「いやぁ!」
私が泣きそうになっているというのに、
「よし、行こう」
と言うと、半ば強引に先輩は私を抱きかかえるようにして、バスルームに連行した。
「何でそうなるの!」
「みゆ気付いてないの?」
「なにがっ!」
「みゆって、本当に嫌な時はわかるんだよ」
「はぁ 勝手に解釈しないでください!」
暴れてみても、先輩は、はは、と笑うだけで、結局先輩のしたいように事は運んだ。
先輩との生活は……なんていうか、いつもドキドキして心臓に悪い。
なのに、ここが居心地悪いなんて思えなくて。むしろ居心地がよくて……先輩と離れたくないって思っているのだから不思議だ……。
バスルームから出て、身体を拭かれ、着替えさせられ、ベッドに横たえられる。
私はのぼせてぼんやりとする頭と目で、先輩を見た。
「はぁ……」
「ごめん、のぼせちゃった? これ飲んで」
「あとでいいです……んんっ……!」
言うより先、口づけられて、そのまま口移しで水を飲まされる。
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むぅ、と膨れてみるけど、先輩はそんなこと気にしてないように抱きしめて、優しく背中をなでる。
「もう眠い……です」
「うん。このまま寝たらいいよ」
「先輩……」
眠る前の、まどろんだ意識の中……。
「私、このまま先輩とずっと一緒にいたい」
そうつぶやいたのは、夢だったのか、現実だったのか、
私にはわからなかった。
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