魔界の天使アルトラの国造り奮闘譚
第290話 脱走と保釈、二種類の亡者と呪いを解けるかもしれない魔道具
「ところでさ、リディアの希望でアニメと特撮しか見てないけど、クリューは楽しめてるの?」
「ええ、楽しいですよ。それにたまに見る時代劇も面白いです」
そう、この世界には無い侍文化だが、リディアはなぜか時代劇も楽しめるみたいだ。
アニメ以外に何か無いか聞かれた時に、ニュース、ドラマ、バラエティ、ワイドショー、時代劇と一通り見せた時に新しい扉を開けてしまったらしい。
町民が着ているものがリディアには奇抜に映ったらしく、興味が出てしまったようだ。
今は週一くらいの割合で『水戸の黄門様』か『暴れん坊将軍家』か『近山の銀さん』を見ている。『必殺作業人』は中二病を誘発するカッコイイポーズがあるため普段の振舞いに影響しそうと考え、見せるのを思い留まった。
近い将来、ポリピュアのごっこ遊びの次は、侍のごっこ遊びがブームになるかもしれない。
「魔界に侍文化無いでしょ? それでも面白いの?」
「侍文化はありませんが、侍はいますよ?」
「えっ!? ホントに!?」
「まあ、お侍さんは人殺してる率が現代人より高いためか、地獄行きの方はそれなりの人数いますので」
あ~、殺人の定義の問題か。
地球で、例えば戦国時代なら、敵を沢山殺した武将は英雄として祀り上げられるけど、現代の感覚で言えばただの大量殺人者ってことになる。
この定義は時代の移り変わりで変わって行ったもの。
しかし、そんなことは関係ない死後の世界の定義で殺人が悪いことの頂点と考えられてるとしたなら、地獄で亡者やってる侍はそれなりに居ることになるわけだ。
まあ、これと死ぬまでその者が行った善行とを秤にかけられて、地獄に来ていない侍も沢山いるのだろう。例えば民衆を困らせる悪を裁いた人とか。守るためにやむを得ず命を奪うことになってしまった人とか。
ここら辺は、私は神様ではないから考えても正解には辿り着かないが、少なくとも人殺しが悪いことには違いないからね。
侍の時代からもう何百年も経ってるから脱走してる人もいるかもしれないし。
「刀だってありますよ。村正って人が作る刀は他とは一線を画すとか」
「えっ!? あの有名な妖刀作った人!? 魔界にいるの!?」
「ええ、とある島国に隠れ住んでるそうです。魔力の存在しない地球で魔道具を作った類まれな人物ですね。噂によれば妖刀だけじゃなくて、斬魔の刀も作ってるらしく、身体を一切傷付けず呪いだけを切り裂く刀もあるとかなんとか」
「それホント!?」
「え、ええ、彼担当の死神から聞き及んだ程度なので、詳しいことまでは分かりませんけど……」
それが本当なら、私にかかっている呪い染みたスキル (『蘇生耐性Lv10』、『自動転生 (無効化中)』、『冥獄の枷《かせ》』も切り裂いてくれるかもしれない! 
「ええ、楽しいですよ。それにたまに見る時代劇も面白いです」
そう、この世界には無い侍文化だが、リディアはなぜか時代劇も楽しめるみたいだ。
アニメ以外に何か無いか聞かれた時に、ニュース、ドラマ、バラエティ、ワイドショー、時代劇と一通り見せた時に新しい扉を開けてしまったらしい。
町民が着ているものがリディアには奇抜に映ったらしく、興味が出てしまったようだ。
今は週一くらいの割合で『水戸の黄門様』か『暴れん坊将軍家』か『近山の銀さん』を見ている。『必殺作業人』は中二病を誘発するカッコイイポーズがあるため普段の振舞いに影響しそうと考え、見せるのを思い留まった。
近い将来、ポリピュアのごっこ遊びの次は、侍のごっこ遊びがブームになるかもしれない。
「魔界に侍文化無いでしょ? それでも面白いの?」
「侍文化はありませんが、侍はいますよ?」
「えっ!? ホントに!?」
「まあ、お侍さんは人殺してる率が現代人より高いためか、地獄行きの方はそれなりの人数いますので」
あ~、殺人の定義の問題か。
地球で、例えば戦国時代なら、敵を沢山殺した武将は英雄として祀り上げられるけど、現代の感覚で言えばただの大量殺人者ってことになる。
この定義は時代の移り変わりで変わって行ったもの。
しかし、そんなことは関係ない死後の世界の定義で殺人が悪いことの頂点と考えられてるとしたなら、地獄で亡者やってる侍はそれなりに居ることになるわけだ。
まあ、これと死ぬまでその者が行った善行とを秤にかけられて、地獄に来ていない侍も沢山いるのだろう。例えば民衆を困らせる悪を裁いた人とか。守るためにやむを得ず命を奪うことになってしまった人とか。
ここら辺は、私は神様ではないから考えても正解には辿り着かないが、少なくとも人殺しが悪いことには違いないからね。
侍の時代からもう何百年も経ってるから脱走してる人もいるかもしれないし。
「刀だってありますよ。村正って人が作る刀は他とは一線を画すとか」
「えっ!? あの有名な妖刀作った人!? 魔界にいるの!?」
「ええ、とある島国に隠れ住んでるそうです。魔力の存在しない地球で魔道具を作った類まれな人物ですね。噂によれば妖刀だけじゃなくて、斬魔の刀も作ってるらしく、身体を一切傷付けず呪いだけを切り裂く刀もあるとかなんとか」
「それホント!?」
「え、ええ、彼担当の死神から聞き及んだ程度なので、詳しいことまでは分かりませんけど……」
それが本当なら、私にかかっている呪い染みたスキル (『蘇生耐性Lv10』、『自動転生 (無効化中)』、『冥獄の枷《かせ》』も切り裂いてくれるかもしれない! 
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