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恋の始め方間違えました。

森野きの子

73

「おちょくってんのはどっちよ!? いい加減にしなさいよ!」

「なんだよババアふざけんな! おまえなんか、まこちゃんに貢いで棄てられろ! クソババア!!」

 胸ぐらを掴まれて、高いヒールでバランスを崩して床に尻餅をついてしまった。

「……え。」

「色ボケババアのくせに」

 お恥ずかしながらおっしゃるとおりですけど。いや、そうじゃない。

「今、なんて?」

「まこちゃんは結愛の本命なの! なんであんたみたいなババアにとられなきゃなんないの!?」

「とった? どういうこと? とってないよ? って、まこちゃん? 本命? まこちゃんって、真くん?」

「そうだよ! 初めはまこちゃんにえらそうでムカつくババアをからかってもらうだけだったのに、まこちゃんが、アンタのことイイとか言い出して、結愛だって頑張ってまこちゃんに色々プレゼントしたのに」

 わあああっと結愛ちゃんは泣き出した。

「あーあ。言っちゃった。バカじゃん」

 パーテンションの向こうの喫煙所から、ユカリちゃんが顔を出した。

「アタシは結愛から話聞いてたんだけどー。凛花さんがまこちんに落ちるか賭けてたらしーよ。乃愛と樹里でー。ちな、みんなセフレだってー」

「ユカリ!!」

「いーじゃん。凛花さん今日で辞めちゃうんだし。ちなみにアタシはまこちんとはヤってないよー。どっちかっつーと、まこちんよりシャンパンおじさんのがタイプだし。あ、昨日のめっちゃ喋るパーマの人もよかったなー。凛花さんイイ男揃えてんね?」

 細い煙草を弄ぶように指に挟んでユカリちゃんが笑う。

「あ、よくわからないけど、ありがとう。私も大概だけど、皆でかなり爛れてるのね」

「んー。結構あるよー? ってゆーか、凛花さん、まだまこちんに貢ぐの?」

「結愛ちゃん、真くんの借金知ってる?」

「知ってるし! いくら貢ぐか賭けの設定だし!」

「あ、そうなんだ。結愛ちゃんも言ってることすごく酷いけど、ごめんね。ありがとう。私も人のこと言えないから、素直に受け入れるわ。ただもうこの遊びから降りさせて。お金は返してもらわなくていいから」

「は?」

 私は思わぬ展開に結愛ちゃんの手を握った。

「真くんとお幸せに。結愛ちゃんなら可愛いし、お似合いだわ。じゃあ、ラストにお互い顔腫らして大変だけど、どうせ私は暇だろうから大丈夫。結愛ちゃんは急いで冷やした方がいいよ」

「うるせー! おせっかいババア!」

 と、結愛ちゃんは私の手を振り払って、店の方へ行ってしまった。ユカリちゃんがアハハと笑い出す。

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