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【完結】努力の怪物が指パッチンを極めたら世界最強に〜スキル【収納】の発動を指パッチンに″限定″したら無限の可能性が待っていた〜

ノベルバユーザー542862

第93話 異端者たちの救世 前編


天高くのぼった光の下。
マックスは山のように重なった大蛇のうえで、片膝をつくオーウェンを発見した。

「マックス、死ぬかと思った……どこ行ってたんだ……」

オーウェンの死んだ魚のような眼差しが、マックスを非難的に見つめる。

「いや、オーウェン、俺も死ぬかと思った……というか、絶対に俺のほうが厳しい敵だったって」
「いいや、マックス。お前はこの大蛇の強さを知らない。見ろ、この数を俺ひとりで倒したんだぞ?」
「いや、たしかに凄いけど」

マックスは足元に100メートルくらいの高さで積み上がる大蛇の山を見て言った。

「と、マックス、お互いに苦労自慢してる場合じゃなさそうだ」
「だな、オーウェン。……アレなに?」

マックスはオーウェンが何かミスったせいで、天空に『神々しい天使』が降臨してるのだと考えた。

「マックス、俺をそんな目で見るな。魔女がシュミーを吸収しているところを、俺ひとりで止められるわけがないだろ」
「オーウェンなら斬撃くらい飛ばせるんだろ? それで何とかならないのかよ」
「飛ばせる。だが、それだけで止められれば苦労はない」

オーウェンと言い合いしていると、何やら白い怪物が走ってくるのが見えた。
マックスが吸血鬼に遊ばれてる間に、シュミーをさらっていった奴だ。
その怪物はみるみるうちに透明になると、景色に溶けこんだ。
だが、視認可能な状態のときの行動から、明らかにマックスとオーウェンを狙っているのは、本人たちにもわかっている。

「白ポルタだ。伝説と言われるポルタの中でも最上位の亜種」
「流石に『巨木葬』でなんとかなるよな?」

マックスは恐る恐る、気配がする地面を必殺技で爆破する。
数十メートル級のクレーターができて、そこに肉塊となった白ポルタらしき生物の残骸があることを確認した。

「マックス、お前の攻撃で死なない生物はいない」
「……うん、そうだよな。よかったよ、自信取り戻せた」

直前にあった意味不明の最強生物のせいで喪失していた自信を、マックスは取り戻す。

「で、あの頭のうえにハイロゥ──天使の輪──が出来てるのどうすればいいんだ?」
「俺が斬る」

オーウェンは大蛇の山のうえで、あぐらをかいて座る。

「あれの起動まで少し時間がかかるようだ」
「すぐには襲ってこない、か。……で、明言してないけど、あれは女神ソフレトと女神シュミーを吸収した魔女の姿ってことでいいんだよな?」
「端的に言うと、そうだ」

マックスはため息をついた。
ああ、結局だめだったのか、と。

「ん、なんか、天使が動きだしてないか?」
「どうやら、魔女が起動したらしい」
「……早くない?」

マックスは、ハイロゥがみるみる内に空を覆い尽くすほど大きくなっていくのを見た。
天使を見上げて、絶望にくれる。
そして、試しに『巨木葬』を打ち込んでみることにした。
しかし、天使のまえには凄まじいエネルギーのバリアらしき物が展開されており、マックスの十八番でも傷つける事すら叶わない。

「『経験値バースト』を使う。マックス、時間を稼いでくれ」
「ぇ、ぇ? オーウェン、なんか飛んできた!」

座禅して集中しはじめたオーウェンとマックスのもとへ、ハイロゥの中心から謎の飛行生物がやってくる。
マックスは指を鳴らして、それらを撃ち落とす。
幸いにもマックスの火力で十二分に殺せる耐久力であった。

勢いよくマックスとオーウェンに向かってきていた謎の飛行物体たちが、2人を取り囲むようにして空中で静止する。

「終末装置の我らを容易く屠るとは、貴様、何者だ」

良くみたらヒト型のそいつら。
マックスは話ができると思い、希望をいだいた。

「おい! 頼むからそんな審判の日みたいなことしないでくれよ! こんなことして何が目的なんだよ!」
「地上から人間を一掃する。そして、すべての魂を神のもとに還元する。久方ぶりにお隠れになった神が戻ってきたのだ。この命、使わないでいて何が聖界使徒か!」
「いやいや、たぶん、あんた達の主人絶対に人違いだぜ? ちょっとうえに戻って、ちゃんと顔見てこいよ。幼女になってるから」
「人間風情が。神を愚弄するか! 幼女最高!」

空を飛ぶ自称:使徒たちは、手のなかに雷の槍を生成していっせいに振りかぶった。

「それ当たったら俺たちどうなりますか、使徒さん?」
「『聖界の光槍』だ。この世界でもっとも速く神の敵を打ち滅ぼす」
「つまり、死ぬと? 光と同じ速さの槍に貫かれて?」
「そうだ、人間。太古に存在したどんな英雄も、この神罰の槍から逃れた者はいない。いさぎよく諦めるがいい」

無理じゃん。
マックスは視界を埋め尽くす、数百もの使徒全てが『聖域の光槍』とやらを構えていることを見て、詰んでいることをさとる。
マックスの指パッチンは、光とわりといい勝負をするが、それでも光の速さにはいま一歩届かない。
それが、使徒の数だけ一斉に飛んでくるなど、なんの冗談だと馬鹿笑いしたくなる。

「マックス──限定解除だ」
「……!」

座禅組んで何かの準備中のオーウェンが、かすかな声でささやいた。

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