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恋の始め方間違えました。

森野きの子

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「おはよう。」

 声をかけると、アイラインの効いたシャープな目元でこちらを一瞥する。

「枕おつかれでーす。男のはしごでバテちゃったんですかー?」

「はしごはしてないけど、一人とならバテるほどしてきた」

「はあ? リアルすぎてキモいんですけど」

「じゃあ訊かなければよかったじゃない」

「相手、シャンパンおじさん?」

 訊くんだ? と思わずつっこんで、呼び方が滑稽で可愛くて思わず噴いてしまった。

「そう。シャンパンおじさん。超ウケる」

「超ウケるとかキャラあってないし。ってか、超バブリー。って感じ。すげーね。」

「すごいよねえ。シャンパンおじさん」

「ちげーし。凛花さんだし。あんだけ男に金出させるとかヤバイって。エッチ超ハードだった?」

「ううん。超優しくしてもらった。」

「えっろ。つーか、あんな彼氏いんのに、いーの? 烏龍茶」

 記号かなにかみたいに呼ぶので、また可笑しくなった。

「うん。まあね」

「男に貢がせて別の男に貢ぐの無駄くない?」

「……そうね。幕切れしなくちゃ」

「むずかしいコトバ使われてもわかんねーし」

「終わらせようと思って。色恋ごっこ」

「え。ケーヤクすんの? それとも結婚?」

「どっちもない」

「えー。イミフ」

「話せてよかった。ありがとう、ユカリちゃん」

「別にいーよ」

 ロングの黒いチャイナ服に着替えて、髪を上げて、アイメイクを濃くした。まだ時間があるので、マネージャーに金曜日までで辞めさせて欲しいと相談すると、じゃあ、給料計算しとくわ。とあっさり返された。おめでとう。と付け加えられ、なんのことかわからなかったけど、勘違いされていることだけは確かだ。

 控え室に戻ると、結愛ちゃんに睨まれた。きっと私がバブリーなのがお気に召さなかったんだろう。

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