魔王に転生したら勇者に殺される運命だった話

僕ちゃん

8話  魔王ケイト(2)

  「《ダークアイ》」 

 ふぅーー、こっからが大変だな...しらみ潰しに鑑定していくしかないからな...いくら魔法創造で『並列意志』作ったからって...しんどいもんはしんどい...



 『ダークアイ』とは闇魔法の一つで、新たな目を作り新しい視覚を得る魔法だ...普通は両目を瞑り遠くを観察するときに使う魔法だが...魔王ケイトは『並列意志』の作成により100以上の目を扱うことに成功している...また次元魔法の目に見えるところにしかゲートを開けないという欠点もこの魔法で補っていた。

 ◇

「本当にいるんかよ!!」

「はい いますよ! ケント」

 くそー、あれから5ヶ月も探してるのに...人間数多すぎだろ、まだ無自覚の勇者とか普通の人と変わらないからな...全然見つからない!!
 
 マリクルースは、暇そうだから下の町行ってきなよって言ったら、本当に行ってしまうし....

 毎日今日はこれ食べた、これしたって...ずるいよぉーーーーー!しかも町じゃ噂のべっぴんさんになってるし...

 僕なんて修行僧ってあだ名つけらてるのに....
確かに座りっぱなしだけど...こっちは命かかってるんだよーーーー...全部、全部勇者のせーだ。早く見つかれよ!!

 えっ、あっ、あー勇者だ...勇者見つけたよ!
突然過ぎてすぐには受け入れられなかった...
  でも確かにステータス画面に『勇者』って書いてある...

「マリーー、僕はやったよ!!」

「よしっよし」

 えっ?頭を撫でてくれた...マリクルース?こんな幸せあってもいいのか、、僕の疲れなんて全部吹き飛んだ...勇者、勇者ありがとーーーーーーー!!

 【1ヶ月後】

 うーん、感動した...1ヶ月観察した結果、地元の人にも愛されてるし、何より困ってる人がいたら絶対に助けてる。もー勇者になっちゃえよ!!狩人の仕事見てる限り結構強いし!完璧人間じゃん!!

「ケント?大丈夫ですか?」

 あぶない、あぶない、勇者の策略にはまるところだった...まだ魔王に対してどう思ってるかわからないしな...もしかたら殺さないといけないかもだし...

「その時は私がしますよ...」

「マリー...」

 優しさで言ってくれたのか...僕だったら勇者と戦う時弱くなるから言ってくれたのかわからないが...僕には前者にしか思えなかった...

「じゃあさ 明日いこうか?」



「《ゲート》」

 『ダークアイ』の視点を使い僕がいる場所と勇者の町をつなぐ、やっぱ便利だな...

「マリー 行くよ!」

 僕はゲートをくぐる...もうじき勇者がくるばずだ、そして僕に声をかけてくるはず。来た!!ってかマリーはよくこいよ...なんかメイド服をただしている、こ い よ!!

「どうしたんですか?」

 ほら、声をかけてきた。それよりマリー!!チャンスは一度だけだぞ...

「ちょっとこの辺りに引っ越して来ようかなって思ってて...でもあまりわからなくて。」

 マリー...もう...そろそろ来ないと!!

「もし時間があったら今日1日この辺り案内しましょうか?」

 やっぱ優しい...マリーこのタイミングしかないぞ、、、もういることに賭けるしない!

「じゃあお言葉に甘えていいですか、この子も一緒にお願いします。」

 ふぅーー、何とか後ろに気配が...ほらっ勇者もちょっと驚いてるじゃん!!転生してからいっちゃんヒヤヒヤしたわ!さすがマリクルース...

   この後は軽く自己紹介して、しばらくすると聖剣の話になった...マリークルスは勇者が聖剣を持つことを恐れていたが、、殺すにしても聖剣は持たせないといけないしな...この方が魔王の話もしやすいし...

「勇者なったらやっぱ魔王とか倒しに行きますか?いるかわかないですけどね....」

 ついに聞けた...この後の返事次第では、、

「どうなんですかね?町の中にいたら安全ですし...わざわざ倒さなくてもいい気がしますね」

 おっアポロいい勇者かも!『勇者リセマラ計画』いきなりSSRじゃん...町にさえ攻めなかったらOKっと、僕の考えてた計画と一緒!!!
僕は間違えてなかったんだ。

 この後僕達は聖剣のところいった。勇者アランだったら抜けたのかな?ふとそんなことを思った...

 一度いかしとくべきだった。ミスったな
 そんなこと思ってるうちに僕が抜きに行く番になった...抜ける分けないもんな、とりあえず抜きにいく

「ブーン」 「ブーン」 「ブーン」

 なっ、ゲート...なんで?僕が魔王とばれたのか?・・・・何だ!!このモンスターは?僕は一応全部習ったはずなのに..知らないぞ。

 しかも攻撃してくる...闇魔法は使えないし...

「ケントあぶねぇーー!!」

 わかってるよ...

 「《デミネーションゲート》」

 やっぱこれしか頼れれねえな...モンスターを余裕で倒す。なっ、からだに若干の虚無感...もう魔力減ってきたのか?基本魔法だぞ?

 もしかして!!勇者と一緒にいるからか?これはヤバい、僕1人で全部は倒せねぇ....死者をだしたら魔王のせいにされるし...

  もうアポロしかいない、、あいつに聖剣を持たせるしか...マリークルスは多分助けることはしないし...

「アポロ...僕達は大丈夫だから町の人達を頼む!!」

 これだけで、絶対聖剣を取りに行くはずだ...
アポロは勇者だから、心も勇者だから...

 ほらっいった。ここからは圧倒的、一瞬で全モンスターを倒してしまった...強すぎないか?まだ43Lv.だぜ!他のステータスはなぜか見れなくなってるけど....

 待って?みまちがい?モンスターが合体していってるような?

「アポロ まだだ、気を抜くな!!」

 まじか!21Lv.ぐらいになってる僕には絶対に倒せない...クソー、こんなにきついなんて...
  ヤバいっ

「《デミネーションゲート》」

 僕は町の人を守るので精一杯だ、魔力ももうつきる...闇魔法が使えたら、やり方はいくらでもあるのに...今はアポロに倒してもらうしかない...

 「僕が守るからアポロは本体をやれ!」

「アポロ 道は俺とマリーで作るからお前はただ真っ直ぐ敵の頭向かって走れ!!」

 こー言ったら、マリクルースも手伝ってくれるはず...あのキタローと戦かった時に使った見えない壁を作る魔法で...

 うんっ使ってくれた...ホントに空中を走ってるみたいだ!やっぱいい魔法だな...
 あっ俺の仕事だな...

「アポロ そのままいけぇーー!!」

「《デミネーションゲート》」

 最後の魔力になるかもな、結構大きいし...
何とか転送できた、、あっチャンスだ

「アポロ いけぇーーー」

  「《斬》」

 さすが、アポロ...決めるところは決めるじゃん!!ワーー 歓声がおきる...勇者っていいな。僕が戦かっても歓声なんておきない!!

 待てよ?このまま王族とか来たら...魔王討伐につれていかれるやつじゃん..だって勇者だもんな、、それはだめだ..

「アポロ づらかるぞ」

 アポロはちょと怒っていたが、ちゃんと話せばすぐに分かってくれた...しまいには

「ケント 僕はどうしたらいいと思う?」

 こんなこと聞いてくるくるぐらいだ!もちろん魔王と仲良くしろなんて言えない...
  適当にはぐらかす...もちろん魔王を倒さない方向に....
 そしてついにきた
    
「ケント マリー 僕のパーティーになってくれるかい?」

 僕が一番願った展開きたーーー!同じパーティーになるこれが一番仲良く為る方法だ!!
まさかパーティーメンバーが魔王なんて思わないもんね!

 でも、あのモンスターのこともあるし...魔界も気になるし、今すぐは無理だな...この後マリクルースと相談し...2年後にパーティーを組むことになった。

「ですが調べものもありますし、図書館だけ一緒にいきませんか?」

 マリクルースがこんな提案するなんて...いつもは『叡智』だけで何とかしてるのに、あのモンスターのことわからなかったからな...

「いいね、俺も世界について知りたかったし、一緒に行こ!!」
 
 アポロも乗り気みたいだ...てか?

「アポロって一人称『僕』じゃなかったけ?」

「ばれたかぁー、勇者になったから変えよかなって?やっぱ変?」

「いや、変ではないけど...」

 じゃあ魔王の僕はなんて言ったらいいんだよ?····我?···余?···いや、僕のままでいいや...
    
 とにかく僕達は図書館へと向かった・・・・

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