羽柴弁護士の愛はいろいろと重すぎるので返品したい。

泉野あおい

3章:重過ぎるプレゼントと二度目のキス(2)

 家に帰ってみると、父は、今日は泊まり勤務で誰もいなかった。家は真っ暗だ。
 家に入って電気をつけると、古い床だけが、ぎい、と私を出迎えた。

 はぁ、と小さくため息をつき、私は先ほどのことを反芻していた。

 今頃二人はどうしているだろう。どうもこうも、すきなようにやればいいけど……。
 私には関係ないんだから……。


 それにしても先輩、なんであんなとこで、手なんて繋いだのよ……。
 奇妙な告白も相まって、手のぬくもりを思い出すと、私の心臓は限界まで脈打っていた。そのせいで間違いなく変な気分になってくる。

 私はぼんやりとつながれていた手を見る。
 そしてそれを二度見した。

(おい、これ、なんだーーーーーーー!)




 それから数十分後、私はタクシーを飛ばして、先輩のマンションまで来ていた。
 先輩はどうやらあの後そのまま帰ったらしく、先輩がそこを指定したのだ。

 それを聞いて、ちょっとほっとした自分がいるような、やっぱりいないような。

 ちなみに、待ち合わせはカフェとか、店とか、でお願いしますと言ったのだけど、俺も疲れてるからうちに来ないなら別の日に、となぜか強気で言われたので、しぶしぶこちらに来た次第だ。

 何にしてもすぐに帰るので関係ない。


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