異世界マゼマゼ奮闘記
閑話―その頃の他の汲広とアントネラ、悠生とステファニア
「…というわけで、ガムンダル様という神様は以前いましたが、言ったとおり、神様も代替わりします。今はガリャクシール様からシャームンドム様とフィリフレネシア様に代替わりが進行中です。これから2神の時代に突入することでしょう」
ここはアカツキ領、領主邸のあるハーパヤのマダラーウ教の教会。
そこの神官とアカツキ伯爵が話し込んでいる。神官は、
「これは面白い。神学校では神はガムンダル様ただ1人。代替わりもしなければ、2神も頂くこともないと習います。それに異を唱えるんですね?」
するとアカツキ伯爵は、
「はい。異を唱えます。ちなみに、人の魂は輪廻転生、人が死ねば、魂はとある所に行ってしまいますが、時が経てば、人か動物かはその魂次第になりますが、生まれ変わります。神も、神の眷属も例外ではなく、数代前の神が、輪廻転生で、また神の座に着くということも珍しくありません。神の魂は、生まれ変わっても神に。それだけ神の魂は崇高なのです」
「私は今でこそマダラーウ教の神官をしておりますが、元々は宗教研究家です。マダラーウ教が広がる前の宗教についても以前研究しておりました。アカツキ伯爵はマダラーウ教と、以前の雑多な宗教を混ぜた考え方をしているようですね。そんな一見バラバラな宗教観をお持ちの方ですが、よくよく聞くと、一貫性があり、まとまっている。是非また宗教について語りたいものですね」
「大変興味深いご意見でした。もうこちらもお祈りの時間が迫っております。アカツキ伯爵のご意見は大変興味深い。次回は後世に残すためにメモを取りながら、じっくりと聞きたいものです。時間がなく大変申し訳ありません。アカツキ伯爵、お帰りはお気を付けて」
お祈りの時間にかこつけて、アカツキ伯爵を追い出す神官たち。お祈りの時間を理由にしたが、これは本当で、急いで準備しなければならない。神官達は慌ただしく準備を急いだ。
「我らはガムンダル様に仕える者なり。我らをよく見、その敬虔なる姿を記憶に留めおき頂き、感謝の気持ち、溢れんばかりなり…」
お祈りが済み、話題は先ほど来ていたアカツキ伯爵の話になる。
「全く。あやつはどういう神経の持ち主か!」
「本当に。ガムンダル様を軽く否定しおって。けしからん!」
「物語としては面白いが、現実に即していない、危険人物だ」
「なまじ権力を持った相手だ。どうする?」
「今日みたいに聞くフリをして、適当に相づちを打っておけばいいのではないか?権力を持ち出すことはないだろう?」
「とりあえず、そうする他ないだろうな」
真実を語るアカツキ伯爵に対し、頭の硬い神官たち。
アカツキ伯爵が説得し終えるには長い年月がかかりそうであった。
*
「一応、僕が教祖になるのかな?」
ここは日本、首都の郊外にあるとある雑居ビル。
こちらの汲広とアントネラも、正しき神のお姿と、神の教えを伝えるべく、ただ今新宗教の立ち上げ準備中である。
「とりあえず、パイプ椅子の準備ができた。教卓の準備もできた。会議用の長机もよし。とりあえず、こんなものかな?」
神がどのようなものか、神界はどのような所か、そういった教えを説くときは、信者をパイプ椅子に座らせ、汲広やアントネラは教卓前で説明する。
信者同士でディスカッションするときは、会議机を出して話し合いをしてもらう。
開場の準備としてはこんなものだろう。
「あとは教典をどうするかだな。まだ書きかけなんだよなー」
「教典を書き上げるのも、宗教法人を立ち上げるのも、時間がかかりますもの。今のように同時進行でいいのではありませんか?」
「そうだな。両方時間がかかるものな。まぁ、マイペースで頑張りますか」
インジスカン王国のアカツキ伯爵の話は神官たちには信用されず、ただただ煙たがられるだけ。
日本の汲広やアントネラは新興宗教の立ち上げ中。
どちらも教えを広げるには前途多難なのであった。
ここはアカツキ領、領主邸のあるハーパヤのマダラーウ教の教会。
そこの神官とアカツキ伯爵が話し込んでいる。神官は、
「これは面白い。神学校では神はガムンダル様ただ1人。代替わりもしなければ、2神も頂くこともないと習います。それに異を唱えるんですね?」
するとアカツキ伯爵は、
「はい。異を唱えます。ちなみに、人の魂は輪廻転生、人が死ねば、魂はとある所に行ってしまいますが、時が経てば、人か動物かはその魂次第になりますが、生まれ変わります。神も、神の眷属も例外ではなく、数代前の神が、輪廻転生で、また神の座に着くということも珍しくありません。神の魂は、生まれ変わっても神に。それだけ神の魂は崇高なのです」
「私は今でこそマダラーウ教の神官をしておりますが、元々は宗教研究家です。マダラーウ教が広がる前の宗教についても以前研究しておりました。アカツキ伯爵はマダラーウ教と、以前の雑多な宗教を混ぜた考え方をしているようですね。そんな一見バラバラな宗教観をお持ちの方ですが、よくよく聞くと、一貫性があり、まとまっている。是非また宗教について語りたいものですね」
「大変興味深いご意見でした。もうこちらもお祈りの時間が迫っております。アカツキ伯爵のご意見は大変興味深い。次回は後世に残すためにメモを取りながら、じっくりと聞きたいものです。時間がなく大変申し訳ありません。アカツキ伯爵、お帰りはお気を付けて」
お祈りの時間にかこつけて、アカツキ伯爵を追い出す神官たち。お祈りの時間を理由にしたが、これは本当で、急いで準備しなければならない。神官達は慌ただしく準備を急いだ。
「我らはガムンダル様に仕える者なり。我らをよく見、その敬虔なる姿を記憶に留めおき頂き、感謝の気持ち、溢れんばかりなり…」
お祈りが済み、話題は先ほど来ていたアカツキ伯爵の話になる。
「全く。あやつはどういう神経の持ち主か!」
「本当に。ガムンダル様を軽く否定しおって。けしからん!」
「物語としては面白いが、現実に即していない、危険人物だ」
「なまじ権力を持った相手だ。どうする?」
「今日みたいに聞くフリをして、適当に相づちを打っておけばいいのではないか?権力を持ち出すことはないだろう?」
「とりあえず、そうする他ないだろうな」
真実を語るアカツキ伯爵に対し、頭の硬い神官たち。
アカツキ伯爵が説得し終えるには長い年月がかかりそうであった。
*
「一応、僕が教祖になるのかな?」
ここは日本、首都の郊外にあるとある雑居ビル。
こちらの汲広とアントネラも、正しき神のお姿と、神の教えを伝えるべく、ただ今新宗教の立ち上げ準備中である。
「とりあえず、パイプ椅子の準備ができた。教卓の準備もできた。会議用の長机もよし。とりあえず、こんなものかな?」
神がどのようなものか、神界はどのような所か、そういった教えを説くときは、信者をパイプ椅子に座らせ、汲広やアントネラは教卓前で説明する。
信者同士でディスカッションするときは、会議机を出して話し合いをしてもらう。
開場の準備としてはこんなものだろう。
「あとは教典をどうするかだな。まだ書きかけなんだよなー」
「教典を書き上げるのも、宗教法人を立ち上げるのも、時間がかかりますもの。今のように同時進行でいいのではありませんか?」
「そうだな。両方時間がかかるものな。まぁ、マイペースで頑張りますか」
インジスカン王国のアカツキ伯爵の話は神官たちには信用されず、ただただ煙たがられるだけ。
日本の汲広やアントネラは新興宗教の立ち上げ中。
どちらも教えを広げるには前途多難なのであった。
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