魔王に転生したら勇者に殺される運命だった話

僕ちゃん

14話 本当の英雄

 「おけよろー!!」

 ジャックは気楽に答えながら手を銃の形にし人差し指で自身の長髪をかきあげる。

「《視覚強化》」 「《威力UP》」
「《魔弾生成》」 「《貫通UP》」
「《一点集中》」 「《空気遮断》」
「《初速UP》」  「《貫通超UP》」
「《無音付与》」 「《視覚無効》」
「《命中補正》」 「《特性付与》」

 そのまま何か早口で唱える...ブーン ジャックの体の前にエネルギーの弾が生成された。

「まー君、光属性ちょーだい。」 

 そーいって僕の方に手を向ける...まー君?あっ、魔王だから ま お う だから#魔ー君__まー君__#?まー何でもいいけど...とりあえず光属性を付与してあげる。

 「ありがと」

 返事するとすぐに ドゥーーン 重く小さな音と共に敵の幹部の頭が撃ち抜かれた... ドゥーーン ドゥーーン さらに2回同じ音が響く...バサッ 敵の幹部がさらに3人倒れた、、全て頭を一発だ。一発で2人撃ち抜いているものもある。

 僕はただ呆気に取られた ...確かに僕でもアランでも敵の幹部を倒すのは余裕だ。でも...こんなスマートに一瞬で倒すのは無理だ。アランはできるかもだけど...

「ばくあげズドーン」

 ジャックは何かギリギリ聞こえないぐらいの声で呟き...さらに3発打つ。ドゥーーン ドゥーーン 、、、

「さげーー」

 またなにやら呟く。最後の一発は回避されたらしい...それでも一瞬で幹部を7人も無効化してしまった。

「麻痺特性あるんでしばらく動けないすね!ばれちゃったんで射撃はここまです。」

 ジャック...凄い......思ってた暗殺者とは違うけど...射撃は思ってたのより格好よすぎる!!しかもわずか2分足らずで7人も...

  幹部が一気に動けなくなったことにより戦場が一気に僕達有利になる...あとは僕がやろうかな?

「まー君、まだ俺のターンすよ。」

 スナイパーだけの暗殺者だと思ったが違うのか?僕は少年のようにジャックに期待の目を向ける...こんなワクワクいつ以来かわからない、、

「《魔力変形》」

 バコォオーン ジャックが唱えると爆発と共に戦場が黄色の煙に包まれる。もう戦場は黄色一色でなにも見えない...

「さっきの弾...ちょいいじったら爆発するんすよwwwwww」

  笑いながらジャックはどっかに駆けていく。急に視界がなくなったことで戦場は混乱し、めっちゃごちゃごちゃしてる...さっきの有利はどっかいってしまったかもしれない。

 ジャック、、、自由すぎるよ...でも実力と自分から離れた魔力の弾を操作できる腕は流石だ。魔力操作だけだったら僕の魔王軍1かもしれない。

「ただいまーー」

 そんなこと思っているうちにジャックが煙の中から帰ってきた、、、ジャックの手には残りの敵幹部の首...煙に紛れて暗殺したのか?全て一刀のうちに切られている。えぐぃてぇーーー!!

「ドラゴンとアイビスは無理なんで...俺の仕事終わりすね!!」

 いや、充分すぎる...敵の幹部を全員暗殺するなんて、、しかも戦場で...暗殺者ってそんなものなの?一騎当千の英雄より敵幹部を指揮官を抹殺する暗殺者の方がよっぽど英雄かも、、、、

 あとで聞いたら強い者ほど、戦場の方が気を散らしているので殺しやすいとのことだった。今回のようなごちゃごちゃ戦場だとなおさららしい。

 いや、気を散らすじゃなかって...気を張るの間違いじゃない?そっちの方が殺しにくいから!!でも結果出してるからなにも言えない...

「そうだね、ポプラ送って上げて」

 僕はこれしか言えなかった...

「じゃあ あげーー で頑張って下さいね。」

 あげーーって?上げるって意味かな?気持ちを上げるみたいな...それだけ言うとジャックはビュン 帰っていった。

 煙が晴れ戦場を見渡すと、幹部が全て消えたことにより徐々に僕達が有利になっていていた。まだ関係なしの所はアイビスvsパルンとドラゴンvs ドラゴンの所だけだ...

  しかもどちらも少し押されている。僕が助けれるのはどちらか1つ···悪いけど...ドラゴンを先助けるわ!!ドラゴンに暴れられたら誰も止めれない...ドラゴンが味方の間に頑張らないと、、1対1は避けたいし。

 でも...どうしたら?死体には光属性か聖属性が一番きく...でも魔王ってこともあるのだと思うが...聖属性は使えないし、、光属性も得意ではない。

 死体となったドラゴンは知力と防御力が下がる変わりに...パワーと再生力が超UPするという特性がある。

 そして特に厄介なのが再生力、、傷を負わせても一瞬で回復する。これのお陰であの美しいドラゴンが押されているといっても過言ではない。僕の光魔法が急成長しない限りなにも攻撃が通らない可能性もある。

 僕は心の中で覚悟を決めた・・・・
 
 
  
 

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