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恋の始め方間違えました。

森野きの子

64

「ここ、辞めんの? さっき案内してくれた子が言ってたけど。」

「うん。明日」

「ギリギリだったな。てかさ」

 益子は声を潜めて耳打ちする。

「お前、さっきの子となんかあった?」

「あるわけないじゃん。結愛ちゃんは私が気に入らないみたい」

「阪上がつまんねー事吹き込んだからか? にしてもすっげぇ嫌われてね? なんで?」

「知らないよ。真壁さんフィーバーのせいじゃない?」

「もっと根ぇ深そうな感じだけどな」

 益子とひとしきり飲んで、気づけば阪上は帰っていた。暇だから上がっていいと云われて、益子とラーメン屋に行くことにした。

 近場の深夜営業のラーメン屋に入り、小上がりに座って、おしぼりのビニールを破って手を拭く。

「なんにする?」

「ん。普通のラーメンでいい。織部は?」

 益子は顔と手を拭きながら、壁に貼られた品書きを見て言った。

「私も」

「ちょっと待て。その前に瓶ビールと餃子いこうぜ」

「嘘でしょ? あんた、さっき生ジョッキ五杯と焼酎ロックで四合瓶空けて、ハイボールジョッキで三杯飲んでなかった?」

「いちいち覚えてんのかよ。水分しか摂ってねーだろ。お前、食わねえの?」

「グラス一杯と餃子二個ならいける」

「オッケ。すみませーん」

 益子は瓶ビールと餃子二枚とラーメンを二つ注文すると、手を顎の下で組んだ。

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