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虐げられてきた俺、実は世界最強の【剣豪】だったらしい〜『防御力無視の刀』で無双旅〜

ノベルバユーザー542862

第10話 到着、チタン村


ーー翌日

昨晩、ゴブリン&リジェネ・オーガの一団を退けたサムスたちは、この日朝早くから移動を開始していた。

サムスは地図を確認する。
もうじきアイアン村に着くためだ。

チタン村は、アイアン村の手前の道で分かれて、さらに″別世界領域″に近づくことで辿り着ける。

「この腕ってアルカディアでくっつけたの?」

サムスのとなりを歩くピジョットは、興味津々で彼の右腕をつつく。

本物のガーディアンと認めてからというもの、ピジョットはサムスの事が気になって仕方がなかった。

特に機械パーツの隙間のサイバネティックなブルーライトが美しい、黒くてツヤツヤした右腕の事はずーっと、ずーっと質問してどうしても知りたがった。

当然のように、サムスは鬱陶うっとおしがった。

「言いたくない」
「えー、ちょっとくらい教えてくれてもいいのになー」
「金貨50枚で教えてやる」
「ケチッ、どケチッ! けちけちガーディアン!」

ピジョットは駄々をこねるかのように、サムスの左腕にしがみつく。

押し当てられるピジョットの薄い胸にギョッとして、サムスはそそくさと馬車の反対側へ逃げた。

この二日間くりかえしてるルーティンだ。

「やあ、サムス。我が話し相手になろうか?」

馬車の反対側へいくと、必ず筋肉野郎バッグズがサムスに話しかけるのもお約束だ。

「いい。黙って護衛しとけ」

サムスは見向きもせず、ただ地図を眺める。

「はぁ、これは手厳しい。でも、我って意外にこういう興味は我慢できないんだよね」
「わふゥ」
「どうして、チタン村へ行こうと?」
「あんたも質問攻めか。『闇夜の鴉』は詮索が大好きなやつが多い」
「それほどでも♪」
「褒めてない」

サムスの両サイドは、厄介な奴らにはさまれていた。

「少しくらい、いいじゃないか。我らって夜営した中なんだし」
「そうそうー! あたしって結構、美少女だし、こんなに熱心に話しかけてもらえる事もうないかもなんだからね! 本当、大事にしてほしいなー!」

「はあ……」

サムスはわざとらしくため息をつく。

が、そんなモノで彼らを追い払えるわけもない。

「……ガーディアンになる為に、ずっと昔に故郷を出たんだ。これは戦争終結してから初めての帰郷だ。知り合いが……たぶん、待ってるんだ。チタン村で」

「え? 終結してから一度も帰ってないの?」
「どうしてなのだ?」

「いろいろあるんだ。ガーディアンだからな」

「あ、誤魔化した。けちけち反応アリ!」

ピジョットがまたしても騒がしくなり始めた。

「ふむ。では、その待たせているという知り合いに会えるといいな、サムス」

バッグズは顎をしごき、胸筋をピクつかせてエールを送った。

サムスはただ一言「ああ」と答えた。



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「ここで、お別れなんですね」
サムスは馬車から馬を外しながら「ああ」と一言だけ答える。

馬は、報酬を払えないリットンが提示した担保だ。

サムスは馬にまたがる。

貴族として乗馬はたしなんでいたので、問題なく乗ることは出来た。

もっとも、今となってはこの記憶がホンモノかどうか、サムスには明言する事はできないが。

「ねーねー、最後にその腕とか機械鞘とか刀とか、いろいろ教えてくれてもいいんだよー?」
「断る。金貨50枚持ってきたら教えてやるって言ってるだろ」
「むぅーっ!」

ピジョットはむすっとして「もういいよ!」と拗ねてしまった。

「ありがとうございました、サムスさん。リジェネ・オーガの一団が出たときは、本当にどうなるものかと……とはいえ、お互い無事に目的地にたどり着けそうで何よりです」
「ああ。そっちも残りの道程、油断するなよ」

サムスはアンガスに薄く微笑み、彼らへ背を向けて馬を走らせ始めた。

「ガーディアン、行っちゃったぁ……」

セーラは寂しそうにつぶやく。

「僕の馬が……しくっ」
「まあまあ、もうアイアン村も近いですし、新しい子が手に入りますよ。さっ、それじゃ俺たちもさっさとクエスト完了しちまおうぜ」


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リットン護衛『闇夜の鴉』一行とわかれたサムスは、馬の足で軽快に目的地へとむかっていた。

「わふゥ」
「落ちるぞ」

落馬しそうになるルゥを懐にしまいこむ。

サムスは新緑のなかを走りながら考えていた。

あの少女は俺を覚えているのだろうか。
俺はあの少女を思いだせるだろうか。
チタン村は俺の本当の故郷なのか。

サムスは考えていた。

「わふゥ!」
「森を…抜ける」

目の前の光。
白びかりして明暗のギャップに見づらい向こう側。

ここを抜ければチタン村だ。

サムスは明るさに目をぎゅっと細めながら、ついには森を抜けた。

真上にのぼった太陽のひかりに、目を慣らしていく。

「……っ」
「わふゥ?」

サムスの視界は良好だ。
だが、サムスは唖然として、一歩も動くことが出来なかった。

サムスの見た光景。

それは、真っ黒になって″燃え尽きた村″であった。

あの黒煙の臭いがしてきそうなほど、壮絶に燃えたことがわかる風景。

「……」

サムスは冷静に現実を受け止めながら、馬を前へ進ませる。

どうしてだろうか。
サムスには何となく″こんな事だろう″という予感のようなものがあった。ゆえに取り乱さなかった。

廃村のなかを移動してみると、家屋のひとつも無事なものがなく、ここには人の気配がないことがわかる。

馬を降りて、適当な焼け跡を調べる。

サムスは膝を降り、朽ちた家の床に新しい雑草が生えているのを発見した。

「チタン村が燃え尽きてから、時間が経っている」

サムスはもっと焼け跡を調べてまわることにした。

──しばらく後

調査を開始して数十分後。

「っ」

燃え尽きた家屋のひとつを見た瞬間。

サムスの脳裏をあの鋭い痛みが襲ってきた。

フラッシュバックされるビジョンは、轟々と燃えあがる火炎の柱だ。

否、それはを描くがごとく、すべてをつつみこむような炎の壁だった。

村からひとりも逃がさないような死の壁だ。

「ぁ、ぐぅあ!」

以前よりも強烈な頭痛に、サムスは地面に膝をつく。

《勝利のために喜んで死ぬがいい》
《わたしは、許さない……! 絶対に…!》

チカチカと切り替わる視界のなか、黄金の槍をもった、金髪長髪の背の高い男が立っている。

──その男は高らかな笑い声をあげていた。

「はあ、はぁ、はぁ」

フラッシュバックがおさまり、サムスはふらふらしながら立ちあがる。

「奴は……………そう、グリフィン……」

サムスは思い出した。
『栄光のガーディアン』と呼ばれた、あの男がチタン村を滅ぼしたことを思い出した。

「そうだ、俺は裏切り者のあのガーディアンと、ここで戦い……そして、勝利をもぎ取った」

サムスの記憶はまだ判然としない。

だが、忘れてはいけない裏切り者の事は完全に思い出せていた。

「グリフィン、そうだ。あいつが俺の村を……っ、それじゃ、ほかの村民はどこへ?」

サムスの脳裏をあの少女の顔がよぎる。

もしかして死んでしまっているのか。
俺が探しているのは亡霊の影なのか。
俺の記憶はここで終わりなのか。

サムスは途方に暮れた。

その時だった。

「もしもし、そこの若いの」
「っ」

サムスは背後から声をかけられた。


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