魔界の天使アルトラの国造り奮闘譚
第32話 三兄弟かと思ってたら七兄弟だった!!
さて、石化したトロル三人を起こすか。
「全体的石化解除」
トロルたちにかけられた石化が解けていく。
「ここは? オデなにしてただ?」
「なんもおぼえてねぇ……」
「なんか空があかるくなってんな」
石化してても生きてたようね。粉砕されてなくて良かったね。
「お、うまそうな人間発見!」
「しかもめずらしい子供だべ」
私の方を見てそう呟いた。
「いただきま~す」
ああ……しばらく振りだから忘れてたわ……トロルって元々この程度の思考能力だったんだっけ……
襲ってきた三人を軽く叩きのめした。
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
「ごめんなさいでした!」
三人に正座させた。
一応何しに来ていたか聞いておくか。
「で、三人は何でこんなところにいたの?」
「村ののみ水なくなったからここにくみに来ただよ」
「ついでにご飯を作るのにつかう木も取りに来ただ」
まあそういう理由でしょうね。川を繋げるための様子見に来ただけだったけど、どうせ集落に戻らないといけないし連れてくか。
その前に、
「全体的永久的遺伝的知性上昇 (大)」
これで知性が上がって会話し易くなるはず。
「おぉ!? 何だこれは! 今までにないほど頭が軽い!」
みんなこのリアクションするな……
「あなた様は一体!?」
「私はアルトラと言います。今はあなたたちの村の領主を任されています」
「領主様……村に領主様がいるというのは聞き覚えがありませんが、しかもあなたのような異種族に……あ、失礼しました」
「最近就任しました」
「しかし、一体何のメリットがあって俺たちを助けてくれるんスか? しかもあんたを食べようとした俺たちを」
「困ってる人を助けるのに理由なんてありません。私の心の平穏のためにも私の見える範囲だけでも、苦しんでいる人が少なくなるように行動しています。もちろん自分に降りかかる火の粉は払いますけど、さっきみたいに……」
「さっきはすいません……」
「悪かったッス……」
一人、さっきから全くしゃべらない人がいるけど……もしかして、知性上昇に失敗してる?
「あの……その方はなぜしゃべらないんですか?」
「ああ、コイツは昔から無口なもので」
「さっき、あなたたちに知性を上げる魔法を使ったんですが、その方もちゃんとかかっているのでしょうか?」
「………………」
反応無いな……いや! 右手をよく見たら指でサイン送ってた! グッドのサイン。わかりにくいな!
一応全員にかかってるみたいだ。
それにしても、元々無口な人は知性が上がったからってしゃべるようになるとは限らないのね。
「それで、あなたたち名前は何て言うの?」
「ゴトスです」
「ナナトスッス、よろ!」
「…………ロクトス」
マジか……こいつらまさか塩作り三兄弟のそのまた兄弟?
「もしかして、イチトスの兄弟?」
「兄を知っているんですか!?」
「ええ……まあ……お世話になりましたよ、あなたたちのお兄さん方には」
塩の時とか集落水没の時とかね……彼らがいなかったら被害はもっと甚大だった……
ん? ちょっと待って、ここにいるのはゴトスからってことは……ヨントスは?
「ヨントスっていないの?」
「もう一人がヨントスって、よくわかったッスね!」
「私たちと一緒に来たはずですが……」
ああ、やっぱり四男はヨントスなんだね。まあ、あなたたちの名前1、2、3、4、5、6、7だからね……
一人だけいないってことは命からがら逃げたってことかな?
でも、集落で石化させる魔物の話は聞いていない。
この川の流域広そうだから、彼らが行方不明になった後にカトブレパスに遭遇した人はいないのかもしれない。
「でも村にもヨントスって人いなかったけど?」
「そんなはずは……一旦村に戻りましょう!」
ってことは、ヨントスもどこかに行っちゃってるってことか。
状況から考えると逃げてる間に石化させられて、別のところに放置されてるって感じかな。
とりあえず集落に戻ろうと歩きだす三人。
「ああ、そっち行かなくて良いから」
三人同時に振り返った。何言ってるんだコイツって表情で見られた。
「でも村に戻る方角はあっちッスよ?」
空間魔法でトロル集落へのゼロ距離ゲートを開く。今後は略してゲートと呼ぶようにしよう。
「な、何ですかそれ!?」
「ここ入ったら、もう集落の前だから、ささ、どうぞ」
三人とも凄く不安な顔をしている。私が先に通るか。
「じゃあ、私が先に行くので付いて来てください」
「………………どうする?」
「何か……入りにくい穴ッスね……」
「…………じゃあ俺が先に行くよ」
「ロクトス!? どうなるかわかりませんよ!?」
「…………悪い人には見えない。信用してみようと思う」
「無理にとは言わないので、お二人は不安ならそこから歩いて来ても良いですよ。4時間かかるって聞いてますけど」
ちょっと言い方が意地悪だったかな?
最近はあのでかいブタも村の付近に出没するようになったらしいし、危険度が上がってるみたいだから出来れば付いて来てもらいたいところだけど……
「わ、わかりました、私たちも行きます」
数字兄弟再び! と思ったらまさかの七人兄弟!
しかし、四人目が不在、どこへ行ってしまったのか!?
次回は8月23日の20時頃の投稿を予定しています。
第33話【四男捜索班編成】
「全体的石化解除」
トロルたちにかけられた石化が解けていく。
「ここは? オデなにしてただ?」
「なんもおぼえてねぇ……」
「なんか空があかるくなってんな」
石化してても生きてたようね。粉砕されてなくて良かったね。
「お、うまそうな人間発見!」
「しかもめずらしい子供だべ」
私の方を見てそう呟いた。
「いただきま~す」
ああ……しばらく振りだから忘れてたわ……トロルって元々この程度の思考能力だったんだっけ……
襲ってきた三人を軽く叩きのめした。
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
「ごめんなさいでした!」
三人に正座させた。
一応何しに来ていたか聞いておくか。
「で、三人は何でこんなところにいたの?」
「村ののみ水なくなったからここにくみに来ただよ」
「ついでにご飯を作るのにつかう木も取りに来ただ」
まあそういう理由でしょうね。川を繋げるための様子見に来ただけだったけど、どうせ集落に戻らないといけないし連れてくか。
その前に、
「全体的永久的遺伝的知性上昇 (大)」
これで知性が上がって会話し易くなるはず。
「おぉ!? 何だこれは! 今までにないほど頭が軽い!」
みんなこのリアクションするな……
「あなた様は一体!?」
「私はアルトラと言います。今はあなたたちの村の領主を任されています」
「領主様……村に領主様がいるというのは聞き覚えがありませんが、しかもあなたのような異種族に……あ、失礼しました」
「最近就任しました」
「しかし、一体何のメリットがあって俺たちを助けてくれるんスか? しかもあんたを食べようとした俺たちを」
「困ってる人を助けるのに理由なんてありません。私の心の平穏のためにも私の見える範囲だけでも、苦しんでいる人が少なくなるように行動しています。もちろん自分に降りかかる火の粉は払いますけど、さっきみたいに……」
「さっきはすいません……」
「悪かったッス……」
一人、さっきから全くしゃべらない人がいるけど……もしかして、知性上昇に失敗してる?
「あの……その方はなぜしゃべらないんですか?」
「ああ、コイツは昔から無口なもので」
「さっき、あなたたちに知性を上げる魔法を使ったんですが、その方もちゃんとかかっているのでしょうか?」
「………………」
反応無いな……いや! 右手をよく見たら指でサイン送ってた! グッドのサイン。わかりにくいな!
一応全員にかかってるみたいだ。
それにしても、元々無口な人は知性が上がったからってしゃべるようになるとは限らないのね。
「それで、あなたたち名前は何て言うの?」
「ゴトスです」
「ナナトスッス、よろ!」
「…………ロクトス」
マジか……こいつらまさか塩作り三兄弟のそのまた兄弟?
「もしかして、イチトスの兄弟?」
「兄を知っているんですか!?」
「ええ……まあ……お世話になりましたよ、あなたたちのお兄さん方には」
塩の時とか集落水没の時とかね……彼らがいなかったら被害はもっと甚大だった……
ん? ちょっと待って、ここにいるのはゴトスからってことは……ヨントスは?
「ヨントスっていないの?」
「もう一人がヨントスって、よくわかったッスね!」
「私たちと一緒に来たはずですが……」
ああ、やっぱり四男はヨントスなんだね。まあ、あなたたちの名前1、2、3、4、5、6、7だからね……
一人だけいないってことは命からがら逃げたってことかな?
でも、集落で石化させる魔物の話は聞いていない。
この川の流域広そうだから、彼らが行方不明になった後にカトブレパスに遭遇した人はいないのかもしれない。
「でも村にもヨントスって人いなかったけど?」
「そんなはずは……一旦村に戻りましょう!」
ってことは、ヨントスもどこかに行っちゃってるってことか。
状況から考えると逃げてる間に石化させられて、別のところに放置されてるって感じかな。
とりあえず集落に戻ろうと歩きだす三人。
「ああ、そっち行かなくて良いから」
三人同時に振り返った。何言ってるんだコイツって表情で見られた。
「でも村に戻る方角はあっちッスよ?」
空間魔法でトロル集落へのゼロ距離ゲートを開く。今後は略してゲートと呼ぶようにしよう。
「な、何ですかそれ!?」
「ここ入ったら、もう集落の前だから、ささ、どうぞ」
三人とも凄く不安な顔をしている。私が先に通るか。
「じゃあ、私が先に行くので付いて来てください」
「………………どうする?」
「何か……入りにくい穴ッスね……」
「…………じゃあ俺が先に行くよ」
「ロクトス!? どうなるかわかりませんよ!?」
「…………悪い人には見えない。信用してみようと思う」
「無理にとは言わないので、お二人は不安ならそこから歩いて来ても良いですよ。4時間かかるって聞いてますけど」
ちょっと言い方が意地悪だったかな?
最近はあのでかいブタも村の付近に出没するようになったらしいし、危険度が上がってるみたいだから出来れば付いて来てもらいたいところだけど……
「わ、わかりました、私たちも行きます」
数字兄弟再び! と思ったらまさかの七人兄弟!
しかし、四人目が不在、どこへ行ってしまったのか!?
次回は8月23日の20時頃の投稿を予定しています。
第33話【四男捜索班編成】
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