異世界マゼマゼ奮闘記
天界の目的と新たな課題
(これからお主らを呼び出す故準備せよ)
今日は休みの日。
外に出ても大丈夫な恰好に着替えて、さぁ、朝食を食べようと階下に降りようとしたときそんな念話が飛んできた。
慌てて寝室に行ったところ、アントネラと鉢合わせになった。
外出着のまま、アントネラとベッドで仰向けに寝て、目をつぶって呼び出しを待っていた。
若緑色を基調とした壁、焦げ茶色の床に、枯れ色の天井、そして、テーブルと椅子とティーセット。
あの、ミーティングルームである。
そこに、スキカが一人。
対面してアカツキ伯爵、ステファニア、汲広、アントネラが座っている。
「いきなり呼び出してすまんな。どうしても4人揃わなければ困る事態だったのだ」
「いえ。しかし、急に呼び出しとは何かあったのですか?」
スキカは飲み物に口を付けて喉を潤した。
「いや、急にということではないのだが、話しておかなければならないことがあってな」
「その話というのは?」
「我は以前、もう何年も前になるか、互いの世界には無い文化やら技術、その他諸々を世界に広めて欲しいと頼んだ。憶えているか?」
「はい」
スキカとの受け答えをしているのは専らアカツキ伯爵である。
「だが、理由は言わなんだ。お主らが気になっていることを分かりながら」
「こちらとしても、何か事情があって話してくれないのだと思っていました。その話題が出るということは、話してくれるんですね?」
「あぁ。それに、課題が一つ増えたことも含めてだ」
4人はゴクリとつばを呑んだ。
「お主ら4人にやって欲しかったのは2つ。1つは地球とニーヘロイ星の空気を混ぜてもらいたかった」
「空気を混ぜる?」
「あぁ。1年後にニーヘロイ星にて大きなウィルスのパンデミックが起こると予言されていてなぁ」
「それは大変なことに…」
「発生源はインジスカン王国だった。そこで、地球に、身体にくっつく構造は同じだが、病気を発症しないウィルスがいるのを突き止めてなぁ。それで、空気を混ぜて、ニーヘロイ星の住民に、先んじて体に抗体を作ってもらおうとしたのだ。まぁ、予防接種みたいなものだ」
「抗体があると発症しない?」
「多少は発症する者も居るだろうが軽度出済むであろう。大陸全土に広がることが予想されたものを、発生源で予防したかったのだ」
スキカは飲み物に口を付けて喉を潤した。
「1つ目の目的はそれだ。2つ目は医療を混ぜてもらいたかった」
「医療ですか?」
「そうだ。日本で、現代医療ではどうしようもない病が5年後に起こることが予想されておる。治癒魔法系の術があれば簡単に治るものだ。そこで、日本に、ニーヘロイ星の治癒魔法を輸入してもらいたかったのだ」
両方の星にそれぞれ利があることが理由として挙げられた。
片方だけに利があるより、双方に利があるのなら、これはくっつけて良かったと思う汲広とアカツキ伯爵であった。
「そこに、お主らから治癒魔法を日本にもたらしたいという提案がなされた。渡りに船。これは是非とも実現させねばと思った。そして、両方に目処がついたため、この話は一時は世間を賑わすであろうが、さして問題なかろう。日本、そしてニーヘロイ星。両方の危機は免れたのだ」
4人は飲み物に口を付けて喉を潤した。
「そして、新たな課題だが、我々にも階級があっての。その頂点におわす方、つまり、本物の神が長い眠りに入ってなかなか目を覚ましてくれぬのだ」
4人は先を促すようにうなずく。
「神、名をガリャクシール様と言うのだが、その屋敷には結界が張られており、入るものを選別する。しかし、今代の神の眷属では皆、弾かれてしまっての。そこで、データを分析した結果、お主らなら入れるのではないかと結論に至った」
「神域の住人ではない我々がですか?」
「うむ。お主らはそれだけのものを持っているということだ」
4人は顔を見合う。
「屋敷には番兵として神獣がおっての。そいつらを黙らせないとガリャクシール様の所へはたどり着けないのだ。そこで、お主らには神代魔法を勉強してもらって神獣を黙らせながら、ガリャクシール様の御前へ行って起こしてもらいたいのだ」
4人はゴクリとつばを呑んだ。
「これは一方的なお願いだ。他には適合者がいなくてお主らにしか頼めん。よく考えて行くかどうかを考えてくれ」
話が終わって数分後、4人は飲み物に口を付けて喉を潤した。アカツキ伯爵が、
「持ち帰って検討させてもらいます」
と言った。
「あい分かった。それでは貴重な時間を済まなかったな。もとの世界へ戻るがいい」
そう言うと、ミーティングルームは遠ざかり、フッと元いた世界へ意識が戻るのであった。
今日は休みの日。
外に出ても大丈夫な恰好に着替えて、さぁ、朝食を食べようと階下に降りようとしたときそんな念話が飛んできた。
慌てて寝室に行ったところ、アントネラと鉢合わせになった。
外出着のまま、アントネラとベッドで仰向けに寝て、目をつぶって呼び出しを待っていた。
若緑色を基調とした壁、焦げ茶色の床に、枯れ色の天井、そして、テーブルと椅子とティーセット。
あの、ミーティングルームである。
そこに、スキカが一人。
対面してアカツキ伯爵、ステファニア、汲広、アントネラが座っている。
「いきなり呼び出してすまんな。どうしても4人揃わなければ困る事態だったのだ」
「いえ。しかし、急に呼び出しとは何かあったのですか?」
スキカは飲み物に口を付けて喉を潤した。
「いや、急にということではないのだが、話しておかなければならないことがあってな」
「その話というのは?」
「我は以前、もう何年も前になるか、互いの世界には無い文化やら技術、その他諸々を世界に広めて欲しいと頼んだ。憶えているか?」
「はい」
スキカとの受け答えをしているのは専らアカツキ伯爵である。
「だが、理由は言わなんだ。お主らが気になっていることを分かりながら」
「こちらとしても、何か事情があって話してくれないのだと思っていました。その話題が出るということは、話してくれるんですね?」
「あぁ。それに、課題が一つ増えたことも含めてだ」
4人はゴクリとつばを呑んだ。
「お主ら4人にやって欲しかったのは2つ。1つは地球とニーヘロイ星の空気を混ぜてもらいたかった」
「空気を混ぜる?」
「あぁ。1年後にニーヘロイ星にて大きなウィルスのパンデミックが起こると予言されていてなぁ」
「それは大変なことに…」
「発生源はインジスカン王国だった。そこで、地球に、身体にくっつく構造は同じだが、病気を発症しないウィルスがいるのを突き止めてなぁ。それで、空気を混ぜて、ニーヘロイ星の住民に、先んじて体に抗体を作ってもらおうとしたのだ。まぁ、予防接種みたいなものだ」
「抗体があると発症しない?」
「多少は発症する者も居るだろうが軽度出済むであろう。大陸全土に広がることが予想されたものを、発生源で予防したかったのだ」
スキカは飲み物に口を付けて喉を潤した。
「1つ目の目的はそれだ。2つ目は医療を混ぜてもらいたかった」
「医療ですか?」
「そうだ。日本で、現代医療ではどうしようもない病が5年後に起こることが予想されておる。治癒魔法系の術があれば簡単に治るものだ。そこで、日本に、ニーヘロイ星の治癒魔法を輸入してもらいたかったのだ」
両方の星にそれぞれ利があることが理由として挙げられた。
片方だけに利があるより、双方に利があるのなら、これはくっつけて良かったと思う汲広とアカツキ伯爵であった。
「そこに、お主らから治癒魔法を日本にもたらしたいという提案がなされた。渡りに船。これは是非とも実現させねばと思った。そして、両方に目処がついたため、この話は一時は世間を賑わすであろうが、さして問題なかろう。日本、そしてニーヘロイ星。両方の危機は免れたのだ」
4人は飲み物に口を付けて喉を潤した。
「そして、新たな課題だが、我々にも階級があっての。その頂点におわす方、つまり、本物の神が長い眠りに入ってなかなか目を覚ましてくれぬのだ」
4人は先を促すようにうなずく。
「神、名をガリャクシール様と言うのだが、その屋敷には結界が張られており、入るものを選別する。しかし、今代の神の眷属では皆、弾かれてしまっての。そこで、データを分析した結果、お主らなら入れるのではないかと結論に至った」
「神域の住人ではない我々がですか?」
「うむ。お主らはそれだけのものを持っているということだ」
4人は顔を見合う。
「屋敷には番兵として神獣がおっての。そいつらを黙らせないとガリャクシール様の所へはたどり着けないのだ。そこで、お主らには神代魔法を勉強してもらって神獣を黙らせながら、ガリャクシール様の御前へ行って起こしてもらいたいのだ」
4人はゴクリとつばを呑んだ。
「これは一方的なお願いだ。他には適合者がいなくてお主らにしか頼めん。よく考えて行くかどうかを考えてくれ」
話が終わって数分後、4人は飲み物に口を付けて喉を潤した。アカツキ伯爵が、
「持ち帰って検討させてもらいます」
と言った。
「あい分かった。それでは貴重な時間を済まなかったな。もとの世界へ戻るがいい」
そう言うと、ミーティングルームは遠ざかり、フッと元いた世界へ意識が戻るのであった。
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