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【完結】やりこんだ死にゲーに転生、ただし【モブ】です〜ご存知″フロムハードウェア″の大傑作『フラッドボーン 』に転生した件〜

ノベルバユーザー542862

第19話 王都でやること


王都アステロッサ。

ここは物語の中心地であるバーナムの次に大事なエリアだ。

無数に分岐する物語なので、一概には言えないが、パターンによってはバーナムより王都にいる時間のほうが長くなることもある。

それに、ストーリーミッションのいくつかは、この王都で行われる。
そのため『フラッドボーン』のゲーム中では、何度も行き来することにもなる舞台だ。

「よし」

港に到着するなり、俺はカバンを片手にいち早く船を降りた。

理由は簡単だ。

彼女に見つかってしまったから。

「こらぁあ! 待ちなさいよっ! なんで逃げるのよー?! なにもしないから、待ちなさいって、ねぇってばぁー!」

手をぶんぶん振って可愛く怒るアベル嬢に構わず、俺は港を突っ切る。

後ろから官憲隊が追ってきていたが、これにも関わらない。

彼女には出来るだけ干渉しちゃいけないのだ。

彼女には@ChikubiDaisuki0920といい感じになってもらって、彼のことを助けてもらわないとなんだから。

うん……そうじゃないと、ダメなんだよ。

俺は涙をぬぐいながら、必死に走った。


⌛︎⌛︎⌛︎


しばらく後。

「よく探しなさい! あのエドウィンという銀人を必ず捕まえるのよ!」

甲高く命令をだすアベル嬢の声が聞こえる。

彼女の命令に対し、統率のとれた官憲隊は返事をかえして、石畳みをカツカツ鳴らしながら、たくさんの足音が遠のかせていく。

「行ったか」

俺は身を潜めていた屋台の裏側から、ひょっこり顔を出して表通りをうかがった。

「勘弁してくれよ、兄ちゃん。官憲隊に追われれてるなんて……もしかして、犯罪者かなんかなのか?」

屋台の店主は、眉をひそめて怪訝に聞いてくる。

「いや、犯罪者じゃない。さっきのご令嬢が俺にお礼がしたいらしくてな」
「あんな美人な令嬢なら、逃げることには思えんがね」
「まあ、普通はな。…………俺は銀人だ。いろいろ、あるんだよ」
「っ、遥か東の辺鄙な医療の街……。そこに、血塗れの呪われた役職があるっていうが……あんたはそこの出身ってわけかい」

店主の声が低くなる。

俺がバーナムの魔獣狩りの者とわかるなり、態度が急変した。

当然か。

『フラッドボーン』のなかでもそうだったが、基本的に銀人というのは好まれる存在じゃない。

『魔獣狩りの夜』に分厚い刃と、銃をもって、夜明けまで魔獣を追いまわして、街を死者であふれさせるのが仕事だからな。

朝日が昇る頃。
家にこもっていた市民が顔をだすと、そこには血に濡れた銀人の姿がある。

かつての時代。
最初期の銀人『聖剣のラダウィーク』がバーナム市民のなかから銀人を集い、魔獣狩りをはじめた頃は、『銀人』を英雄としてあつかった時代もあったようだが、それも『フラッドボーン』のゲーム内だと、遠い過去の出来事とされている。

「悪いが、店に近寄らんでくれ。……けがれちまう」
「……」

店主は顔をそむけて言った。

俺はそれを受け、黙って露店をあとにする。

仕方のないことだ。
銀人には深く関わりたくない。
これはバーナムの中でも、外でも共通の認識なのだから。


⌛︎⌛︎⌛︎


露店街をぬけて、宿へとやってきた。

決して高くはない質素な宿だ。

お金はエドウィン青年の意外に蓄えていた貯金から、なるべく出すようにしてるが、ミスター・クラフトからもらったお金も使わざるおえない。

ただ、出来るだけ出費はおさえる。

俺はこれでも社会人24年目。
自分の生活費は、なるべく自分でまかないたいのだ。

俺は宿にカバンを置いて、王都に滞在する4日のスケジュールを確認する。

王都アステロッサにいる間にやらないといけないことは5つある。

ひとつ目はアベル嬢の命を助けること。
実は彼女、まだ死ぬ可能性が残っている。

ここまで来たのだから、絶対に生き残ってもらわないと困る。

ふたつ目は、助けたアベル嬢から″武器″を受け取ること。
彼女は貴族、それもバーナムの『水』と深い関わりのある″水の貴族″なので、あの街から王都へ避難したさいに、ある種の武器を持ってきたはずなのだ。

俺の戦力を増すためにも、ソレはここで手に入れておいた方がいい。

みっつ目は、@ChikubiDaisuki0920がのために、アイテムを手に入れて供給すること。
バーナムにいるうちは、アイテムの購入数に上限があるので、過去の俺であるヤツならば、間違いなく『水血液』も『水銀弾』も枯渇して苦しんでいる。
王都アステロッサにはじめて来た時は、闇のブローカーから購入できるアイテムの上限がバーナムの3倍以上あって大喜びしたものだ。

ただし、物価が10倍だったので、ほとんど購入できず苦しい思いをしたが。
そして、そのせいで死にまくった。
これを回避するために、クソ雑魚プレイヤーである@ChikubiDaisuki0920には、十分なアイテムが必要なのだ。

よっつ目。
これは後のストーリーミッションのための布石だ。
王城に忍びこんで、あることをすると、中盤のボスをここで叩いておける。
そうすると、あとで戦うときに、ボスのHPが半分の状態からスタートできる。

クソ雑魚な@ChikubiDaisuki0920には、必須となる処置である。

「さてと。やることが多いな。だけど、全部こなさないと『バーナムの夜明け』にはたどり着けない。気合入れていくぞ」

俺はスケジュール表を確認し終えて、宿屋をでた。

まずは、王都アステロッサが『フラッドボーン』のなかと、変わりないかを確認する。

そして、やることの5つ目だ。

王都に潜む魔獣を殺してアイテム『水の意志』を回収すること。

『平穏』フェイズ中に入手可能な経験値源。

ほかにもサイドミッションとかバンバンこなしたり、ミニゲームや、建築とかして経験値を稼げるプレイヤーにとっては、ごくわずかな、雀の涙ほどのボーナスだが、モブキャラである俺にとっては、かけがえの無い経験値リソースだ。

あのクソ雑魚プレイヤーに取られるまえに、俺が取得しておかなければならない。

「行くか」

俺は『魔獣狩りの短銃』を6丁装備して、宿屋をあとにした。

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