魔王に転生したら勇者に殺される運命だった話

僕ちゃん

5話  勇者アポロ(1)

 目が完全に開きききる前に、ベッドから数メートル歩きカーテンを開ける、おはよー太陽、今日も昇って来てくれたんだね...今日もまぶしいな...

 働かない頭のまま水道まで歩き顔を洗うシャキッ ここでやっと僕の朝が始まる...

    今日はどんなモンスターが狩れるかな?生きるためにはモンスターを倒すしかない...使い道はそのまま食べたり、売りに行ったり様々だ。

 でも売りにいっても冒険者からしか買ってくれない店が増えて来て困っている。本当にあいつら何なんだよ!やってることは狩人と対して変わらないのに!いっそ僕も冒険者になろうか...

 あっ「おはよーございます」この辺りは老人ばかりで僕がモンスターの肉なんかをお裾分けしている...お返しに野菜くれるからどっこいどっこいだ!

 「今日も頑張っておいでよ」そういって果物を投げてくれた...最近朝ご飯はこの果物だけになっていた...本当にありがたい、、
 
 うんっ?いつもと違う風景に気付く、見かけない顔だな...この辺りの皆の顔は全て頭に入っている。あんな青年いたっけ?

「どうしたんですか?」
 一応声をかける....

「ちょっとこの辺りに引っ越して来ようかなって思ってて...でもあまりわからなくて」

「もし時間があったら今日1日この辺り案内しましょうか?」

 ご近所さんになるかもしれないし、、僕は自分に言い聞かせる...困っている人は見捨てられない性格だ!でもなんか理由は欲しい...自分でも厄介な性格だと思う...

「じゃあお言葉に甘えていいですか、この子も一緒にお願いします。」

 おぉ、後ろからさらにもう一人出てきた...なぜかメイド服を着た女性...多分同い年ぐらいかな?

「失礼ですが、冒険者さんですか?偏見ですがパーティーか何かかと?」

 思ったことはすぐに言ってしまう達だ...もしかしたらこれから狩場で会うかもしれないな...
ちなみにカップルとは微塵も思わなかった...

「あっ挨拶遅れてすみません、僕はマチダ・ケント、ケントって呼んでください...そしてこの女性がマリー、僕達は冒険者になろうかなと思っています。だから一応パーティーですかね」

「あっこちらこそ、僕はアポロ・クレイオス、アポロって呼んでください、僕は狩人です、また狩場で会うかもですね!」

 とりあえずの挨拶はすませた...ケントが気さくなやつでよかった...メイド服のことは一応聞かないでおいた...それぐらいの気づかいは僕にだってできる、、、

 さてさて、どこ案内したらいいかな?冒険者だから僕の狩場を案内してもいいと思うけど...流石にいきなりはダメかな?まずはモンスターがいないところがいいだろ...

「町とか行きますか?今だったら聖剣エクスカリバーも刺さってますし...」

 うんっ?いけなかったのか?マリーがしきりに顔を横に振っている...でもケントはというと...明らかにテンションが上がっている、どーするかな?やっぱレディーファースト?

「行ってみたいです!アポロは聖剣チャレンジしましたか?」

 行くんかーい!!聖剣チャレンジ?えっと、あーー、抜けるか挑戦するやつか...僕が勇者のわけがないから挑戦なんてしてなかったけど...あの夢のこともあるし、、挑戦してみるかな?

「まだですね~、いい機会だから僕も挑戦してみます...誰か勇者だったらいいですね。」

「ですね!勇者になったらやっぱ魔王とか倒しに行きますか?いるかわかんないですけどね....」

 勇者になったらどうするか...考えたこともなかったな、、そもそも魔王って何なのかな?魔王死んでからもモンスターはいるし...

 そもそも、モンスターいなかったら僕も冒険者も生活できないしな...あの肉を食べれなくなるのはつらいな、、想像するだけで耐えられないわ···

「どうなんですかね?町の中にいたら安全ですし...わざわざ倒さなくてもいい気がしますね」

 こんな勇者嫌だなぁー、言ってから思った....でもこれは、、本心だった...

「あっもしかしてあれですか?めっちゃ綺麗ですね」

 本当だ、、いつの間にか着いていた。めっちゃ久々に来たけどやっぱ綺麗だな...真っ白な壁が特長な民家達そして、そしてその民家の真っ只中にある大きな噴水...

 いつきても凄い水の量だ...そしていつきても凄い人だかりだ、、今日は噴水に聖剣エクスカリバーが刺さっていることもあってよけい人の数が多い...

「聖剣チャレンジしてきていいですか?」
 
「あっやりましょう!」

 僕達はいつみても長蛇の列の聖剣チャレンジの列へと並んだ。・・・・、結構待った。ようやく僕達の番だ。

 まずはマリーが、急にやる気をだして階段を登って行ったがやはり撃沈...行きの階段は凄いスピードで登って行ったが、帰りはトボトボと遅い...これが長蛇の列の原因かもしれない、、皆どこかで勇者に憧れているんだ...

 次はケント、階段を一段一段踏みしめ登って行く、なんか雰囲気あるな...今さらだが思った、ついにエクスカリバーに手を伸ば·····

「ブーン」 「ブーン」 「ブーン」

 なっ 無数のゲートが開き羽が生えた機械型のモンスターが出現。ここは町だぞ...なんでモンスターが、、思考が混乱する、それより...ケントと町の人達が...危ない!!糞、武器持ってくるんだった...

    「ケントあぶねぇーー!!」

 ヤバい...ケントの背中に...モンスターの武器が伸びる....ケントは気付いていない ...

「《デミネーションゲート》」

 なっ ケイトの背中に小型のゲートみたいなのが開き逆にモンスターの後頭部に攻撃を転送!!モンスターは自分で自分を攻撃したことになる...流石冒険者だな...

「アポロ...僕達は大丈夫だから町の人達を頼む!!」

 そうだ...今は町の人達の安全をでも·····武器がない、どーしたらいいんだ・・・・・・




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